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プーチン大統領もいやした山口の宿 大谷山荘 長門湯本温泉 ライター 飯田敏子

2017/2/16

大谷山荘の大浴場には岩露天風呂も(同社提供)

 寒さ厳しい1月も末、豊かな緑と湯のぬくもりを求めて、山口県・長門湯本温泉を訪ねた。長門湯本温泉は、今から約600年前の室町時代に地元・大寧寺の禅師が住吉大明神からのお告げで発見したとされる。山口県で最古の歴史を持つ温泉だ。音信(おとずれ)川の川べりに温泉宿や昭和レトロなたたずまいの元湯が立ち並び、タオル片手に湯客が行き交う風景は、どこか懐かしさを感じさせる「日本の湯町」そのものだ。

■旅館の風情と和のもてなし

音信川沿いに温泉宿が立ち並ぶ長門湯本温泉

 温泉街から少し外れたところに、1881年創業の名宿「大谷山荘」がある。昨年末、安倍晋三首相とロシアのプーチン大統領が日ロ首脳会談を行った場所として記憶に新しい。安倍首相はこの温泉は疲れがとれると紹介したといわれる。

 スタッフに案内され宿を進んでいくと、随所に日本らしさが詰め込まれている。エントランスに続く坪庭に鹿威(ししおど)し。窓際や廊下のコーナーのあちこちに、季節の移ろいを伝える生け花。そして、柔らかな物腰でこちらの要望をいち早く察してくれる和服姿の女性スタッフ。ゆっくりした時間が流れるロビーラウンジからは岩肌を流れる水と緑が望め、厚いじゅうたんが敷かれたパブリックスペースは隅々まで清潔。老舗旅館の風情と和のもてなしの快適性が盛り込まれており、ゲストに安心感を与える。

ゆっくりとした時間の流れる大谷山荘のロビー

 大谷山荘の心地よいにぎわいをいったん離れ、「別邸 音信」へと案内してくれた。「別邸 音信」は今年で開業10周年を迎える。111室550人を収容できる大型の大谷山荘に隣接する、わずか18室だけの小さな宿で、玄関も別だ。別邸 音信の宿泊客は大谷山荘の各施設を自由に利用することができるが、別邸への出入りには専用カードキーが必要。それだけに別邸の館内に一歩足を踏み入れると、大勢の人が行き交う大谷山荘とは別世界の静謐(せいひつ)さが守られている。

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