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投資はときに希望と同義である(藤野英人) レオス・キャピタルワークス社長兼最高投資責任者

2017/2/21

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「投資は常に未来志向。『夢を見る』だけではなく、『未来に向かって実現したい』という強い思いが必要だ」

 先日、テレビ東京の経済情報番組「カンブリア宮殿」に出演させていただきました。当社と私の活動を紹介していただいたあとで、司会者の村上龍さんに次のようにおっしゃっていただきました。

 「ファンドマネジャーには、最先端の情報機器を身につけ、世界を駆け巡り、莫大な資金を動かす『格好いい職種』というイメージがいまだにあるような気がする。藤野さんは違う。事前にある程度の情報を得た上で、自分の足で全国を回り、自分の目で投資の適・不適を確かめる」

 「『金があれば何でも買える』。そんなことをいった人もいた。だが、信頼は金では買えない。藤野さんのファンドは、信頼がベースになっている。投資で重要なのは、未来の価値を見極めることだ。だから、投資はときとして『希望』と同義語となる」

 そして私が運用している「ひふみ投信(ひふみプラス)」について、「信頼と希望のファンド」と高評していただきました。

■投資は常に未来志向

 過分なお言葉、本当にありがたく感じました。以前、当社のセミナーに出ていただいた、ある経営者が当社のファンドを「コミュニティーファンド」と称してくれたことがあります。村上さんも同じことをおっしゃったのだと思います。

 いうまでもなく、投資は常に未来志向です。そしてそれは単に「夢を見る」だけではなく、実際に「未来に向かって実現したい」という強い思いが必要です。夢を見るだけでは実現はしないのです。

 株価はPER(株価収益率)×EPS(1株当たり利益)で計算されます。

 PERはわかりやすくいうと、市場での人気度です。IT(情報技術)企業のように成長イメージが高い業種のPERは高めに評価されますし、逆に成熟産業のPERは低めに評価されます。

 しかし、最終的に株価はEPSに連動していきます。なぜならば、PERの上昇には限界があり、大体の場合は5~40倍くらいに収斂(しゅうれん)します。一方で利益はその会社の努力(経営陣や社員の頑張りや経営の工夫)によって、時間をかけて大きく成長させることが可能です。

 EPSを上昇させるには、その会社の本質的な成長が必要です。役職員が頑張って、顧客に喜ばれる商品やサービスを提供しなければなりません。そうすると、結果的にその会社は「儲ける(もうける)」ことができます。

 儲けるの「儲」という字は「信じる者」と書きます。会社の使命に役職員が共感し、そこに顧客の共感が生まれ、売り上げが伸びるわけです。つまり、その会社の活動を支援することが「希望」につながります。希望とは、そうした会社の長期的な成功を強く信じることなのです。それが「投資はときとして希望と同義である」という意味なのではないでしょうか。

■日本の将来は明るいと信じる

 「日本は長期的にダメになる。だから日本株の投資はできない」という人がいます。そうした人の意見を否定するつもりはありません。しかし、私はそんな考えをしたことはありません。私は日本の将来を明るいと思っているからです。

 なぜかというと、日本中をあちこち旅して、各地に将来の日本を支えていくであろう会社や経営者が大勢いることを実感しているからです。東京にばかりいると、楽観的思考の私ですら、だんだん暗くなっていきます。東京では人々に心の余裕がないので、暗い未来の予想と怨嗟(えんさ)の念が広がってしまうからでしょうか。

 こうした人たちが増えると本当に暗い未来になってしまわないか不安になります。日本には見えない2つの政党があるとしたら、「日本未来党」と「日本暗い党」でしょう。日本の未来はどちらの勢力が多くなるかにかかっているような気がします。私はやや劣勢気味の日本未来党の党員として、希望を語っていきたいと思っています。

 なお、私が出演した「カンブリア宮殿」は民放公式テレビポータル「TVer(ティーバー)」で2月23日夜まで無料で見られるので、まだの方はぜひご笑覧ください(http://tver.jp/episode/26329918/)。視聴は動作環境をご確認ください。

プロのポートフォリオは運用に精通したプロが独自の視点で個人投資家に語りかけるコラムです。原則火曜日掲載で、レオス・キャピタルワークス社長兼最高投資責任者(CIO)の藤野英人氏と楽天証券経済研究所所長兼チーフ・ストラテジストの窪田真之氏が交代で執筆します。
藤野 英人(ふじの・ひでと) レオス・キャピタルワークス社長兼最高投資責任者(CIO)。1966年生まれ。早稲田大学法学部卒。90年野村投資顧問(当時)に入社。96年ジャーディンフレミング投資顧問(当時)に入社。驚異的なパフォーマンスを上げ、「カリスマファンドマネジャー」と呼ばれた。2000年ゴールドマン・サックス・アセット・マネジメントに入社。03年レオス・キャピタルワークス創業。09年取締役、15年10月社長就任。明治大学非常勤講師なども務める。著書に「投資家が『お金』よりも大切にしていること」(星海社)など多数。

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