厚さ7ミリ超薄、ミニでもカード14枚…一芸長財布6選

日経トレンディネット

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長財布は、カバンに入れて使うことが多い。そうでなくてもスーツの胸ポケットや、チェーンを付けて尻ポケットに入れるなど、比較的広い場所に入れて持ち歩く。そのため、あまり大きさに制約がなく、大容量で多機能な財布が多い。

サイズが大きいぶん、革などの素材の魅力が見えやすいのもポイント。そのせいか、老舗の革ブランドが作った長財布に人気が集まりやすく、新しいアイデアや工夫を入れる余地が意外と少ない。そのあたりが、二つ折り財布や小型財布に比べて、画期的な製品があまり登場しないゆえんだろう。

とはいっても、日本国内ではさまざまな革製品メーカーや革デザイナーが、面白い革の長財布を作っていたりする。例えば、昔に比べて圧倒的に増えたカードの収納や、コインケースの使い勝手、レジ前でスムーズに支払いを行える動作手順の問題など。従来の長財布が放置していた問題について、何らかの回答が示された財布を集めてみた。

蜂の巣構造で16枚のカードが一目瞭然

モルフォ「ノイインテレッセ ハニーセル長財布」(税込み1万9440円)

自動車ハンドル用のハイブリッドレザーを使った革小物のシリーズ、モルフォの「ノイインテレッセ」は、手になじむ、吸い付くような持ち心地が魅力だ。

自動車業界からの要請で作られた革というだけあって、滑りにくく、しかしサラッとした触感は、日常的に手にする財布にとても合う素材だ。L字ファスナーというスタイルも、開きすぎることで中が丸見えになったり、中身を落としたりするリスクを少なくしつつ、内部へのアクセスがしやすい。現在の長財布の一つのトレンドになっているスタイルだ。

基本機能をしっかり押さえたオーソドックスな構造だが、この財布の最大のポイントは、「ハニーセル」と名付けられた、蜂の巣のような形に開くカードポケットだ。

財布を開くと、ハニーセルの中に入れたカードが一枚一枚、その印刷面までハッキリ見えるため、目的のカードを素早く出し入れできる。ポケットは11個あって、中央の5つには裏表2枚のカードが入れられるから、最大16枚のカードをひと目で閲覧できるのだ。さらに、一般的なカードポケットが12個付いているので、28枚のカードを重ねることなく収納できるというわけ。多くのポイントカードなどを使い分けている人にとって、これほど使いやすい財布はないかもしれない。

たくさんのカードをひと目で把握できて、スムーズに出し入れできる「ハニーセル」は、本当に使いやすい
コインケース部の反対側にも札や領収書が入るスペースがあり、そこにはさらにカードポケットが用意されている。とにかくたくさんのカードが入る財布なのだ

そのほか、大きめの札入れと領収書などを入れるスペース、ファスナー式の片側にマチが付いたコインケースなど、全体的にゆったり作られているため、内部がゴチャゴチャせず、適当に使っても乱雑な感じにならないのもうれしい。

外観は大きめだが、L字ファスナー構造のせいか、コンパクトに見えるように仕上がっている。内装の色と外のラインの色が合わせてあるデザインも、モータースポーツ的なテーストでスマート。写真のレッドのほかに、ブルーも用意されている。耐久性も高く、ラフに使っても長持ちする。

コインとカードの出し入れがスムーズ

Vintage Revival Productions「ラウンドジップスリム オイルレザー」3万円。滑らかなオイルレザーは、最初から手になじむうえに、経年変化も楽しめる。ファスナーのパーツも良いものを使っているので、開閉がとてもスムーズだ

今回紹介する長財布の中では最もオーソドックスに見えるのに、細かいところにまで配慮が行き届いていて長く使える機能的な財布が、Vintage Revival Productionsの「ラウンドジップスリム」だ。

大きな特徴は、ファスナーのないコインケース部と、ポケットの開口部が斜めになっているカードケース部。財布自体がラウンドジッパーのタイプだから、その中にもう一つコインケースのジッパーがあるのは煩わしい。ただ、ジッパーがないとコインがこぼれ落ちやすくなってしまう。

そこで、内装の中央にファスナーもふたもないコインケース部を配置。開いたときにせり上がるように一番高い位置に来る構造で財布を開いてもこぼれ落ちず、片側にマチがあるため、指を入れやすく、コインの出し入れや見通しがとても良い。

開口部が斜めになったカードポケットは、斜めになっているぶん、カードの端をつまみやすい。また、カードを中央側に傾けるようにすると、スルリと簡単に出し入れできる。デザイン上の仕掛けに見えて、実は機能面の仕掛けになっているのだ。

また、コインケース部を中心に、左右の一番外側の壁面にカードポケットがあり、その内側がそれぞれ紙幣用と領収書用などに分けられるのも使いやすい。

カードポケットの裏側にもポケットがあり、名刺やICカードなどを収納できる。カードポケットは12枚分あり、外側のポケットも使えるから、普段使うカードをほぼ収納できるだろう。

私が普段持ち歩くカードは14枚くらいなので、十分入れられる。さらに、ファスナーの開閉がとてもスムーズなのもうれしい。

開口部が斜めになっているカードケース部。この斜めのラインが、カードをつまみ出しやすい構造の秘密
使用シーン。開けばひと目で全体が見渡せるので、支払いなどがスムーズ。コインケースにふたもファスナーもないのは、本当に使いやすい

革の種類は、オイルレザーのほかに、オイルカーフレザー、シュリンクレザーがある。使用されている革とカラーバリエーション以外の仕様は、すべて同じだ。価格はシュリンクレザーが2万5000円で、ほかは3万円。オイルレザーは革らしい質感と、経年変化が楽しめるのが特徴。特に、毎日手にする財布の場合、比較的早く味が出てくる。

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