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人気の黒川温泉で美しくなる! 湯巡りで享受する幸せ

温泉ビューティ研究家・トラベルジャーナリスト 石井宏子

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温泉地の楽しみ方の一つとして定番となった「湯巡り」。これを全国に広げるきっかけになったのが九州・黒川温泉(熊本県南小国町)の入湯手形だ。すでに30周年を迎え、記念の特別大判手形や期間限定のシェア手形など楽しい企画も生まれている。

30年前の黒川温泉はまだ無名の小さな温泉地だった。いい温泉は湧いているけれど山の中で何もない。お金もない。ナイナイづくしの状況で考えた苦肉の策が、間伐材で湯巡り木札を作ろうというアイデア。これが大ヒットとなり、大いににぎわうようになっただけでなく、日本中の温泉地に「湯巡り」が広がっていった。

黒川温泉の湯巡りは、なぜ楽しいのか?

黒川温泉はなぜ楽しいのか。なぜ何回も行きたくなってしまうのか。その理由はバラエティーに富んだ「泉質」にある。温泉は生きている地球から湧き出す自然のものだ。その土地の下にある地層の成分を溶け込ませて湧出しているので、一つとして同じものはない。そこが旅をして温泉に入る醍醐味でもある。

日本全国にある温泉地でも、その泉質は様々だ。「共同源泉」といって、温泉地に湧く数本の源泉を一つにまとめて各宿へ供給し利用しているところもある。その場合は、基本的に温泉は同じ泉質なので、各宿の大浴場や露天風呂の雰囲気の違いを楽しむ湯巡りになる。

一方、各宿や温泉施設に個別に源泉があり、しかも、それぞれ泉質が異なるという温泉地もある。そうなると、雰囲気の違いだけでなく、色や感触が違う温泉に出合えたりするので、湯巡りの楽しみはさらに増す。

黒川温泉は共同の源泉の他に、各宿にも源泉がある。温泉の泉質は含有する成分によって10種類に分類されているが、黒川温泉にはそのうちの7種類の泉質の温泉がある。さらに、車も入れない道もあるほどの小さな集落ということが功を奏し、入湯手形を首から下げて、浴衣で歩いて湯巡りできることが人気に火をつけた。湯巡りの途中で土産物店をのぞいたり、スイーツをいただいたりしながら、温泉街の散策が気軽に楽しめるのだ。

あなたは幕の内? 牛丼? 湯巡りでは「泉質」に注目

温泉の主な成分を知るには、温泉分析書に記載されている「泉質」をチェックすればよい。温泉には多様な成分の組み合わせがあり、実は泉質も一つとは限らない。一つの温泉に複数の成分がバランスよく含有されていれば、数種類の泉質が並ぶ長い泉質名になる。また、一つの成分のシェアが高ければ、泉質名は一つになる。

それはどちらがすごいということではなく、温泉の個性である。たとえて言えば、幕の内弁当のように少しずつ色々な成分が入っている温泉もいいし、牛丼のようにしっかりお肉で元気をチャージしたいというタイプの温泉もいい、というようなイメージだ。

ともあれ、10種類に分類されている泉質にはそれぞれ異なる特徴がある。温泉巡りをするときに「泉質」に着目すると、ただ気持ちいい、楽しいというだけでなく、悩みや目的に合わせた効果・効能を享受できる。また、泉質の特徴に合わせて入る順番を決めると効率がよい。たとえば、髪を洗うときにシャンプー、リンスの順に使えば、汚れを落とし、潤うという効果が得られるが、逆にリンス、シャンプーの順だと「もったいない」ことになってしまう。それと同じと考えればわかりやすい。

では、黒川温泉をいくつかのテーマに分けて、さっそく湯巡りしてみよう。

冷えを撃退。ぽかぽか温まる湯巡り

1湯目は、単純温泉でウオーミングアップ。「ふもと旅館」の露天風呂は竹林がすがすがしい「うえん湯」(女湯)と打たせ湯も楽しめる「もみじの湯」(男湯)。中性の単純温泉で優しい働きだが、少し鉄分を含み、じんわりと体が温まってくる。ところで、この宿にはさらに宿泊者専用の温泉が11もある。中でも人気は最大150センチの深さがある大きな立湯。丸太の柱につかまって湯の中で宇宙遊泳のような浮遊感が味わえる。

2湯目は黒川温泉の中でも珍しい泉質に入れる「御客屋」。泉質は酸性・鉄(2)-単純温泉で、その日の状態で赤茶色の濁り湯になる。鉄分を含む温泉は古くは子宝の湯とも称され、体を温めて冷えを改善し、ホルモンバランスや自律神経を整えてくれる温泉として利用されてきた。300年もの間湧き続けている御客屋の自家源泉も、体の奥まで温まって、気が付けば汗が噴き出てくるほどだ。

3湯目は「和らく」へ。入湯手形の利用では、野天風呂と穴湯が男女時間制で入れ替え。筆者が行った日は女性が穴湯。黒川温泉の中でも個性的な洞窟風の造りが面白い。泉質は含硫黄-ナトリウム-塩化物・硫酸塩泉。硫黄で血行を促進し、塩化物・硫酸塩泉で保温・保湿。温まった熱を逃がしにくくしてくれるので、ぽかぽかと温まった状態が持続する。

目指せ代謝アップ! スッキリ系湯巡り

代謝アップを目指すなら、硫黄泉がおすすめ。毛細血管拡張作用で血行を促進してくれる。血の巡りが滞っている場所があると、代謝が鈍ってきたり、疲れがとれないなどの悩みが起こってくる。いらないものを運び出し、栄養や酸素を隅々まで届けるには血の循環をサポートする湯巡りへ。

1湯目は「旅館 壱の井」。細い小道の坂は5分ほどの上り。この緩い坂道を上ることで徐々に心拍数を上げてウオーミングアップ。壱の井の温泉は「単純硫黄温泉」、総硫黄8.4ミリグラムで白い湯の花がふわふわと舞う露天風呂がある。硫黄泉といってもpH(水素イオン濃度)5.2の弱酸性で肌に優しい。しかもメタけい酸を215.7ミリグラム含有するとろんとしたやわらかな肌触り。メタけい酸は泉質名にはないが、肌に水分を運ぶサポーターの役割をするうれしい成分。血行促進とツヤツヤの肌が同時に目指せる。(※1)

2湯目は「いこい旅館」。温泉に入る前に、入り口にある「温泉ゆでたまご」で小休止。地鶏卵で1個50円という手軽さだ。ほんのり硫黄の香りと程よい塩加減。温泉の成分と良質なたんぱく質を取り込める湯巡りの味方だ。泉質は含硫黄・ナトリウム・アルミニウム-塩化物泉。体を活性化して血行促進してくれる。立ち湯では木のバーにぶらさがってストレッチ、体の流れを整えよう。

3湯目は「山あいの宿 山みず木」。渓流ぎりぎりに作られた大きな露天風呂の開放感が心地よい。泉質はナトリウム-塩化物・硫酸塩泉。温まった熱を逃がさず、肌をしっとり整える「仕上げの湯」にぴったりの温泉だ。露天風呂と内湯を行ったり来たりして代謝のいい状態をキープしよう。

「三大美人泉質」で美肌磨き

三大美人泉質とは、せっけんのように肌の汚れを落としてすべすべ美肌にする「炭酸水素塩泉」、水分補給してしっとり潤う「硫酸塩泉」、血行促進して代謝をサポートする「硫黄泉」の3つの泉質があげられる。

実は黒川温泉の中に、三大美人泉質を一晩で堪能できる宿がある。「旅館山河」は敷地内に露天風呂や貸切風呂、内湯が点在している。2種類の源泉があり、美しい露天風呂で入れるのは、ナトリウム-塩化物・炭酸水素塩・硫酸塩泉。そして、敷地内に源泉がある薬師の湯は、単純硫黄泉。両方を巡ると三大美人泉質を網羅できる。

いらないものをステキに変える「黒川の流儀」

入湯手形は間伐材から誕生したヒット作だが、実はその収益を周辺の環境維持活動に利用している。そうして少しずつ今の黒川温泉の風情ある温泉街が形づくられてきた。そして黒川温泉では、もう一つヒット作が生まれている。それは竹林の間伐利用。里山を保護するために成長の速い竹を伐採し、竹灯籠を作り、温泉街の中心を流れる川に「湯あかり」を灯すプロジェクトだ。

夜の温泉街をロマンチックに彩る竹灯籠の明かりは、冬の黒川温泉の風物詩になっている。使用後の竹灯籠も竹炭や肥料として活用し環境維持活動に役立てる。入湯手形も湯あかりも全て地元の人たちの手作り。こうした長いスパンで自然環境と融合するサイクルが、黒川温泉の進化の原動力といえよう。

【黒川温泉観光旅館協同組合】 ◎電話 0967-44-0076 ◎ホームページ http://www.kurokawaonsen.or.jp  ※1「旅館 壱の井」は現在改装中、5月にリニューアルオープン予定

石井宏子(いしい・ひろこ)
温泉ビューティ研究家、トラベルジャーナリスト
日本の温泉・世界の温泉や大自然を旅して写真撮影・執筆をする旅行作家。テレビにも出演。温泉・自然・食で美しくなる旅の研究家。海外ブランドのマーケティング・広報の経験から温泉地の企画や研修もサポート。日本温泉気候物理医学会会員、日本温泉科学会会員、日本旅のペンクラブ会員、気候療法士(ドイツ)。

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