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「コーヒーは肝臓がんのリスク下げる」ウソ・ホント?

日経Gooday

2017/3/4

 正解は、(1)ホント です。

 今や「がん」は、日本人の2人に1人がかかるといわれる国民病。「いつかかかるのでは」と心配に思う人も多いでしょう。若いうちは「自分には無縁」と思っていても、40代、50代になり、身近な人や有名人ががんにかかったという話を耳にすれば、「発症を防ぎたい」「予防できる方法があるなら知りたい」と思うものです。

 以前は「発がん性がある」と思われていたこともあるコーヒーですが、最近では「がんのリスクを下げる効果が期待できる」というニュースを耳にするようになりました。

 国立がん研究センターでは、「コホート研究」という手法を使って、がんなどの病気と生活習慣との関連を長期間にわたって研究しています。その研究結果と、科学専門誌などに掲載されたがんの研究結果から、がんのリスクを評価して、国立がん研究センターのホームページで公開しています。

■「肝臓がんのリスクを下げる」効果は「ほぼ確実」

 コーヒーについては現在、肝臓がん、子宮体がん、大腸がん、子宮頸がん、卵巣がんの評価を掲載しており、以下のような評価になっています。

○「肝臓がん」のリスクを下げる効果=ほぼ確実

○「子宮体がん」のリスクを下げる効果=可能性あり

○「大腸がん」「子宮頸がん」「卵巣がん」のリスクを下げる効果 =データ不十分

 肝臓がんに対する予防効果は「ほぼ確実」になっています。つまり、コーヒーには肝臓がんにかかるリスクを下げる効果が期待できるわけです。

 「肝臓がんのがん予防効果は、2000年代から『効果あり』というエビデンスが集まり始めました。これ以降、複数のコホート研究によって一致して『コーヒーはがんに予防的に働く』となったために、上から2番目の『ほぼ確実』の評価となっています」(国立がん研究センター 予防研究部部長の笹月静さん)

 国立がん研究センターのコホート研究でも、「コーヒーをほとんど飲まない人と比べ、ほぼ毎日飲む人は肝臓がんの発生リスクが約半分に減少する」という結果が出ています。1日の摂取量が増えるほどリスクが低下しました。1日5杯以上飲む人では、肝臓がんの発生率は4分の1にまで低下していました。

コーヒーをほとんど飲まない人と比べ、ほぼ毎日飲む人では肝臓がんの発生リスクが約半分に減少した。1日の摂取量が増えるほどがん発生リスクが低下した。また、リスクの低下は男女に関係なく見られた(国立がん研究センターの多目的コホート調査による結果、2005年)

 また、子宮体がんについては、「2008年の多目的コホート研究の結果から、1日1~2杯、3杯以上飲むグループではそれぞれ、罹患リスクが低下しているという結果や、他の研究結果から『可能性あり』に分類しています」(笹月さん)

■「糖尿病予防」効果と「抗酸化作用」の両面から効いている?

 なぜ、肝臓がんや子宮体がんに対して、リスク軽減効果が期待できるのでしょうか。笹月さんは、「私たちは、コーヒーががんに作用するメカニズムの研究を直接しているわけではないので、あくまで推測ですが、コーヒーは『糖尿病予防』効果と『抗酸化作用』の両面からがんを抑制する働きをしていると考えられます」と話しています。

 「肝臓がんや子宮体がんは糖尿病を発症するとかかりやすくなるがんであることが分かっています。一方で、コーヒーが糖尿病を予防することも、すでに多数報告されています。コーヒーによって糖尿病リスクが下がればがんリスクも下がる、ということは十分に考えられます」

 「また、コーヒーにはポリフェノールの一種である抗酸化物質のクロロゲン酸が豊富に含まれています。クロロゲン酸には、血糖値を改善するほか、体内の炎症を抑える作用があります。クロロゲン酸を継続摂取することもがんに予防的に働いているのではないかと考えています」(笹月さん)

※さらに詳しい解説は「『コーヒーはがんに効果あり』は本当か?」をご覧ください。

(日経Gooday編集部)

[日経Gooday 2017年1月30日付記事を再構成]

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