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私の履歴書復刻版

「ビールが古い」ライバルが助言 対策打ち悪循環絶つ 元アサヒビール社長 樋口広太郎(7)

2017/2/16

「スーパードライ」の発売でアサヒビールを業界トップに押し上げた名物経営者、樋口広太郎氏(ひぐち・ひろたろう、1926-2012)の「私の履歴書復刻版」。第7回は社長就任直後のあいさつ回りのエピソードから。樋口氏のネアカぶりがよくわかります。

商売敵の助言 「ビールが古い」即対策 仕入れ調べ購買に競争原理

私は銀行の事業調査部でビール業界を担当したことがありましたが、随分昔のことですし、ビールメーカーの経営については、しょせんずぶの素人です。入ってすぐに何が問題かなど、わかるわけがありません。社内で聞いてもあけすけに言う人はまずいませんから、限界があります。

小西秀次・キリンビール会長(当時)

さて、どうしたものか。そうだ、ご同業に聞くのが一番早いと思い立ち、さっそく、ごあいさつを兼ねて同業各社を訪ねました。まずは断トツのキリンビールさんです。お目当ては、会長の小西秀次さんでした。

私は「全くの素人なので、よろしくお願いします」と、格好をつけずにひたすら勉強させていただこうという姿勢でうかがいました。さすがに小西さんは立派な方で、かなり率直に話してくださいました。アサヒがまだトップシェアだったころ、小西さんが社長の秘書として札幌に出張した時のこと。ホテルに着いたら、いい部屋を予約していたのに、「申し訳ありませんが、部屋を換わってください」と言われたそうです。相手を尋ねると、何と「アサヒビール社長の山本為三郎さん」だと言うではないですか。この屈辱は忘れまいと心に誓われたそうです。後にトップシェアとなり、社長になられて感無量だと言われました。

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