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お酒でクスリ 風邪や鼻炎の市販薬も「やはり危険」 左党なら誰もが気になるアルコールと薬の関係(後編)

日経Gooday

2017/2/26

まずは、お酒を飲んだ後。飲酒後、どのくらい時間をあければ薬を飲んでもいいのだろう。

飯嶋さんは、「そもそも病気で薬を飲んでいるときは、お酒を控えていただきたいのですが……」と前置きしながらこう説明してくれた。

「体重、性別などによってアルコールの体内消失時間は異なります。アルコール健康医学協会では、体重約60kgの成人男性で、1単位(純アルコール20g=ビール中びん1本、日本酒1合、焼酎0.6合)のアルコールが体内から消えるまでに約3~4時間かかると説明しています(詳しくはアルコール健康医学協会のページを参照)。このため、飲酒後に薬を飲む場合は、あくまでも目安ですが、最低3~4時間は空けてください」(飯嶋さん) 

なるほど、薬を飲むなら、アルコールが代謝され、アルコールの影響がなくなった後にするということだ。今後は、最低3~4時間は空けるようにしよう。なお、酒量が2単位になれば、体内に残る時間は約6~7時間と長くなるので、多く飲んだらそれだけ間隔を空ける必要があることにも注意したい。

■薬を飲んだ後の飲酒はどうなの?

では、薬を飲んだ後の飲酒はどうなのだろうか。飲み会前の胃腸薬は?

「薬の代謝速度・排泄速度(半減期)は薬によって異なりますので、薬を何時間前に飲んだから大丈夫ということは一概には言えません。ただし、胃粘膜の保護・修復を目的とする胃薬、肝臓の保護が目的のドリンク剤は、飲酒の前に飲んでも大丈夫です。ただし、なかにはアルコールと併用できない医薬品もあるので、事前に専門家に確認してください」(飯嶋さん)

なるほど。私もそうだが、飲み会の前に、胃薬や肝臓に効くドリンク剤を飲む人は多いだろう。これはセーフなわけで一安心だ。ただ飯嶋さんのアドバイスのように、購入時には飲酒前に飲んでいいかを確認するようにしよう。

      ◇         ◇         ◇

恥ずかしながら、これまで私は、「水で飲もうが、お酒で飲もうが、おなかの中に入ったら大した違いはない」などと思っていた。あったとしても、ささいな違いだろうと。だが、今回飯嶋さんの話を聞いていると、さすがにそんなことは言えなくなった。

風邪のときくらい休肝日だと思って、酒を断ったほうがよさそうである。そもそも風邪の一番の薬は休養だ。働き者の肝臓をいたわってあげてほしい。

■この人に聞きました
飯嶋久志(いいじま・ひさし)さん
一般社団法人千葉県薬剤師会 薬事情報センター長。1994年日本大学薬学部卒業。薬剤師、博士(薬学)。千葉県薬剤師会 薬事情報センター主任研究員などを経て、2007年から現職。日本医薬品情報学会 理事、日本薬剤師会 臨床・疫学研究推進委員会 副委員長なども務める。鍼灸師、感染性廃棄物安全処理推進者の資格も保有。地域医療連携の推進や医療の質を向上するため、調査・研究やそれに基づいた対策に取り組んでいる。

(エッセイスト・酒ジャーナリスト 葉石かおり)

[日経Gooday 2017年2月1日付記事を再構成]

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