「とにかく外さないものを教えてほしい」悩める男性たち
あめもマシュマロもホワイトデーの時期には高い売り上げを記録し、一定数選ばれてはいるが、現在「定番」と呼べるお返しは生まれていない。阪神梅田本店の担当者によれば「とにかく外さないものを教えてほしい、という男性が多い。行列ができている売り場があれば、みなさん迷わずその列に並ぶ」。
頭を抱える男性たちのために、百貨店も試行錯誤だ。阪神梅田本店では「ホワイトデー攻略本」と称した冊子を2012年から製作。シックなカタログ風や週刊誌風など、男性が手に取っても恥ずかしくないデザインで、予算や女性への意識調査をまとめ、店内で配布している。さらに昨年は男性社員が「ホワイトデーコーラス隊」を結成し、ロシア民謡の「一週間」にあわせた替え歌を歌い踊った。売り場を盛り上げ、男性の客足を伸ばす結果につながった。
高島屋でも、売り場でずっと悩んでいたり、逆にそそくさと買い物を済ませてしまったり、肩身が狭そうな男性客は多いという。
「男性のお客様は普段来ない女性向けのエリアに来るだけでも大変。少しでも負担を軽減できるよう、過去にはラッピングされた商品を用意しておくことでレジで待つ時間を減らしたり、お客様の相談に乗り、ギフトを一緒に選ぶ『ホワイトデーコンシェルジュ』などのサービスを行ってきました」(高島屋広報・IR室 山川真由美さん)