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ホワイトハウス時代、ブッシュ(父)大統領(左から2人目)とジョギングするデマレスト氏(一番右)

ホワイトハウス時代、ブッシュ(父)大統領(左から2人目)とジョギングするデマレスト氏(一番右)

世界でもトップクラスの教授陣を誇るビジネススクールの米スタンフォード大学経営大学院。この連載では、その教授たちが今何を考え、どんな教育を実践しているのか、インタビューシリーズでお届けする。今回はデビッド・デマレスト氏のコミュニケーション論の後編だ。

日本人は人前で話すのが苦手、と言われているが、スピーチに対する苦手意識は万国共通。スタンフォードの学生でも、スピーチの前になると緊張する人は多いのだという。こうした苦手意識を克服するには、いくつかの「フォーマット」を知っておくとよいとデマレスト氏は言う。そのフォーマットを駆使し、ホワイトハウスで数々の大統領スピーチを作成してきたデマレスト氏に、スピーチ上達の極意を聞いた。(聞き手は作家・コンサルタントの佐藤智恵氏)

スタンフォード大 デビッド・デマレスト氏

スタンフォード大 デビッド・デマレスト氏

スピーチにはフォーマットがある

佐藤:「日本人はスピーチが苦手」とよく言われます。人前では、どうしても原稿を読んでしまう、という人は多いのです。原稿を読むのは、よくないことでしょうか。

デマレスト:私自身はスピーチで原稿をそのまま読む、というのはやったことがありません。ただし、話の流れを確認するために、箇条書きにしたメモは持ち込みます。そのメモに従って、話をふくらませていくのです。

佐藤:先ほど、スピーチには、いくつかのフォーマットがある、とおっしゃいました。デマレスト教授は通常、いくつのフォーマットを使い分けているのですか。

デマレスト:6つぐらいでしょうか。

佐藤:そのうちのいくつかをご説明していただけますか。

デマレスト:まず基本構成は、「導入、本論、まとめ」(Preview, Talk, Recap)です。その中の本論をどう構成するかが重要なのです。たとえば、本論を3点でまとめる、というフォーマットがあります。

(1)導入:「本日はお招きいただきありがとうございます」など主催者と聴衆に謝意を伝える
(2)本論:「本日、お伝えしたいのは、次のA, B, Cです」と内容紹介をした上で各論に入る。
Aについてご説明します。
Bについてご説明します。
Cについてご説明します。
(3)まとめ:「本日は、A、B、Cについてお伝えしましたが、私のお話がお役に立てれば幸いです」ともう一度、本論の内容を要約して話す。

佐藤:これはとても簡単なようですが、実際に自分のスピーチに応用するのは難しそうです。

デマレスト:訓練すればできるようになりますよ。話したいことをA、B、Cの3点にまとめて、箇条書きのメモをつくるのがポイントです。何回も練習すれば、それを見ながら話せるようになります。

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