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確定申告で税金取り戻す 多様な控除を見逃さずに

2017/2/18

 2月16日から3月15日までは確定申告のシーズン。年末調整を受けた会社員でも、確定申告をすることで税金を取り戻せることは多い。今回からの変更点や意外に知られていない注意点など、確定申告を賢く使うポイントを知っておこう。

 まず変更点からみてみよう。2016年分から国内外の国債や外貨MMF(マネー・マーケット・ファンド)といった公社債などと、上場株式や公募株式投資信託などの損益が通算できるようになった。例えば上場株式の譲渡益が合計100万円、外国債券の譲渡損が200万円という場合、15年分までなら両者は通算できず上場株式の譲渡益だけ2割課税されていた。これが16年分からは通算できる。

 個人の金融取引では自動的に税金を計算して差し引く「源泉徴収ありの特定口座」がよく使われる。すべての取引を1社のこの口座だけでしていれば自動的に通算できるが、複数の口座があると利益の方だけ課税されたままになる。「確定申告すれば税金が戻るし、通算後も損失が残れば翌年以降に繰り越せる」とSMBC日興証券の植村繁証券税制支援課長は話す。

■子の年金保険料も

 やはり今回から可能なのは相続空き家の3000万円控除。13年1月2日以降に相続した空き家を16年4月以降、相続から3年後の年末までに売ったとき、亡くなった人が一人暮らしをしていたなど条件を満たせば、譲渡所得が3000万円まで税金がかからない。16年に売った場合は今回の申告が必要だ。

 また省エネ目的のリフォームなどはこれまでも減税対象だったが、今年の申告からは3世代が同居するための改修費用も自己資金の場合で10%(最大25万円)まで税額控除できるようになった。16年4月以降に居住を始めていることなどが条件だ。

 次に従来も可能だったが見落としがちな控除や節税策をみていこう。「大学生の子の国民年金保険料を控除し忘れている人は多い」(税理士の服部誠氏)。年間の保険料は20万円弱なので、所得税・住民税の合計税率が2割の人なら申告で4万円弱が軽減される。同居していない子や親でも、生活費を援助していて同一生計などなら扶養控除の対象だ。年末調整で控除を忘れていれば申告しよう。

 5年超所有の自宅を売って譲渡損が出た場合、ローンを組んで買い替えるなど一定条件を満たせば、給与所得などと相殺できることもあまり知られていない。これも翌年の確定申告が必要。自宅売却の予定があるなら、給与所得が高い現役時代の方が多く通算できる。通算で損失が残る場合は翌年以降に繰り越せる。

 為替が乱高下したなか外貨預金も通貨次第では損失が出たかもしれない。冒頭の株や公社債が原則的に申告分離というグループで課税されるのと異なり、外貨預金は雑所得の総合課税だ。公的年金や原稿料などは同じ雑所得の総合課税なので、申告すれば外貨預金の損失と相殺できる。

 寡婦控除も忘れがちだ。夫と死別し所得が500万円以下の女性などは原則27万円が控除される。「夫の死亡後に年金暮らしをしている女性で控除が漏れている人は、申告で還付が発生しやすい」と税理士の福田浩彦氏は話す。

 医療費控除は医療費から民間保険の保険金などを引いた額が原則10万円超の場合は控除対象になるが、計算方法には誤解も多い。例えば(1)医療費が20万円(2)生命保険会社からの医療保険金が30万円(3)歯科治療の費用が15万円――という場合、(1)~(3)をすべて通算すれば5万円なので控除対象外にみえる。

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