着信も針で表現 時計ブランドのスマートウォッチ4選こだわりが魅力 今買いたい人気の腕時計(3)

スマホと連携しながら、従来の腕時計と同じ感覚で身につけられるスマートウォッチが増えてきている
スマホと連携しながら、従来の腕時計と同じ感覚で身につけられるスマートウォッチが増えてきている

現在は腕時計を嗜好品として捉えている男性も多く、そのため腕時計には身に着ける人の主義や主張、個性が強く表れる。これまで2回にわたって、男のこだわりが見える腕時計を紹介してきたが、最後となる第3回は「スマートウォッチ」にフォーカスした。スマートフォン(スマホ)が普及している昨今において、スマホと連動した機能はやはり魅力的。なかでも時計メーカーが手がけるスマートウォッチは、従来のアナログデザインを踏襲しており、ビジネスシーンにもしっかり対応できる。

腕時計としての価値を持っている

スマートウォッチといえば、アップルウォッチをはじめとするPCメーカーの製品が多い。それらは通話やメール、SNSの通知などが可能で、時計というより腕時計型のウエアラブルPCと呼べるほど高機能。子どものころに憧れていた“腕時計で電話”ができる夢のようなアイテムだ。しかし発売当初こそ大きな話題となったが、あまり普及していない様子。高性能で便利であるにもかかわらず、なぜ売れていないのだろうか。

それはユーザーが腕時計に求めるモノと、少しズレているからだと推測する。先述したように、いまや腕時計は嗜好品。スマホが普及しているからこそ、スマホの機能がそのまま使えるだけでは必要ないのかもしれない。そこで注目を集めているのが、時計ブランドのスマートウォッチだ。

PCメーカーの製品とは異なり、腕時計然としたデザインが最大の魅力。スマホ連携機能こそ少ないものの品格を備えており、これまで通りの腕時計と同じ感覚で身に着けられる、腕時計をベースとしたスマートウォッチなのだ。有名時計メーカーからも続々登場し、期待が高まっている。そのなかのひとつ、シチズンに話を聞いた。

「開発にあたり、まず市場に星の数ほど存在するスマートウォッチを、実際に使用して、徹底的に調べ上げました。それぞれの商品に良い点とネガティブな点がありましたが、ことネガティブな点に関しては、最終的にひとつのキーワードに行き着きました。それは“飽きる”ということです」(シチズン時計 宣伝部 伊藤恵己氏)

どんなモデルも数週間ほど使うと、やがて「もういいか」という気持ちになり、使うのをやめてしまったそうだ。「しかし腕時計は、そういった飽きるものであってはならない」と伊藤氏は続ける。

「腕時計は昔から人間の一番身近にある機械であり、贈り物としても喜ばれ、長い間愛用されるもの。良いものになると子や孫にまで受け継いでいけるものです。大げさな言い方をすれば、シチズンが作る商品はこういうものでなければならないとの思いで、ブルートゥースウォッチのプロジェクトをスタートさせました。そのため、この考え方が機能や品質、デザインのすべてに内包されています。この考え方そのものこそが、PCメーカーと最も異なる点ではないかと感じています」(伊藤氏)

腕時計としての価値をしっかり持つブルートゥースウォッチはユーザーの心をつかみ、昨年12月に国内に導入された世界限定3000本の「エコ・ドライブ Bluetooth(BZ1025-02E)」は、これまでシチズンが発売してきたブルートゥース腕時計で「過去最高の予約数を記録した」そうだ。

そこで今回は、人気時計メーカーのスマートウォッチを集めてみた。PCメーカーの製品とは一味違う魅力を見ていこう。

シチズン/存在感のあるクロノグラフはビジネスで活躍

シチズンの「エコ・ドライブ Bluetooth(BZ1035-09E)」(8万5000円)※価格はすべて税抜き

2016年12月、スマホとリンクする腕時計「エコ・ドライブ Bluetooth」を限定で発売し、大好評を得たシチズン。同シリーズに、スーパーチタニウムを外装素材に採用したモデルが新たに登場し、今年3月に発売が予定されている。

スーパーチタニウムとは、同社独自の技術により、純チタニウムに表面硬化技術デュラテクトを施し、ステンレスの5倍以上の硬さを持たせた素材。肌に優しく、さびにくく、耐摩耗性に優れているため傷に強いのが特徴だ。

この素材を採用し、ブルーとオレンジを差し色としてデザインしたクロノグラフは存在感抜群。アナログ時計の品格や美しさを備えながら、専用アプリを使えばスマホとリンクし、自動時刻修正はもちろん世界316都市の時刻表示が瞬時に可能。着信やメール受信のほか主要SNSのメッセージも、針の動きや音、振動で知らせてくれる。

「すでに発売しているモデルは、ビジネスパーソンに支持されています。会議中でも移動中でも、大事な人からの連絡を逃したくない人や、腕時計には実用的な機能価値を求めつつも、身に着けるものとしての美しさを妥協しない人から好評を得ました」(伊藤氏)

また同モデルには、シチズンが誇る光発電エコ・ドライブを搭載しており、太陽光や部屋のわずかな光で充電し、一度フル充電すれば最大約4年も可動するという。毎日充電する必要がないのは大きな魅力だ。

外装素材に傷が付きにくいスーパーチタニウムを採用。オレンジの利いたクロノグラフは抜群の存在感を放つ
厚さは15.5mm。スーツにも合わせやすいサイズだ
電話やメール、LINEなどの着信を、針の動き、音、振動で知らせてくれる。大事な連絡を逃す心配がない

スカーゲン/スマートウォッチに見えないデザインが好評

スカーゲンの「ハーゲン コネクテッド」(2万9000円)

スカーゲンのスマートウォッチは、時計のファッション性を第一に考え、アナログウォッチの外観にスマートウェアラブル技術を搭載。同ブランドらしいミニマルなデザインが特徴で、一見するとスマートウォッチとは思えないところがポイントだ。

視認性の高い文字盤や自動で調整される正確な時間表示など、時計本来の機能をスマホと連携することでより便利に使うことができる。このほか活動・睡眠トラッカー機能と、着信・メール受信通知機能があり、これらは特定の人からの受信のみを知らせるカスタマイズが可能。家族など大切な人からの連絡だけ見逃さなければOKという人にうってつけ。

また、自撮りに便利な「スマホのカメラシャッターを切る」、スマホを紛失したときに使える「スマートフォンを鳴らす」、歩数や消費カロリーなど「目標のトラッキング」、「音楽の再生や一時停止」のオプション機能も搭載。この4つのうち一つを、ケース側面のスマートリンクボタンに割り当てられる。

「11月に発売し、売り上げは好調に推移しています。通常のクオーツモデルと同じくらいの動きがあり、主に20~30代の男性の購入が目立ちます」(フォッシルジャパン PR 相馬明香氏)

スマホとの連動機能は必要最低限にとどめ、アナログウォッチの外観と、わずか97グラムという軽さに仕上げた1本。“これくらいがちょうどいい”と思う人も多いのでは?

スマートウォッチには見えないシンプルなアナログデザインが◎。どんなコーディネートにも合う
通常のクオーツモデルよりはやや分厚いものの、スマートウォッチなのに97グラムという軽さは魅力的
側面のボタンにスマートリンクボタンを搭載。自分に必要なオプション機能を設定できる

フレデリック・コンスタント/スイス製で品のあるデザインに注目集まる

フレデリック・コンスタントの「クラシックインデックス オルロジカルスマートウォッチ」(18万5000円)

活動量を測定するフィットネストラッカー機能を搭載した、スイス製初のスマートウォッチとして注目を集める1本。

スマホの時刻と連動するとともに、センサーでトラッキングした活動量をアナログ文字盤上に表示。手作業で取り付けられた美しい針が成果を指し示す、なんとも上品なデザインが魅力だ。フレデリック・コンスタントが持つスイスの伝統的時計製造技術と、シリコンバレーのフルパワー社の最先端テクノロジーが見事に融合している。

そのほか睡眠モニター機能もあり、入眠時間や途中覚醒回数、合計睡眠時間を測定できる。さらに浅い眠りと深い眠りのサイクルまで検知し、浅い眠りのときにアラームを鳴らして快適な目覚めを促してくれるという。

「健康管理に意識の高い40~50代のビジネスパーソンに好評です。スイス時計らしいクラシックなデザインに引かれ、しかも+αの機能が付いていることで購入される方が多いようです。また、スイス時計が好きな方にも、腕時計に興味のなかった若者にも目を向けていただいています」(GMインターナショナル スーパーバイザー 神田尚子氏)

着信やメール通知機能こそないものの、スイス時計ならではの洗練された品のあるデザインに、これだけの機能を搭載していれば十分ではないだろうか。

ローズゴールドプレートの上品なケースデザイン。手作業で磨かれたスティール針が腕元で輝く
ケースにはリューズ風のボタンがひとつ付くのみ。この時計がスマートフォンと連携するなんて誰も思わないはず
歩数、移動距離、消費カロリーを計測し、スマホに記録できる

カシオ/アウトドアに特化した防水・タフモデルの新作が話題

プロトレック スマートの「WSD-F20」(5万1000円)

昨年3月、防水性を持つタフモデルを引っ提げて、カシオがスマートウォッチ市場に参入。これまで携帯電話や時計を手がけてきた同社のノウハウを生かした「WSD-F10」は、アウトドア用途に特化した機能を持ち、大きな話題を集めた。(「スマートウォッチ、カシオの答えは『アウトドア』」「スマートウォッチは時計としてスマートでなかった」参照)

今回紹介するのは、4月21日に発売される第2弾の「WSD-F20」。第1弾のユーザーからの要望が多かった、“低消費GPS”と“オフライン地図機能”を搭載し、大きく進化しているのが見どころ。

「昨年の段階では、GPSはまだまだ消費電力が大きく搭載できませんでしたが、ようやく低消費のGPSが出てきたので搭載することに。また、登山好きな企画担当者が、日ごろから地図の重要性を感じており、オフラインでも使える地図機能も搭載することになりました。2つを組み合わせれば、いつでも現在地を確認できます」(カシオ計算機広報部 村田鮎子氏)

また、この2つの機能を搭載し、さらにAndroid Wearが2.0になることで、時計単体としての使い勝手も格段に向上し、スマホの機種をあまり問わなくなるという。第1弾とは違い、iPhoneユーザーもアウトドア機能をほぼフルに使えるようになっているそうだ。まだ発売前だが、ウエブサイトの閲覧数は第1弾発表時よりも130%伸びていることからも、期待の高さがうかがえる。

時計メーカーらしいアプローチが魅力

以上、時計メーカーが手がける注目のスマートウォッチを4つ紹介した。シチズン、スカーゲン、フレデリック・コンスタントはアナログデザインで、従来の腕時計の品格を損なうことなく、スマホとの連携により利便性を向上している。カシオはウエアラブルとしての機能を備えながら、防水性と耐久性を高めてアウトドア用途に特化させている。いずれもPCメーカー製品とは異なるアプローチで作られていたことがわかっただろう。

スマホと同じ機能であれば、直接スマホ本体を操作したほうが使いやすい。だからこそスマートウォッチには、スマホにはない価値が求められるはずだ。そういった意味では、時計メーカーが手がけるスマートウォッチは非常に魅力的。今後は腕時計をベースに設計されたスマートウォッチが増えていくのではないだろうか。

こだわりが魅力 今買いたい人気の腕時計
第1回 腕時計にもネイビー人気 個性際立つ青文字盤3選
第2回 名機ベースで人気 セレクトショップの別注時計3選
第3回 着信も針で通知 時計ブランドのスマートウォッチ4選
【お詫び】本記事は初掲載時に誤りがありました。カシオの「WSD-F20」の写真が、別機種のものになっておりました。お詫びして、訂正いたします。

(ライター 津田昌宏)

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