中古スマホもSIMフリーが人気 売れ筋は性能重視に
格安SIMの利用者が増えるなか、中古ショップではSIMフリースマートフォン(スマホ)の人気が高まっている。少し前まで、スマホ売り場は大半がNTTドコモなどのキャリア向けモデルで占められていたが、いまではSIMフリースマホのコーナーを店内の一等地に設けるところも少なくない。
格安SIMと組み合わせて使われることの多いSIMフリースマホは、コストパフォーマンスに優れた2万~3万円前後の低価格モデルが好まれていたが、昨年の後半あたりから風向きが変わってきたという。キャリア向けモデルを超える機能や装備を搭載した高価格帯のハイスペックモデルが指名買いされるようになってきたのだ。
現在人気を集める機種の1つが、ライカと共同開発したカメラ機能を搭載したファーウェイ・ジャパンの「P9」(3万8800円前後)だ。1200万画素のモノクロセンサーと通常のカラーセンサーを組み合わせたデュアルカメラにより、背景のボケを生かした撮影や、味のあるモノクロ撮影ができる。センサーサイズが異なるので、カメラメーカーの高級コンデジと比べればトータルの画質はかなわないものの、デジカメにはできない撮影が楽しめる点が評価されている。2016年12月に登場した上位モデル「HUAWEI Mate 9」も、中古品はまだ6万円前後と高めながら、早くも注目が高まっている。
プラスワン・マーケティングの「FREETEL SAMURAI KIWAMI(極)2」(3万9800円前後)も性能を重視する人に人気のスマホの1つだ。10コアCPUやWQHD(2560×1440ドット)の高精細表示が可能な5.7型の有機ELパネルなど、とにかくハイスペックな仕様が注目されている。
もう1つ、SIMフリースマホの新しいトレンドとして注目を集めているのが「DSDS」だ。DSDSは「デュアルSIM・デュアル待受」の略で、1つのスマホにSIMカードスロットを2基搭載することで、2回線の着信を同時に待ち受けできるのが特徴だ。大手キャリアのSIM+格安SIMの組み合わせで使えば、通話定額と低料金のパケット通信を併用できるメリットがある。前述のHUAWEI Mate 9やFREETEL SAMURAI KIWAMI 2、エイスースの「ZenFone 3」などのハイエンドモデルに搭載され、機種数は確実に増えている。
これらのSIMフリースマホは、ソニーのXperiaやサムスン電子のGalaxyといったメジャーブランドと比べれば知名度は低い。だが「メーカー名やブランドよりも、求めている機能や装備があるかどうかで選ぶ」という人が今後増えるのは間違いない。SIMフリー時代はスマホ選びの基準が大きく変化しそうだ。
(ライター 白石ひろあき)
[日経トレンディネット 2017年2月2日付の記事を再構成]
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