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ヨーグルトと納豆 微生物が生きてる発酵食品の魅力 ここまで分かった 発酵食品(1)

日経Gooday

2017/2/17

■発酵食品の特色は「風味」「栄養」「保存性」

 発酵には、細菌が働くもの、カビが働くもの、酵母が働くものがある。これらが複数重なってできるものも少なくない(下図)。また、「微生物は関わっていないが、魚介類の内臓に含まれるたんぱく質分解酵素やアミラーゼ、リパーゼなどの酵素が作用してできる発酵食品もあります。代表的なものは塩辛やアンチョビです」(小泉さん)

 「微生物は自分が生きていくために食品の成分をエサとして食べ、違うものを放出します。この微生物の“排せつ物”が人間にとって有益な場合が『発酵』、有害な場合が『腐敗』です。例えば、ブドウを放置すると腐敗してしまいますが、ブドウに酵母が繁殖すると、酵母がブドウの糖を食べてアルコールや二酸化炭素、また、香りを生み出し、ワインになります」(小泉さん)

 ワインには「ブドウにはない独特の風味」があり、「ブドウよりもポリフェノールが多い」。また、「ブドウよりも保存性が高くなっている」。小泉さんは、この3つが発酵食品の特色だという。

【発酵食品の特色】
●独特の風味が生まれる
●栄養価が高まる
●保存性が高まる

 発酵食品が体にいいのは、発酵によって元の食品にはない栄養素が生まれたり、栄養素の量が増えたり、栄養素が吸収されやすい形になったりするからだ。

■「健康効果」より「風味」「保存性」が勝るものも

 しかし、こういった栄養面のメリットが少なく、「風味」や「保存性」の点が勝っているものもあるため、全ての発酵食品に高い健康効果が期待できるわけではないと小泉さんは指摘する。

 例えば、発酵食品のなかには塩分が多いものもあるため、「体にいいから」ととり過ぎると高血圧や腎疾患などの原因になることがある。

 また、甘酒は元の米に比べると驚くほど栄養成分が高まっているため、栄養補給に役立つ。しかし、高エネルギーで、糖が吸収されやすい形で含まれているため、とり過ぎると血糖値を急激に上げてしまったり、肥満の原因になることもある。

 つまり、発酵食品は「流行っているからとやみくもにとるのではなく、自分に合ったものを選んで、適量をとること」が重要ということだ。次回は、さまざまな発酵食品の健康効果について解説しよう。

■この人に聞きました
小泉幸道(こいずみ・ゆきみち)さん
 東京農業大学名誉教授。1951年生まれ。1973年東京農業大学農学部醸造学科卒業。1997年東京農業大学教授に就任。専門は発酵食品学。発酵食品の科学的な成分変化と機能性に関する研究を行ってきた。著書に「NHKあさイチ 驚きの効果 ハチミツ&酢のパワー (生活実用シリーズ)」(NHK出版)、「元気がほしいカラダには酢が効く!―酢の健康パワーと痩身効果」(学習研究社)などがある。

(ライター 村山真由美)

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