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2020年から見える未来

品川新駅再開発に着手 JR東、民営化30年目の挑戦

2017/3/21 日経産業新聞

品川新駅建設へ整備が進む品川車両基地の跡地=PIXTA

 東日本旅客鉄道(JR東日本)は国鉄の分割・民営化30年で初めての大規模再開発に着手した。東京五輪・パラリンピックが開かれる2020年の春に暫定開業する品川新駅(仮称)の周辺が対象で、都心再開発の目玉と言われる。冨田哲郎社長はオフィスやショッピング、まちづくりを含む生活サービス事業と鉄道を両輪で進める経験を積み「事業モデルのひとつとする」と話している。

5000億円規模の再開発はJR東にとって大きな挑戦になる(2月10日、都内)

 JR山手線の品川車両基地の跡地。田町駅と品川駅の間にあるこの土地に新駅がつくられる。2月10日に現地へ行ってみると、重機が運び込まれ、駅舎本体の本格着工へ準備が進められていた。テントで同日午前、冨田社長らが出席してくわ入れし、安全を祈願した。

 同線の新駅自体、1971年の西日暮里駅以来という重要な案件だが、これは鉄道会社が最も得意な領域。むしろ、同社の挑戦として注目すべきはまちづくりだ。冨田社長は再開発について大きなモデルにすると語っており、経験のない領域に踏み出すとの強い思いがみてとれる。

 冨田社長の言うモデルとは、鉄道と、まちづくりを含めた生活サービス事業を両輪として走るビジネスを指す。鉄道の関連事業にとどまっていた生活サービス事業を鉄道と両輪にして、人の流れをつくり出していく。

 冨田社長は「国際交流拠点をつくる」と語る。オフィスや住宅はもちろんのこと、宿泊機能や大型会議を開ける機能を備える構想。国際会議や展示会などを指す「MICE」の需要も見込む。現在どちらの機能も不足し、グローバルでみた有力都市と位置づけられる東京の弱点と指摘され続けている。

 2024年ごろに街開きをして、最終的に高層ビル7棟を完成させる。事業費は5000億円規模に及ぶ。再開発は都市再生機構(UR)と協力して進める計画で、起工式は両者で実施した。

 新駅や周辺ビルの開業まで時間はかかるが、従来のオフィスビルを単体で建てるビジネスの枠にとどまらない経験ができる。新駅を核としたまちづくりでは、人が集まるにぎわいを醸成する仕掛けに知恵を絞ることになる。

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