菓子パンもあたためますか? コンビニおにぎり以外に
おにぎり・おむすび(4)
ひとしきり盛り上がった焼きおにぎり。続報が届いている。
するってぇと、当方(関東在住)ではフツーの焼きおにぎりも「それってなんですか?」という地方もあるのかしら。
ついでに赤飯のにぎりめし(こじつけ。別ににぎらなくともよい)に入ってる豆。まわりにきくと「あずき」といわれるので、「あれはあずきじゃなくてささげだろ」というと「ささげってなに?」と逆襲をくらう。あずき地域とささげ地域があるんじゃろか。JAROにきいてみよう(ココアさん)
焼きおにぎりについてのメールが来なかったわけではない。紹介できなかっただけである。焼きおにぎりに関するメールも歓迎。最近の居酒屋では焼きおにぎりのお茶漬けなんてものもポピュラーになってきましたな。
赤飯の豆についてはかつてちょこっと登場した。そのとき紹介したメールは「赤飯はささげに決まっているでしょう」というカロリーの高いものであったと記憶している。当時も書いたのだが、植物事典などで「ささげ」を引くと「小豆の代用として赤飯に用いられる」というような記述が出てくる。主流は小豆でささげも使われるということであるらしい。
赤飯のおにぎりについて紹介したのは最後に登場するメールへの伏線である。はい、いま伏線がこの画面の下にもぐりましたよ。覚えておいてね。
デスク素直に はーい。
こんなことになっていたのか。
「母親など家族が握ったものはOKで、よその家のおにぎりがダメ」ということなのか、「およそ人の手がじかに握ったものはダメ」なのか、そのへんは濃淡があるかも知れませんが、とにかくこういう人は、機械が成型したとか型で抜いたとかのおにぎりだと安心で、手握りだと不安らしいのです。
「手打ちうどん」とか「手ごねハンバーグ」は付加価値が増す(ようなイメージを与えられる)のに、「手握りおにぎり」は微妙って(日野みどりさん)
この話は私もどこかで読んだ気がする。「そんなことじゃあ、寿司屋に行けんだろうが」と思ったものであった。大阪で若いころに通っていた寿司屋のおやじさんは豪快な人で、仕事の途中で鼻くそほじってたもんね。
私が作った晩飯の中から髪の毛が発見されたことがある。見つけた末娘は髪の毛を私に突きつけ抗議の意志を示したが、犯人の私は「また1本減ったか」とそっちの方が気になった。このように、食べる側と作る側の論理はかみ合わないことがあるのである。
ベティー隊員 あの育毛剤、効きません?
野瀬 いまのところ……。
えっ、パンまで?
それどころか私の場合、コンビニでパン類を買ったときも温めてもらいます。惣菜パンはもちろん、菓子パンの類も。もちろん種類は選びますが、基本的にパンだって温かいほうが美味しいに決まってるじゃないですか。そう思いませんか。
店員さんには、たまに怪訝な顔されることもありますが、でも私は絶対パンも温める派です。
もちろん、おにぎりは絶対温めていただきます。おにぎり温めるのが普通なので、パンを温めてというのもあまり抵抗ないような気がしますが…。サンドイッチはできればトースターでカリカリに焼いていただきたいですよね~(高田さん)
カレーパンはあっためないけど、おにぎりはあっためるよなフツウ。と思って弟にちょっぴり同情した思いをしたためてました。
フツウのことではなかったのですね。ぜんぜんテーマ違いなのに載せてもらったんですけど、いつだったのかな、あれは。
はい。新潟ではおにぎりは温めますよ。多分年中(おおしまさん)
私はおにぎりもパンも温めない。が、いましみじみと考えている。確かに出来たての温かいおにぎりは美味いよなあ。レストランでパンを頼むと表面をちょっと焼いたものが出てくるよなあ。
コンビニで各種加熱行為に走っている人々は、それなりの動機があって犯行に及んでいるのだなあ。なるほどねえ。
ここで美味しそうな写真を。
で…おむすび/おにぎりの呼称、西の境界線はやっぱり他の様々な事象と同じく"箱根"なんでしょうかね?(半ライス大盛りさん)
富士宮は「本当はお好み焼きが主流でした」宣言をした。
ベティー隊員 私は現地で「やきそば学会」の渡辺英彦会長が自白するのを聞きました。
おにぎりと言えばお茶。そのお茶だが…。
あ、シンガポールにはセブンイレブンがたくさんあるようなので、おにぎりを売っていないか、明日探してみます(砂糖入り緑茶もおいしく思えてきた中村泰造さん)
さんぴん茶は中国の「香片茶(シャンペンツァー)」の転訛か? 沖縄では特にお年寄りに好まれているというデータがあるそうである。私は緑茶を選ぶかな? この間、缶コーヒーでおにぎりを食べている人を見たが、警察には通報しなかった。
大阪ではよくおぼろ昆布で巻いたおにぎりを見た。さて、これは全国区? 昆布産地の北海道ではどうだろうか。
チャブニチュードがここで登場した。
久しぶりの日本帰国。ちょっと小腹の空くフランクフルトからの空の旅に配られる日本のおにぎりは懐かしさもあって必ずいただいていた。ところが今回は一口食べて、「うっ、何これ?」。ご飯がぱらぱらと落ちる。米粒がひからびつつある。信じがたくて、もう一つもらって一口。「えっ、日本の米って、 こんなまずかった?…かなし」
米が乾いてアルファ米化しつつある。食べられない。2週間後の復路(日本発)でのおにぎりは、もう少し水分があったが、ぽろぽろ、米粒が落ちるのはほぼ同様。「まずーっ」。食べるうちに米粒に解体されバラバラと膝に落ちる。このおにぎりが乾燥した機内に半日以上置かれているわけだから、欧州発日本行きではアルファ米になるわけだ。正月に帰った時はこんな事なかったのに。
包装シールを見て、おにぎり製造元が新空港地元の住所であることが発覚。おにぎり製造元も変わったんだろうが、これ外国人でもおかしいと思うんでは?
日本市場でこれでやっていけるとは信じられない! こんなのを出して気づかない航空会社も航空会社だ!(クラコヴィアンカさん)
それにしても、すごいおにぎり。こんなかわいそうなこと、せんとれあ。
はい、ここでさっきの伏線がぴょこっと顔を出した。そしてこのメールに点火する。
デスク意味なく しゅぼっ!
私はそれを聞いて赤飯おにぎりが恥ずかしくて買えなくなってしまいました。この話を友人にすると、みんな「そんなわけねーだろ!」と言いますが、すごく印象に残るらしく、その後食べられなくなってしまった被害者多数…(文守こまいぬさん)
ネット時代の都市伝説の威力はすごい。どこかで話題になっているのか。ともかくこの話が広まると、赤飯おにぎりが売れなくなって困る人や会社が出てくるといけないので、当サイトとしては読者の皆さんに平常心を保ち現在の購買行動を維持するよう訴えるものである。
デスク反省 僕も「スーパーサイズミー」という映画を見てからフライドポテトが注文できなくなりました。今度、注文してみます。
神田と日本橋に「何でも100円立ちのみバー(居酒屋)」ができた。いまのところ順調なようである。そのうちみんなで行こうぜ!
(特任編集委員 野瀬泰申)
[本稿は2000年11月から2010年3月まで掲載した「食べ物 新日本奇行」を基にしています]
ワークスタイルや暮らし・家計管理に役立つノウハウなどをまとめています。
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