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グリーンピースのおにぎり 久留米ラーメンと名コンビ

おにぎり・おむすび(7)

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NIKKEI STYLE

八戸せんべい汁研究所の皆さんと神田で飲んだ。で、みんなで最初に行ったのが神田の100円居酒屋であった。「どんなもんか見とこう」といった軽いのりで、別にここで倒れるまで飲もうというような魂胆はなかった。本命はその近くに開店した「富士吉田のうどんをフィーチャーした居酒屋」である。

本場で作り方を学んだという富士吉田うどんはぶっとい手打ち。薬味はネギではなくゆでキャベツである。きんぴらゴボウをトッピングしたメニューが普通にあり、肉うどんの肉は馬肉であった。おつゆには味噌が仕込んである。

100円居酒屋でそこそこ飲んでいたので、酒やつまみと共に各人はうどんを注文したのだが、大混雑のせいで店の人がつくるのを忘れてしまった。でも飲む人は飲むのに忙しくて、うどんがこないのに気づかない。私はうどんを注文していなかったので、何の問題もない。

ただひとり酒を飲まないベティー隊員だけが、じりじりしながらうどんの到着を待っていた。ついに我慢できなくなったベティー隊員は私に「もう1時間半もたつのにうどんがきません。忘れてるんでしょうか」と訴えたのだった。そこで私が店の人に催促した結果、「おっといけねえ」とうどん製作にとりかかり、約25分後にようやくうどんにありついたのである。

ベティー隊員 私、血糖値が下がると別人になるんです。あのときも危なかったんです。みんながいたからおさえてましたが…。

デスクぎくっ 他はみんな日本酒飲んでいたので、血糖値がぐんぐん上昇して気付きませんでした…。

本題。久留米から。

ご意見 久留米でこれを知らなければモグリ(?)という「沖食堂のピースおにぎり」をご紹介します。グリーンピース炊き込みご飯のおにぎりです。私は「支那うどんとピースおにぎり2個ね」が定番。
 この支那うどん。何も知らずに「うどん」をイメージして注文すると、とんでもない目に遭います。うどん麺とラーメン麺の中間のような麺で、スープはカツオと豚骨系のブレンドでなんとも微妙。その微妙が絶妙で、なんとも癖になる一品です。
 あ、ピースおにぎりもいい塩加減で「懐かしい味」がします。(久留米やきとり学会 豆津橋渡さん)

ベティー隊員 久留米にまた行きたいなあ。今度は沖食堂で「ちゃんどん」も食べるんだあ。

デスクトホホ 焼き鳥フェスタの後、沖食堂を探すものの盛大に迷い、結局2時間近く歩き回ってたどり着けませんでした。血糖値急降下。

ピースご飯、懐かしい。大阪の大衆食堂でも定番だった。大好き。東京のあるお弁当屋さんでは白いご飯かこのピースご飯が選べるので、迷わずピースご飯を詰めてもらうが、関東以北ではどの程度ポピュラーなのだろうか。

グリーンが鮮やかなものもあれば、黄色いものもある。

ご意見 私が子供のころ(昭和20~30年代)長野県の南佐久郡(現在は佐久市)では田植えや稲刈りのときに「おこじはん」と言って、重箱にきな粉をまぶしたおむすび(小さめの丸型)を10時ごろ届ける役目でした。
 早朝、父や兄たちは田んぼに行きますので家に残った母がおむすびを握り、それを塩味のきいたきな粉の中に入れて、ちょうどお萩のきな粉のように…重箱に詰めるときにもう一度まぶし、背負い篭に入れてテクテクと歩いて持って行きました。
 子供でしたから相当に重かった。しかも手には薬缶に入れた麦茶を下げて(これにはかすかに甘いと感じる砂糖が入っていました)。
 3年位前にNHKの「奥の細道」を見ていたら「きな粉をまぶした貧しい握り飯」と言っているのを聞いて「ちょっと、あんた食べたことないんじゃないの!」と思わず言ってしまいました。確かに中身が何もないからそう思うかもしれないけれど(寅太の侍女さん)

塩味のきいたきな粉は知らなかった。子供のころ母がつくってくれたきな粉には砂糖が入っていた。そのきな粉をまぶすのはおにぎりではなく焼いた餅だった。

でも当時の農村の風景が浮かんでくるいい文章である。全文を紹介できなくて残念。

スパムむすび。

ご意見 実はこの辺(フロリダ)では一般的ではないんですけど米国在住日本人として「スパムむすび」を知らないと非国民扱いされてしまうのでホーコクしときます。
「スパム」っていうのはアメリカで一番売れているランチョンミート(沖縄料理でおなじみ)のブランド名です。5ミリ程度にスライスして軽く油でいためると、あら不思議、ご飯のおかずにぴったんこに変身します。それを特大握りすし風に握ったご飯の上にのせてのりの帯をしてできあがり。
 ハワイで爆発的に広まってハワイ料理の代表格に出世しました。ハワイのゴルフ場では由緒正しい日本人にとっても「当たり前田」状態らしいです。最近は米国西海岸にも到達した模様で西海岸日系人社会では「よくある」状態。これが中西部や東海岸ではまだ「なに、それ」状態。とっても悲しいことです。
 このスパムむすびにはハワイ自然発生説と沖縄起源説があって決着がついていない模様です(フロリダ在住、なXXさん)
ご意見 沖縄の「スパムおにぎり(ポークおにぎり)」とハワイの「スパムむすび」が話題に出ないのは変だなあと思いながら読んでいました。
 沖縄のスパムおにぎりは、ご飯にスパムと薄焼き玉子、味噌をはさんでのりで巻いたもの。そしてハワイのスパムむすびはご飯の上にスパムをのせてのりを帯状に巻いたもの。
 とてもよく似ているのに呼び方が「おにぎり」と「むすび」というように異なっているのは何か理由があるのではないかという気がします(モモちゃん)

ガン太の保護者さんからも同様のメールをいただいた。

(特任編集委員 野瀬泰申)

[本稿は2000年11月から2010年3月まで掲載した「食べ物 新日本奇行」を基にしています]

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