売れ筋オーブントースター バルミューダはランク外
今回はヨドバシカメラ新宿西口本店にオーブントースターの売れ筋を取材した。同店の担当スタッフ・助川翼氏によると、オーブントースターの売れ筋は5000~6000円程度の遠赤外線ヒーター採用モデルだという。「割安なのに中までふんわり仕上がるので、安定した人気があります。それとは別に、バルミューダに代表される高級トースターの注目度も上がっています」とのことだ。それを踏まえて、売れ筋ランキングをみていこう。
1位●やきたて KAM-G130、タイガー魔法瓶、6430円(税込み/ポイント10%)
上部のヒーターに遠赤外線管を採用したモデルで、約80~250度の無段階温度調節機能を備える。庫内サイズはW300×D265×H90mm、本体サイズはW351×D330×H225mmとなる。
2位●こんがり倶楽部 ET-WM22、象印マホービン、5220円(税込み/ポイント10%)
上下に遠赤外線ヒーターを採用し、80~250度まで無段階調整できる。庫内サイズはW270×D220×H110mmで、本体サイズはW400×D280×H235mmとなる。
3位●ST-G111、シロカ、2万4300円(税込み/ポイント10%)
0.2秒で立ち上がる瞬間発熱タイプの遠赤外線ヒーターと対流熱により、素早く食材を焼き上げる。庫内サイズはW310×D278×H60mmで、本体サイズはW350×D362×H229mm。
4位●AET-GS13N、アラジン、1万1260円(税込み/ポイント10%)
電気ストーブでも使われる遠赤グラファイトをヒーターに採用したトースター。庫内サイズはW310×D235×H87mmで、本体サイズはW350×D295×H235mmとなる。
5位●やきたて KAS-G130、タイガー魔法瓶、1万1660円(税込み/ポイント10%)
遠赤外線ヒーターからの熱を庫内で循環させる熱風コンベクションを採用したトースターで、庫内サイズはW325×D270×H100mmとなる。本体サイズはW377×D385×H245mm。
助川氏が解説するように、1位と2位に遠赤外線管を使った従来タイプの売れ筋モデルが並び、3位以下に1万円を超える高付加価値モデルが続く構図になっていた。しかし、高級ブームのけん引役となったバルミューダの「BALMUDA The Toaster」の姿はない。「長らく供給不足になっていまして、待てずに別の製品を選ばれるという方が多いんですよね。人気は根強いので、安定供給されればいまもランクインすると思います」という。各モデルの人気の理由は次のページから追っていきたい。
※掲載している価格とポイントは、2017年1月25日15:30時点のもの。日々変動しているので、参考程度に見ていただきたい。
素早さが支持される「KAM-G130」「ET-WM22」、瞬間発熱の「ST-G111」
・中までおいしく仕上がる遠赤外線管が入っているタイプがお薦め
・庫内の広さも要チェック。選択肢は2段式より1段式のほうが圧倒的に多い
・高級モデルはグラファイトやスチームなどの付加機能で要比較
1位になったのは、タイガー魔法瓶の「やきたて KAM-G130」。上部に遠赤外線ヒーターを採用しており、食材の内部まで熱が通りやすく、外はカリッと中はふんわりと仕上がる。そのうえで税込み6430円と割安で、庫内も十分に広いのが人気の理由となっているようだ。
「オーブンレンジもあるなかで、トースターに求められるのは素早さとおいしさであるといえます。遠赤ヒーターなら仕上がりも上々ですし、短時間でできますから。朝にサッとパンを焼きたいときに最適です。そういう意味で、庫内の広さも重要になりますね。KAM-G130なら食パンが3枚くらいは並べられるので、家族のぶんをまとめて焼くにも都合がいいんです」
2位の象印マホービン「こんがり倶楽部 ET-WM22」は、庫内サイズこそ1位のKAM-G130に譲るものの、下のヒーターも遠赤外線タイプとなっているのが強み。「上下ともに遠赤ということで、ふんわり感が強化されますよね。どちらのモデルも押さえるところを押さえて5000~6000円程度というところが、安定した人気につながっているといえるでしょう」
続く3位のシロカ「ST-G111」は、税込み2万4300円と価格が一気に上がる。「ここからは指名買いが多いですね。1~2位の王道に対して、話題になっている製品がピンポイントでヒットしている感じです」
ST-G111は、0.2秒で立ち上がる瞬間発熱タイプの遠赤外線ヒーターを採用しているうえ、庫内で対流熱を起こす設計になっているのが特徴だ。「オーブンレンジに近い熱の伝え方もできるので、普通のオーブントースターよりも調理の幅が広いんですよね。普通にトーストを焼くのも早いですし、手作りパンもおいしく焼けたりします。そういうレンジに近い調理法も視野に入れる人には強力な味方になってくれますよ」
遠赤グラファイトで人気の「AET-GS13N」、熱風の対流が支持される「KAS-G130」
4位は、アラジンの「AET-GS13N」。熱伝導率が高くて遠赤外線量も多い「遠赤グラファイト」をヒーターに採用したモデルで、こちらも発熱の早さ、ならびに調理の早さに定評があるモデルだ。
「もともと電気ストーブ(グラファイトストーブ)に強いメーカーで、そのノウハウを生かしたトースターということで話題を集めています。こちらも0.2秒で発熱できます」
5位のタイガー魔法瓶「やきたて KAS-G130」は3本のヒーターを内蔵しており、熱風のコンベクション(対流)による様々な調理ができるのが魅力になっている。「ST-G111と似た特徴があり、そのうえで1万円ちょっと(税込み1万1660円)で買えるというところですね。やはり調理の幅を持たせたいという人に人気です」
はみ出し情報…バルミューダの対抗馬的な売れ方をしている「ヘルシオ」
供給不足の現状からランク外となったバルミューダの「BALMUDA The Toaster」(税込み2万4730円/ポイント5%)だが、スチームを使った調理法を求める人には、シャープから登場した「ヘルシオ AX-H1」も注目されているという。税込み価格は4万3070円(ポイント10%)。
「バルミューダの対抗馬的な存在ですね。ヘルシオのウォーターオーブン技術を使ったトースターで、冷めた唐揚げや天ぷらをおいしく復活させたりと、調理の幅は最上級クラスです」
1977年生まれ。建設業界と葬祭業界を経て2002年にライターへ転職し、テクニカル系の記事執筆と死の周辺の実情調査を進める。
[日経トレンディネット 2017年2月7日付の記事を再構成]
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