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どう振り向かせる、ミレニアルズ ブランド広告に変化

ネットスター、文化財… 「無形の価値」前面に

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NIKKEI STYLE

イタリアの街中を闊歩(かっぽ)するおしゃれ軍団のスナップ。パンク風の若者が集う英国郊外の邸宅。中世のラテン語の古写本。いずれも雑誌の冒頭を飾る欧州高級ブランドの広告だ。主役は服やバッグなどの商品ではない。時代の先頭を走るスターへの共感や文化など「無形の価値」の表現を前面に打ち出す。ラグジュアリー広告の王道を外した実験的手法に各社が取り組む背景には、モノの消費への関心が低いとされる新世代「ミレニアルズ」への意識もある。

スマホ世代にネットで接触

1月、イタリアのミラノコレクション・メンズで、ドルチェ&ガッバーナのショーが話題を集めた。モデルとともにランウエーを歩いたのは49人の「ミレニアルズ」。歌手のライオネル・リッチー氏の娘で、若者のファッションアイコンであるソフィア・リッチーさんや俳優、ミュージシャンが登場して会場を盛り上げた。

ミレニアルズは2000年前後以降に成人を迎えた世代を指す。米国では8000万人超と国民の3割近くを占める。消費の担い手としての期待は大きいが、生まれた時からスマートフォン(スマホ)が身近にあり「画面ばかり見て顔を上げない」ため、従来型の広告は効きにくい。ブランドへの関心も低い。彼らへの情報発信に頭を悩ませた各社が着目したのが、ネットを駆使し、トレンドを生み出すミレニアルズのスターたちだった。

ドルチェ&ガッバーナが積極的にミレニアルズを起用し始めたのは昨年から。「自分一人の発想でスターになる、現代の若者の力に注目した」。主役は人間そのものだ。ナポリやカプリ島の街に繰り出す若いモデルたちを活写。17年春夏には、ネットへの動画投稿で一躍、有名人になった22歳のキャメロン・ダラス氏らが登場した。ダラス氏はツイッターなどに3000万人のフォロワーを抱えるといわれ、欧米の若者のカリスマ的存在。この広告は雑誌をあまり読まない世代の共感も呼んだ。

若者文化とは対照的な「伝統」をメッセージの中核に据える広告も目立つ。グッチの17年クルーズコレクションは、英国・ダービシャーに16世紀に建てられたカントリーハウス、「チャッツワース・ハウス」をキャンペーンの舞台に選んだ。映画のロケ地としても有名な邸宅にパンク風ファッションの若者が集い、英国の現代カルチャーと伝統的な庭園や屋敷が不思議に融合する。モデルの傍らには英国の名女優、ヴェネッサ・レッドグレイブさんが寄り添う。グッチは昨年にチャッツワースと提携し今後3年間、展覧会などイベントのスポンサーを担う。

ブルネロクチネリの16年秋冬の広告には商品が一切、登場しない。掲載したのは中世の写本の図版のみ。その下に「我々は古典の美術や文化のメッセージを大切にしています」という文字を添えた。「手書きの写本の技術のすばらしさと、職人技への敬意を表現した」(ブルネロクチネリ)

ブルネロクチネリは秋冬の広告に、本社があるイタリア・ソロメオ村の自然や、カシミヤの産地に携わる人々を登場させてきた。これを通じて経営哲学でもある「人間主義」を訴えたいとの思いもある。

人間や文化をメッセージの核に据えるブランド広告が増え始めた理由について、宮沢正憲・博報堂ブランドデザイン代表はこう分析する。「ブランドには情緒価値、機能価値、社会価値の3つがある。経済が右肩上がりの時には派手、かっこいいといった情緒価値に消費者がついてきた。だが経済が停滞すると浮かれた価値は受け入れられにくい。特に成長期を知らないミレニアルズは興味を持たない。今の若者にとってのクールは社会性があること」。各社はそこに気付いた、と話す。

実際に「モノを買わずシンプルライフをよしとする若者が多い今、消費者は高額品を買う際には崇高な意味を求めるのではないか」(ブルネロクチネリ)との声もある。実は社会性を意識した広告は若い世代にこそ響く。そして爆発的に拡散する可能性を秘めている。(企業報道部次長 松本和佳)

[日本経済新聞夕刊2017年2月4日付]

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