空流、天、絆希、希星、月雫、詩空……。これらは実在する新生児男女の名前。でも、どう読むかご存じですか?
実は答えは空流(くうる)、天(しえる)、絆希(ばき)、希星(きらら)、月雫(るな)、詩空(しずく・しえる)。前半の3つが男児、後半の3つが女児の名前だという(明治安田生命保険調べ)。
字面には、なんともロマンチックで未来的なイメージがあふれているが、「どう読むのか」と問われると皆さんもハタと頭を抱えてしまうのではないだろうか。
表は読みにくいと思われる名前の抜粋である。俗に「キラキラネーム」などとも呼ばれている名前だ。
キラキラネームにも法則、外国語からの連想など
なぜそういう読み方になるのか? 理解しにくい名前もあれば、説明されて初めて「そういうことなのか」と合点が行く名前もある。今回は「キラキラネーム」の最新事情を探ってみた。
様々な事例を見てみると、いくつかの法則が浮かび上がってくる。
まずは外国語との連想から名付けられたと思われる名前。たとえば正弦(さいん)は三角関数の1つの正弦を意味する英語(sine=サイン)から命名されたもの。天(しえる)は天を意味するフランス語(ciel=シエル)から、航海(せいる)は航海するを意味する英語(sail=セイル)から、月雫(るな)は月を意味するイタリア語(luna=ルーナ)から、光(れい)は光線を意味する英語(ray=レイ)から、聖愛(まりあ)は聖母マリアから名付けられたと思われる。
それぞれにまったく根拠がないわけではないが、正弦は「せいげん」、天は「てん」、航海は「こうかい」などと読まれる可能性も十分にある。
読みの一部を取り入れて組み合わせ、まったく自己流の読み方も
次は、漢字の読みの一部を取り込んだと思われる名前。
たとえば永愛(とあ)の永は永遠(とわ)などの「と」、愛は愛(あい)の「あ」を取り込んだ名前。兜人(かぶと)は兜(かぶと)と人(と)を、空流(くうる)は空(くう)と流(る)を、聖龍飛(せりと)は聖(せい)の「せ」と龍(りゅう)の「り」と飛(と)ぶの「と」を取り込んで組み合わせた名前である。
華愛音(はあと)は華(はな)の「は」と愛(あい)の「あ」と音(おと)の「と」を、輝弥(かぐや)は輝(かがや)くから「かぐ」と連想し、さらに弥(や)を取り込んだ名前。京凛(みやり)は京(みやこ)の「みや」に凛(りん)の「り」を、会心(えこ)は会(え)と心(こころ)の「こ」を、琥々愛(ここあ)は琥(こ)と愛(あい)の「あ」を取り込んだ名前である。