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飼い猫あるあるに共感 『ぽんた ニャアアアン!』1位

2017年1月 ベストセラー月間ランキング

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NIKKEI STYLE

日販調べの1月の月間ベストセラー(総合)で1位となったのが『鴻池剛と猫のぽんた ニャアアアン!(2)』だ。作者と飼い猫の日常を面白おかしく描いたコミックエッセー。出版社のKADOKAWAによると、増刷を重ね、部数はシリーズ1巻と2巻の累計で60万部という大人気作になっている。ヒットの背景には、猫とウェブ発コミックという2つのブームがある。

『鴻池剛と猫のぽんた ニャアアアン!』(以下、『ぽんた ニャアアアン!』)の感想で多いのが「ペットの実情がリアルに描かれている」という声。猫ブームといわれる昨今、CMやドラマ・映画、写真集などでは、かわいい面ばかりが強調されがち。だが、実際に猫を飼うと、言うことを聞かなかったり、ひっかいたり、家具を壊したり、ゲロを吐いたりは日常茶飯事という。そんな身勝手な猫に振り回されながらも、愛情を持って育てているという飼い主のリアルな日常をマンガにしたのが、『ぽんた ニャアアアン!』の新しいところ。「飼い猫あるある」が共感を呼んで、ベストセラーとなった。

編集を担当したKADOKAWA ホビー書籍編集部 編集長の藤田明子氏は、そうしたあるあるに加えて、「作者の剛さんが飼い猫のぽんたに振り回される姿には、ギャグ漫画のように吹き出してしまう面白さがあって、猫を飼っている人以外からの支持も得ています」と言う。「読者層は20~30代の女性を中心に、最近は小中学生にまで広がっています。他のギャグ漫画と一緒に買われることが多いようです」

日販のマーケティング仕入部 書籍仕入課一般書係長の田中浩平氏によると、近年は猫の写真を豊富に使った自己啓発本の『人生はニャンとかなる!』(水野敬也、長沼直樹)がベストセラーになるなど、猫の本がブームで、よく売れるジャンルだという。コミック系でも『ねことじいちゃん』(ねこまき)、『うちの猫がまた変なことしてる。』(卵山玉子)、『猫ピッチャー』(そにしけんじ)といったヒット作が生まれている。そのなかでも、群を抜いて売れているのが『ぽんた ニャアアアン!』のシリーズなのだ。

2巻は発売日が大みそかの12月31日だったのも、売れ行きを後押しした。新刊をあえて大みそかに発売して、年末年始の書店を盛り上げようという出版業界のキャンペーンにのったことで話題が拡散。大みそかに出た書籍の中で、最も売れるという好結果に結びついた。

もともとは作者が個人ウェブやツイッターに掲載して人気になった漫画だが、書籍化にあたっては、新しい要素を加える工夫も凝らしている。「2巻では特に、病気の子猫を拾ってから元気になるまでなど、ウェブ1ページ漫画では伝えきれない部分を多く加筆してもらいました。また、カバーイラストについては、この本の特色である『元気』『笑える』『勢いがある』というキーワードのようなものがパッと見ただけで伝わるように、作者の剛さんとデザイナーさんに何パターンも試してもらい出来上がりました。おかげさまで、カバーも毎回好評です」(藤田氏)

ウェブ発コミックが続々と書籍化

『ぽんた ニャアアアン!』のようなウェブ発のコミックは、出版市場で台頭してきているジャンル。日販の田中氏によると、腐女子の生態を描いたコミックエッセー『腐女子のつづ井さん』(つづ井)、カップルの生態に一言コメントを入れた『深町なか画集 ほのぼのログ~大切なきみへ~』(深町なか)といった話題作がある。多くは女性向けだが、女子高生の魅力を女子自身が語る『女子高生の生態図鑑』(しまぷ)のような男性向けも現れている。

「国際結婚を描いた『ダーリンは外国人』(小栗左多里)のような、かつて大ヒットしたコミックエッセーはストーリー性がありましたが、最近はもっと絵で見せる要素が強くて、読者が『あるある』を共感して楽しむ本が受けています。手法が変わってきたのと同時に、ジャンルも細分化されて、至るところでプチブームが多発している感じです」(田中氏)

すでに小説では、ウェブの投稿サイト「小説家になろう」から書籍化される作品が相次いで、そこから『君の膵臓(すいぞう)をたべたい』(住野よる)のような大ベストセラーが生まれる現象が起こっている。コミックでも同様に、イラストや漫画の投稿サイト「pixiv(ピクシブ)」で人気の作品が次々と書籍化されている。

「まだ若いジャンルで、すそ野が広がっている最中ですが、それでも『ぽんた ニャアアアン!』が月間ベストセラー総合1位となるほど、大部数が売れるパワーを見せてきました。ネット発コミックの勢いを象徴するランキング結果といえるでしょう」(田中氏)

『ぽんた ニャアアアン!』の大ヒットは、単なる猫ブームというだけでは説明しきれない、出版市場の構造変化を反映した現象でもあるのだ。

(日経エンタテインメント! 小川仁志)

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