フリースに異素材　着膨れせず暖かいジャケット3選

ダウンやフランネルなど異素材と組み合わせたフリースジャケットがトレンドになりつつある。冷え込みが厳しい時期の防寒アイテムとして機能性が高いのはもちろん、着膨れせずにかっこよく着こなせるという点でもポイントが高い。

今季トレンドの一つとしても話題のハイブリッドなフリースジャケットを3着、紹介しよう。

◎エル・エル・ビーン「フリース・ラインド・フランネル・シャツ」

アウトドア愛好家でもあったレオン・レオンウッド・ビーンが1912年に米国で創業したエル・エル・ビーン。その歴史は一足のハンティング・ブーツから始まったとされている。100年以上の歴史を持つ今はアウトドア用品だけでなく、シーンを問わず活躍するウエアやトートバッグなど品ぞろえ豊富な老舗ブランドになっており、時代に流されない普遍的なスタイルで世界中に愛好家がいるブランドだ。

同ブランドで人気なのが、フランネル（毛織物）シャツとフリース素材のハイブリッドである「フリース・ラインド・フランネル・シャツ」だ。

表地は丁寧に起毛加工を施したフランネル素材（綿100%）、裏地は軽くて柔らかいフリース素材（ポリエステル100%）になっている。胸元にはフラップポケットがあり、フランネルシャツのように薄く軽やかなデザインなのだが、実は脇下の両サイドにもポケットが付いているので手を入れて温めたり、小物を入れたりできる。またフリースならではの保温性があるので春先には羽織ものとしても活躍する。

洗濯機でも洗えるので、シャツ感覚で使えるのもポイントだ。

◎アンドワンダー「ツイルフリースジャケット」

2011年春夏からブランドをスタートしたアンドワンダーは、「雨にふられるのも　風にふかれるのも　歩くのも　山は楽しい」をコンセプトに、コレクションブランドで培った企画力と山で自ら感じた肌の感覚をもとにアウトドアウエアとギアを提案している。

同ブランドのなかでも、特に人気なのが「ツイルフリースジャケット」だ。20デニールの高強力ナイロン糸を高密度で織ったフリース素材に、圧縮復元力を持った高機能中綿プリマロフトを合わせて採用。プリマロフトは米国軍の要請を受けたALBANY社が開発した、羽毛に代わる超微細マイクロファイバー素材で、この異素材の組み合わせにより、速乾性やはっ水性、保湿性を兼ね備えた温かく丈夫な一着になっている。

フロントのポケットは中綿の中に収まるように設計されており、ハンドウォーマーとしても使用できる。また裾やフードはドローコード（留め具付きのひも）で絞れ、襟元は風が入るのを防ぐことができ、前身ごろの着丈は短くて後身ごろは長くしてあるので、普段の自転車通勤時などにも便利だ。

◎エルネスト・クリエイティブ・アクティビティ「ハヴァフリースパーカ」

俳優やモデルとして活躍している井浦新が2007年に立ち上げたブランドがエルネスト・クリエイティブ・アクティビティだ。ベースはワークテイストで、"モダニズム"や"トラディション""アルチザン"などをキーワードに「旅」を服作りの基盤に据えたアイテムを生み出している。アイテムそのものはファッション性が高いので、アウトドア専用というより街中で着られるアウトドアに対応する機能を持ったワークウエアという仕上がりだが、国産にこだわっていたり、日本の伝統工芸品をいかしたものづくりの企画をしていたり、"本物志向"を感じる。

そんなブランドの今季注目株のひとつが「ハヴァフリースパーカ」。ボリュームのあるボア素材とナイロン素材を組み合わせたアウトドア仕様のフリースジャケットで、柔らかな肌触りが特徴。肉厚な生地を採用しており、真冬のキャンプ時などでも、とにかく温かい。長めにデザインされた袖口には、手のひらと甲の部分を保温できるハンドウオーマーが配されている。

全体的なデザインはシンプルそのもの。しかし胸元にさりげなく入った刺繍によるロゴステッチが個性を主張している。この時期のレイヤードコーディネートにもいいし、春先はTシャツにこのジャケットを羽織って出かけるのもよさそうだ。

（ライター　中澤範龍、中條彰俊）

［日経トレンディネット 2017年1月30日付の記事を再構成］