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花粉症の目のかゆみ 「効く対策」に7つのウソホント

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NIKKEI STYLE

日経Gooday(グッデイ) カラダにいいこと、毎日プラス
今年も花粉症のシーズンがやってきた。パソコンやスマートフォン(スマホ)で目を酷使するビジネスパーソンにとって、この時期の目のアレルギー症状は非常につらいものがある。目のかゆみや涙目に悩まされ、「仕事に集中できない!」とお困りの人もいるだろう。そこで、つらい花粉症シーズンを、少しでも楽に過ごすための対策を東京女子医科大学眼科臨床教授の高村悦子さんに聞いた。

今年の花粉、西日本では飛散量が多くなる見込み

花粉症は、鼻もつらいが、目もつらい。花粉症の患者数についてはっきりしたデータはないが、厚生労働省も関わった全国調査によると国民の約25%と考えられている[注1]。東京女子医科大学眼科臨床教授の高村悦子さんによると、目の花粉症は、花粉が目につくことで炎症が起こる「アレルギー性結膜炎」のことで、症状では「かゆみ」が圧倒的に多い。ほかに、目ヤニ、涙目、充血、目がゴロゴロする、目が腫れるなどの症状が出やすい。

「前年まで何でもなかった人も、今年突然、花粉症を発症する場合もあります。どんな人でも油断は禁物です」

気になる今季の飛散量は、北日本や東日本ではおおむね例年並み、西日本で総飛散量が多くなる見込みだ。花粉の飛散は、2月上旬から中旬ごろにかけて始まり、ピークを迎えるのは一部地域を除いて3月上旬~中旬との予想が出されている[注2]

花粉症対策の重要ポイントを頭にたたき込もう

春の花粉症がつらいのは、「空気が乾燥する時期と重なるから」と高村さん。都心では、スギ花粉が郊外から飛んでくる。空気が乾燥するほど、花粉は空中で舞いやすく、衣服などについた花粉が地下街や建物の中に入り込むと、やっかいだ。密閉された空間で、花粉が延々と飛散し続けるという状況ができてしまう。また、冬の乾いた空気は、目からも水分を奪うため、目の粘膜が敏感になりやすいという。

このような悪条件がそろっていることを意識したうえで、目をいたわり、花粉から守るべく対策をとっていこう。重要なポイントは2つある。(1)日常生活では、何よりもまず花粉を目や体に付着させないこと、オフィスや家に花粉を持ち込まないことが大切だ。そして、(2)セルフケアも薬の活用も、花粉の飛散がピークになる前や症状がひどくなる前から始めるのが鉄則、ということだ。

どれだけ知ってる? 症状を悪化させないための新常識

【Q1】目のかゆみ防止には、やっぱりメガネはかけたほうがいい?○ メガネは活用しよう、特に外出時には必須

「呼吸により花粉を吸い込みやすい鼻に比べて、目はじっとしていれば花粉が大量に入り込むことはありません。ただし、エアコンの風が当たる場所にいる、屋外にいる、自転車に乗っているなどの状況では、風で花粉が目に入りやすくなります。メガネで防ぎましょう。普通のメガネでもかけるのとかけないのでは大違いです(図参照)。また、花粉は上から降ってきてメガネ上部の隙間から入ることも分かっており、そうした隙間をふさいだ花粉対策用メガネやゴーグルなら、かなりの花粉カット率が期待できます。メガネはドライアイ対策にもなり、一石二鳥です」(高村さん)

高村さんによると、コンタクトレンズを使用している人は、花粉シーズンだけでもメガネに切り替えると、トラブルを減らせる。コンタクトレンズを装着しているときは、いわゆるダテメガネをかけると、花粉の侵入をかなり防ぐことが期待できるという。

【Q2】衣服の工夫は必要? メガネ以外のアイテムは、さすがに花粉症とは関係ない?× 衣服はツルツルした素材を、つばのある帽子も有効

アウターは、ツルツル、すべすべしたダウンコートなどがおすすめ。毛羽立ったウールのコートやセーター、ニットの帽子などは花粉が付着しやすいので、できるだけ避けよう。

また、花粉は上から降ってきてメガネ上部の隙間などから目に侵入するので、外出時にはつばのついた帽子の着用も有効。帰宅時は、花粉をよく払ってから入室を。

【Q3】コンタクトレンズはつけないほうがいい?→△ 目の状態によって、メガネとコンタクトを使い分けられるとベター

 高村さんによると、コンタクトレンズもアレルギー症状を悪化させる要因の一つ。清潔に使っているつもりでも、また、たとえ使い捨てレンズでも、レンズは目の分泌物や化粧品などが付着してけっこう汚れている。自然なまばたきだけでもそうした汚れが原因で上まぶたの裏側がこすれてアレルギー反応(結膜炎)が起こることがある。かゆいからと目をこすり過ぎると、余計に悪化させることにもなる。

「コンタクトレンズを長年使用していると目が鈍感になってしまい、相当悪化するまで病院へ行かない人もいます。そのまま放置していると、結膜炎になる→目ヤニなどの分泌物が増える→レンズが汚れる→アレルギー症状がさらに悪化する……という悪循環に陥ってしまいます。重症になると、巨大乳頭結膜炎といってまぶたの裏にブツブツができます。こうなると、コンタクトレンズをはずしての治療が必要になります」(高村さん)

そうならないためにも、花粉症シーズンはできるだけメガネに切り替え、コンタクトレンズを少しの間休むのも一案だ。

「コンタクトを使い続けたければ、症状が悪くならないうちに、手を打つことです。理想的には花粉症シーズン前から! でもシーズンに入ってからでも決して遅くないので、定期的に眼科の検診を受けて、目の状態をチェックしながら使っていきましょう。ソフトコンタクトレンズだと目薬が使えないと思っている人もいるようですが、今は、後述するようにソフトコンタクトの上から点眼可能な抗ヒスタミン点眼薬もあります。主治医に相談してみてください」

【Q4】室内では空気清浄機を使うと、目のかゆみ対策になる?○ 空気清浄機に加え、加湿器も投入しよう

PM2.5などの有害物質は、アレルギー症状を悪化させることが分かっている。花粉やPM2.5に対応した空気清浄機の活用は有効だ。また、乾燥した室内では、花粉が舞いやすくなる。加湿器で適度な湿度を保つのもいい。

「実はアレルギー性結膜炎の反応で涙が出ますが、これはある意味いいことなんです。目は表面が乾燥していると、バリアー機能が低下してアレルゲンに反応しやすくなります。適度な湿度を保ち、目の粘膜のコンディションをよくしておくことは、花粉症やドライアイの予防にもなります」(高村さん)

とにかく「かゆみ」をとりたい! どうすれば……

【Q5】かゆみをとるには水道水で目を洗い、花粉を追い出すとよい?× 「水道水」ではなく「人工涙液」で目を洗おう

花粉が気になったときや帰宅時に、目を洗い花粉を洗い流そう。ただし、水道水はNG。水道水に含まれる塩素で目を傷つけてしまう恐れがあるからだ。

では、まぶたと一緒に洗うタイプの洗眼薬はどうだろう? 「デリケートな目元の皮膚を何度も洗うことになるので、すすめません。洗うのは目だけでいい」と高村さん。

高村さんのおすすめは人工涙液。それも防腐剤が入っていないものだ。

「涙に近い成分なので、安心して使えます。しかも防腐剤不使用だと、目を洗うのに最も適しています。防腐剤として使われるベンザルコニウム塩化物(BAK)は界面活性剤なので、高濃度の度重なる接触により、角膜上皮障害を引き起こすことがあります。また、BAKは接触皮膚炎を起こしやすいことも分かっています。目からあふれるくらい、2、3滴さして、あふれた分を軽くティッシュで拭き取れば、目の表面は十分に洗われています。コンタクト装着時も点眼可能です。クーリングしたいときには、冷蔵庫で冷やして使うと気持ちいいですよ。目の乾きを和らげる効果も期待できます」(高村さん)

Warning
 花粉症シーズンのアイケアのためには、目薬をこまめにさせばよいと思っている人もいるだろうが、用法・用量を超えた使用は厳禁だ。「例えば、充血をとるための目薬(血管収縮剤を含む)を長期的に使用し続けると、リバウンドを起こし、かえって慢性的な充血を引き起こす場合もあります。病院に行く時間がないからと市販の目薬を常用・乱用する人もいますが、それは控えて」(高村さん)

人工涙液とは?
涙に近い成分になるように作られた点眼薬。防腐剤不使用、使い切りタイプで、ドライアイなど乾燥対策に使われることが多い。市販のものでは、「ソフトサンティア」(参天製薬)、「ロートソフトワン点眼液」(ロート製薬)、「アイリスCL-Iネオ」(大正製薬)などがある。

【Q6】こするのはダメだが、冷やすのはOK?△ かゆいときには冷やしてもいいが、かゆみ解消にはやはり病院での治療が確実

かゆみを引き起こす物質ヒスタミンに反応する神経は、目頭や目の皮膚に近いところに多い。冷やすと、かゆみが楽になることがある。とはいえ、かゆみの症状には、やはり病院での治療が確実。早めに受診しよう(詳しくは【Q7】を)

まぶたがかゆい場合は……
 「まぶたなど目の周囲の皮膚は薄いので、かきこわさないように注意を。乾燥してかゆい場合や、花粉皮膚炎を起こしている可能性もあるので、皮膚のかゆみでつらいときには、皮膚科を受診しましょう」(高村さん)

【Q7】アレルギー用点眼薬は、コンタクトと併用できないのでは?× 最近は、コンタクトOK+かゆみに即効性のある点眼薬も出ている

「花粉症シーズンは、セルフケアも重要ですが、病院での治療もやはり大切。抗アレルギー点眼薬を継続使用することで、目のかゆみはかなり軽減できます」と高村さん。一番いいのは、早くから予防的に点眼薬での治療を開始することだ。実は、スギ花粉が完成するのは前の年の秋ごろ。私たちが気づいていないだけで、11月ぐらいには目の粘膜でのアレルギー反応はもう始まっているという。また、一度症状がピークを迎えてしまうと、花粉の飛散量が減ってもアレルギー反応はすぐには治まらない。そこで、「症状が軽いうちから、点眼薬での治療を開始してしまうのです。そのほうが、ぐっと楽に過ごせます」(高村さん)

一方、かゆみに即効性があるのは、抗ヒスタミン作用がある薬だ。

「現在、第二世代抗ヒスタミンの点眼薬として、ザジテン、リボスチン、パタノール、アレジオンの4種類があり、どれも即効性があります」(高村さん)

このうち、アレジオンは、2014年12月からコンタクトレンズを着用したままでも使用可能になった。

「これらの薬は、もちろんかゆみが生じてから使用しても効果が期待できますが、継続的に使用することにより、かゆみに対する予防効果も得られます。処方薬できちんとマネジメントしておけば、目のコンディションを良好に保つことができ、コンタクトレンズを使える時間も増えます」(高村さん)

抗ヒスタミン薬でも効かない場合や、症状が悪化している場合は、ステロイド点眼薬などを使うという。

花粉は飛び始めても、まだ間に合う。今年は、治療薬も併せて検討してみては?

◇   ◇   ◇   ◇

このほか、花粉症の症状の改善、軽減のためには、掃除の徹底(花粉を除去)、禁煙(PM2.5の悪影響を減らす)、十分な休息(免疫力アップ)などを心がけることも大切だ。

逆に、やってはいけないことは、「花粉が舞っている中でのスマホ歩き」と高村さん。動きながらスマホの画面を、目を見開いてじっと見る行為は、花粉が付着する機会をわざわざ増やし、目を乾燥させているようなもの。何より、歩きスマホは危ない。ついやってしまう……という人は、これを機会に改めよう。

[注1]公益財団法人日本アレルギー協会事業「的確な花粉症の治療のために(第2版)」より
[注2]日本気象株式会社 花粉ナビより
■この人に聞きました
高村悦子(たかむら・えつこ)さん
 東京女子医科大学眼科臨床教授。1979年東京女子医科大学卒業。同大学眼科にドライアイ外来を開設する。2010年より東京女子医科大学眼科臨床教授。専門は角結膜感染症、ドライアイ、アレルギー性疾患。日本角膜学会監事、日本アレルギー学会代議員、日本眼科アレルギー研究会理事などに従事。

(ライター 及川夕子)

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