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死海文書に「第12の洞窟」 白紙の羊皮紙片など発見

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NIKKEI STYLE

ナショナルジオグラフィック日本版

20世紀最大の考古学的発見とも言われる「死海文書」。先ごろ、それらと関連の深い第12の洞窟が発見された。盗掘を防ぎ、文書の偽造を見抜くための新たなヒントが得られるかもしれない。

先日、イスラエルの発掘チームにより、死海文書の洞窟の発見と、その発掘調査の成果が発表された(死海文書の洞窟の発見は1956年以来)。洞窟からは数多くの保管用の壺が見つかったが、それらはすべて壊され、中身は持ち去られていた。これらの壺は、もともと洞窟の壁に掘られた隠し穴に収められていたようだ。

それでも現場にはいくつかの遺物が残っていた。巻物を縛る革ひも、巻物を包む布、1950年代のさびたつるはし2本などだ。こうした手がかりから、この洞窟ではかつていくつもの巻物が土器の壺に保管されていたが、何十年も前に盗掘者に持ち去られたということがわかる。

「ここで発見された手がかりは、この洞窟にかつて巻物が存在し、それが盗まれたことを明確に示しています」。イスラエルのヘブライ大学の考古学者で、今回の発掘調査を統括したオレン・ガットフェルド氏はそう語る。

増える盗掘

洞窟ではこの他、何も書かれていない羊皮紙片も発見されている。同プロジェクトに協力した米リバティ大学のランデル・プライス氏によると、近年、古代の羊皮紙は人気が上昇しており、市場で高い値が付くようになっているという。こうした品を流すのは、大半は盗掘者で、近年では特に死海周辺の洞窟が狙われている。(参考記事:「遺跡の盗掘ネットワークがエジプトで暗躍」)

イスラエル考古学庁(IAA)によって逮捕される盗掘者の数も増加している。盗掘者はたいてい、夜に紛れて洞窟に入り込む。盗掘の増加を受け、IAAは「オペレーション・スクロール」計画を立ち上げ、改めて一帯にある洞窟の発見と組織的な調査を進めている。

その目的は「死海文書が存在する可能性のある洞窟の発掘調査を管理し、この知識が歴史の中へと失われていくのを防ぐこと」だとプライス氏は言う。一帯にはおそらく、近々調査を行うに値する洞窟がさらに50カ所ほどあるとみられている。

出回る偽造品

2000年以上前から残るとされる死海文書には、現存最古のヘブライ語聖書の写本などが含まれている。最初の死海文書は1946年末か1947年初頭、死海の北西岸に位置するヒルベト・クムラン付近の洞窟で、ベドウィンの羊飼いによって発見された。以来、文書はさらに10カ所の洞窟で見つかっている。

米ニューヨーク大学のヘブライ語およびユダヤ学教授で死海文書を専門とするローレンス・シフマン氏によれば、15年ほど前から、個人相手の美術品市場に死海文書の紙片が数多く出回るようになったという。「2002年以降に市場に出回った紙片の多くは、おそらく偽造されたものだと思われます」

一部の偽造紙片には、本物の文書と同じくらい古い文字が巧みに記されているという。「そうした偽造紙片の中には、洞窟で見つかった何も書かれていない古代の紙片に、文字を書き付けたものもあるでしょう」

今回、考古学者らが洞窟で発見した白紙の羊皮紙片は、手の込んだ偽造紙片がどのようにして市場に出回るのかを探るヒントになるかもしれない。また、羊皮紙片は科学的に厳密な手法で回収されたため、売りに出される紙片の価値を評価する上でも役立つと思われる。

「商品が市場に出されたときには、その由来を知ることはできず、売り手の証言に頼るしかありません」とプライス氏は言う。「洞窟の発掘調査の管理は、何かが見つかったとき、その出どころと真偽をはっきりさせるために必要なのです」

さらなる大発見の可能性は

この先、さらに多くの文書が発見される可能性が出てきたことで、すでに大げさな憶測がいくつも飛び交い、ニュースの見出しを飾っている。しかし、小説『ダ・ヴィンチ・コード』の作者ダン・ブラウン氏の次回作の題材になるような発見は期待していないと、シフマン氏は言う。

「東方の三博士の日記が発見されたりはしないでしょうね」とシフマン氏は冗談めかして話す。「新約聖書やタルムード関連の文書(ユダヤ教の律法などを記した文書)の理解に役立つ文書なら、あるいは見つかるかもしれません。しかし衝撃的な文書が発見されて、紀元の変わり目頃の古代宗教についての認識を覆すといった考えは、まるで現実的ではありません」

シフマン氏はまた、死海文書は自分たちの正当な文化的遺産の一部だと主張するパレスチナ人からの抗議に、イスラエルが耳を貸すことも同じくらいあり得ないと述べている。

新たな文書の発見に向けた作業は、パレスチナ人(および国連)が「占領地」と認定しているヨルダン川西岸で行われている。イスラエルは1954年、外国の占領者による「文化的遺物」の発掘と持ち去りを禁止する国連の協定に署名している。

それでも「イスラエル当局が、聖書やユダヤ文書の中で最も古い写本を誰かに引き渡すことなどあり得ません」とシフマン氏は言う。「実に明快かつ単純なことです。そんなことは起こらないのです」

(文 Michelle Z. Donahue、訳 北村京子、日経ナショナル ジオグラフィック社)

[ナショナル ジオグラフィック ニュース 2017年2月15日付]

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