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スマホケーブル、500円以下は要注意 本体に悪影響も

戸田覚のデジモノ深掘りレポート

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日経トレンディネット

スマートフォン(スマホ)を1台しか使っていないとしても、ケーブルは何本もほしくなる。会社に1本、自宅のリビングとベッドサイドに各1本、いつも持ち歩くビジネスバッグに1本というように、それぞれ用意しておきたいと思うからだ。結果、家電量販店やアマゾンなどで何度も購入することになるのだが、あまりの種類の多さと価格差に悩むことも多い。しかも今は100円ショップでもケーブルを売っている時代だ。

また、せっかく手に入れたスマホ用のケーブルがすぐに使えなくなったという経験は一度や二度ではない。端末に付いてくる純正のケーブルでさえ、長持ちしなかったこともある。

こんな痛い思いをしたことがある人はもちろん、そうでなくても「そもそもなぜこんなに価格差があるのか?」「純正のケーブルでなくても大丈夫なのか?」というのは、誰もが思う疑問ではないか。そこで、スマホ用ケーブルの耐久性や製品の違いについて、アンカー・ジャパンのマーケティング&セールス シニアマネージャーである猿渡歩氏に話を聞いた。

ひと口にケーブルといっても製造プロセスには差がある

スマホ用のケーブルの価格差の一因となっているのが、製造プロセスや対応している規格の違いだ。例えばiPhone用のLightningケーブルは、規格としては一番シンプルなのだが、それでも「MFi認証」をクリアしているものと、していないものがある。

「MFi認証は、アップルの定める基準『MFi Program』を満たしたチップなどを使って製造されている製品に与えられます。OSがアップデートしても使えるなど、ある程度の品質保証になりますが、その分、コストが掛かりますから、ケーブルの価格も高くなります」(猿渡氏)

一方、microUSBケーブルには、特別な認証などがないため、Lightningケーブルに比べると全体的に価格が安い。ただ、メーカーや製品による仕様のバラつきもある。例えば、通電にしか使えないケーブルと、通電とデータ転送ができるケーブルに分かれたりする。価格差や見た目に大きな差がないことから、間違えて買うとパソコンにファイルが転送できないことがある。

最近はここにUSB Type-Cケーブルが加わったが、「USB Type-Cケーブルはそもそも規格が流動的な上に、単に充電するだけでなく給電にも使える規格『USBパワー・デリバリ』への対応に対応しているもの、ディスプレーへの出力にも使われるために見極めに苦労するかもしれません」(猿渡氏)

USB Type-Cだからといって、USB 3.0だとも限らない。USB 3.0ならば、給電は0.9A、データ転送は5Gbpsに対応している。だが、差し込み口はUSB Type-Cでも、USB 2.0だと給電は0.5A、データ転送は480bpsなどになってしまう。新しいモデルに付属するものなら特に問題は起こらないだろうが、ノーブランドの激安品は選ばないほうが無難だ。

やはり安物のほうが壊れる可能性が高い

iPhone用のLightningケーブルの場合、先述のMFi認証を受けていない激安ケーブルは、iOSのアップデート時に認識されなくなる可能性がある。また、MFi認証を受けたうえで、USB3.0などの規格に準拠していても「問題なく使える」とは言い切れない。僕の経験から言うと、アップルの純正ケーブルは、コネクターの付け根の部分が意外とすぐに壊れるようだ。

それというのもアップルが基準を定めているのは、チップなどの部分だけだ。コネクターをつなぐケーブル部分は製品ごとに製造方法や品質にバラつきがあり、粗悪品とは言わないまでも、長持ちしないものも存在する。

「コネクターとケーブルのつなぎ目の部分には負担がかかりやすいので、故障の原因になることが多いのです。特に安価なケーブルは、いわゆる電線の周囲にポリ塩化ビニルの外装を施しただけなので、強度で劣ります」(猿渡氏)

アンカーの製品は、同じLightningケーブルでもランク別に数種類用意されている。最も安価なモデルはポリ塩化ビニルの外装のみで、その上のモデルは樹脂の下にパラ系アラミド繊維(米デュポンのケブラーなど)を組み込んでいるという。最上位モデルになると、パラ系アラミド繊維の上にさらにナイロンの外装を施す。どの製品も18カ月の保証が付いているが、上位モデルほど壊れにくいとのことだ。

「ケーブルは、折り曲げ回数が多いほど断線するリスクが高くなってきます。単純に思えるケーブルですが意外に難しく、弊社も過去にはトラブルが生じた製品もあります。そのときは、故障リスクを極力減らした製品にシフトしました」(猿渡氏)

外装の差に加え、安価なケーブルでは不良品をチェックする検品の手間を省いているものもあるという。コストダウンが製品の品質につながっているわけだ。

安価なケーブルでは機器を傷めることも

結局のところ、激安のケーブルは最初から使えなかったり、使えても短期間で故障してしまう可能性が大きいということだ。とはいえ、少しでも安く買いたいユーザーにとって、ケーブル選びは悩ましいところ。ユーザーの中には「3本買って1本使えればいいや」という気持ちで買う人もいるだろう。

ただ、「低品質な製品ではケーブルそのものが壊れるだけならまだしも、接続しているバッテリーやスマホ側に悪影響が及ぶことがあります。きちんと作られている製品を選ぶことをお勧めしたい」と猿渡氏は言う。

メーカーとしては、当たり前すぎる回答な気もするが、故障してアンカーに持ち込まれたバッテリーの中には、低品質なケーブルを使ったことが原因と疑われるケースもあるとのこと。少なくともLightningケーブルは、MFi認証を受けているものを選ぶべきだろう。価格の目安は700円以上。認証がないmicroUSBケーブルの場合は販路にもよるが、ネットで買うなら500円以上のものを選ぶと無難だそうだ。その上で、ほかのケーブルを含めて、アマゾンなどの口コミをチェックすることも重要という。

きちんと作られたケーブルは外装で保護されているので多少ラフに扱っても故障することはあまりないとのことだが、持ち歩く際に何かにきつく巻き付けたり、急な角度での折り曲げを繰り返すのは避けたほうがいい。

また、どれほど良いケーブルでも故障をゼロにすることはできないので、旅行や出張などには、予備のケーブルを持参したほうがいいと猿渡氏は言う。僕も痛い目に遭った経験があるので、今後は2本持っていこうと思う。

最後に3本セットなどで売られているケーブルについても聞いてみた。猿渡氏によると、「数本セットの製品はその分お得なケースが多い」。実は、製造コストで一番高いのが中国などの工場から日本に運んでくる輸送費とパッケージ。セットにする分、1本当たりのそれらのコストが低くなるため、価格も抑えやすいのだという。

スマホ用ケーブルは、高級品でも1本2000円しない。本来はさほど高額ではないのだが、安価な製品なら200円くらいで買えてしまうため、ついつい安いほうに目が行ってしまう。結局は"安物買いの銭失い"を地で行くことになるのだろう。外出先で使えないと困ることにもなるので、これからはよく考えて選びたいと思う。

戸田覚(とだ さとる)
1963年生まれのビジネス書作家。著書は120冊以上に上る。パソコンなどのデジタル製品にも造詣が深く、多数の連載記事も持つ。ユーザー視点の辛口評価が好評。近著に、『一流のプロから学ぶ ビジネスに効くExcelテクニック』(朝日新聞出版)がある

[日経トレンディネット 2017年2月9日付の記事を再構成]

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