健康・医療

from 日経Gooday

花粉症の目のかゆみ 「効く対策」に7つのウソホント

日経Gooday

2017/2/22

■とにかく「かゆみ」をとりたい! どうすれば……

【Q5】かゆみをとるには水道水で目を洗い、花粉を追い出すとよい?× 「水道水」ではなく「人工涙液」で目を洗おう

花粉が気になったときや帰宅時に、目を洗い花粉を洗い流そう。ただし、水道水はNG。水道水に含まれる塩素で目を傷つけてしまう恐れがあるからだ。

では、まぶたと一緒に洗うタイプの洗眼薬はどうだろう? 「デリケートな目元の皮膚を何度も洗うことになるので、すすめません。洗うのは目だけでいい」と高村さん。

高村さんのおすすめは人工涙液。それも防腐剤が入っていないものだ。

「涙に近い成分なので、安心して使えます。しかも防腐剤不使用だと、目を洗うのに最も適しています。防腐剤として使われるベンザルコニウム塩化物(BAK)は界面活性剤なので、高濃度の度重なる接触により、角膜上皮障害を引き起こすことがあります。また、BAKは接触皮膚炎を起こしやすいことも分かっています。目からあふれるくらい、2、3滴さして、あふれた分を軽くティッシュで拭き取れば、目の表面は十分に洗われています。コンタクト装着時も点眼可能です。クーリングしたいときには、冷蔵庫で冷やして使うと気持ちいいですよ。目の乾きを和らげる効果も期待できます」(高村さん)

Warning
花粉症シーズンのアイケアのためには、目薬をこまめにさせばよいと思っている人もいるだろうが、用法・用量を超えた使用は厳禁だ。「例えば、充血をとるための目薬(血管収縮剤を含む)を長期的に使用し続けると、リバウンドを起こし、かえって慢性的な充血を引き起こす場合もあります。病院に行く時間がないからと市販の目薬を常用・乱用する人もいますが、それは控えて」(高村さん)
人工涙液とは?
涙に近い成分になるように作られた点眼薬。防腐剤不使用、使い切りタイプで、ドライアイなど乾燥対策に使われることが多い。市販のものでは、「ソフトサンティア」(参天製薬)、「ロートソフトワン点眼液」(ロート製薬)、「アイリスCL-Iネオ」(大正製薬)などがある。

【Q6】こするのはダメだが、冷やすのはOK?△ かゆいときには冷やしてもいいが、かゆみ解消にはやはり病院での治療が確実

かゆみを引き起こす物質ヒスタミンに反応する神経は、目頭や目の皮膚に近いところに多い。冷やすと、かゆみが楽になることがある。とはいえ、かゆみの症状には、やはり病院での治療が確実。早めに受診しよう(詳しくは【Q7】を)

まぶたがかゆい場合は……
「まぶたなど目の周囲の皮膚は薄いので、かきこわさないように注意を。乾燥してかゆい場合や、花粉皮膚炎を起こしている可能性もあるので、皮膚のかゆみでつらいときには、皮膚科を受診しましょう」(高村さん)

【Q7】アレルギー用点眼薬は、コンタクトと併用できないのでは?× 最近は、コンタクトOK+かゆみに即効性のある点眼薬も出ている

症状が軽いうちから、点眼薬での治療を開始すれば、楽に過ごせるはず(c)liza5450-123rf

「花粉症シーズンは、セルフケアも重要ですが、病院での治療もやはり大切。抗アレルギー点眼薬を継続使用することで、目のかゆみはかなり軽減できます」と高村さん。一番いいのは、早くから予防的に点眼薬での治療を開始することだ。実は、スギ花粉が完成するのは前の年の秋ごろ。私たちが気づいていないだけで、11月ぐらいには目の粘膜でのアレルギー反応はもう始まっているという。また、一度症状がピークを迎えてしまうと、花粉の飛散量が減ってもアレルギー反応はすぐには治まらない。そこで、「症状が軽いうちから、点眼薬での治療を開始してしまうのです。そのほうが、ぐっと楽に過ごせます」(高村さん)

一方、かゆみに即効性があるのは、抗ヒスタミン作用がある薬だ。

「現在、第二世代抗ヒスタミンの点眼薬として、ザジテン、リボスチン、パタノール、アレジオンの4種類があり、どれも即効性があります」(高村さん)

このうち、アレジオンは、2014年12月からコンタクトレンズを着用したままでも使用可能になった。

「これらの薬は、もちろんかゆみが生じてから使用しても効果が期待できますが、継続的に使用することにより、かゆみに対する予防効果も得られます。処方薬できちんとマネジメントしておけば、目のコンディションを良好に保つことができ、コンタクトレンズを使える時間も増えます」(高村さん)

抗ヒスタミン薬でも効かない場合や、症状が悪化している場合は、ステロイド点眼薬などを使うという。

花粉は飛び始めても、まだ間に合う。今年は、治療薬も併せて検討してみては?

◇   ◇   ◇   ◇

このほか、花粉症の症状の改善、軽減のためには、掃除の徹底(花粉を除去)、禁煙(PM2.5の悪影響を減らす)、十分な休息(免疫力アップ)などを心がけることも大切だ。

逆に、やってはいけないことは、「花粉が舞っている中でのスマホ歩き」と高村さん。動きながらスマホの画面を、目を見開いてじっと見る行為は、花粉が付着する機会をわざわざ増やし、目を乾燥させているようなもの。何より、歩きスマホは危ない。ついやってしまう……という人は、これを機会に改めよう。

[注1]公益財団法人日本アレルギー協会事業「的確な花粉症の治療のために(第2版)」より
[注2]日本気象株式会社 花粉ナビより
■この人に聞きました
高村悦子(たかむら・えつこ)さん
東京女子医科大学眼科臨床教授。1979年東京女子医科大学卒業。同大学眼科にドライアイ外来を開設する。2010年より東京女子医科大学眼科臨床教授。専門は角結膜感染症、ドライアイ、アレルギー性疾患。日本角膜学会監事、日本アレルギー学会代議員、日本眼科アレルギー研究会理事などに従事。

(ライター 及川夕子)

健康・医療 新着記事

ALL CHANNEL