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高齢化が加速し、年間10万人が介護による離職を迫られている状況の中、介護離職はもはや人ごとではありません。早ければ30代から始まり50代をピークに増え続ける介護離職の現状を踏まえ、ある日突然やってくる介護と仕事の両立対策について考えます。

「介護と仕事」の両立に悩む人は、今後ますます増加する

●介護専念者の5割強が、介護開始から1年以内に離職

●離職の最大のきっかけは「自分以外に親を介護する人がいない」

●介護転職の厳しい現実 ―― 平均年収が男性で4割、女性で5割ダウン

明治安田生活福祉研究所の「仕事と介護の両立と介護離職に関する調査」(2014年)によると、介護と仕事の両立に板挟みになられている方々のリアルな現実が浮き彫りになっています。

現在44歳。外資系の大手小売業で販売需要予測の仕事をしていた工藤広伸さんは、2度の介護離職経験者。一度目の離職は30代前半で、岩手に住む父親が脳梗塞で倒れたとき。順調にキャリアを積み上げていた会社を離職して介護にあたった。当時はまだ知識もなく、介護休職などの制度があるかどうかを調べることもなく会社に迷惑をかけられないと退職。努力の甲斐あって、病状も落ち着いたため35歳で転職活動を行い、何度も不採用の憂き目にあいながら、ようやく以前の経験・スキルが生かせ、好条件で働ける新たな職場を見つけた。

しかし、40歳のとき、岩手に住む認知症の祖母ががんを患い余命半年と宣告をされ、同時に母の認知症が発覚。入社1年未満は介護休業が使えない。また余命も短いと宣告されていたため、すぐに辞める決断をした。工藤さんは東京在住。夫婦2人で暮らしているが、妻には仕事があり簡単には離れられない。結果、500キロメートル離れた東京と岩手の実家を2週間おきに訪れ、当初は母親と祖母のダブル介護、今は母の介護にあたる生活をして5年目になっている。

「仕事と自らの親の介護に追われる妻、小さな子ども2人の子育てで手いっぱいの妹。母親と祖母の2人の介護をしなければいけない状況になった瞬間、これは自分が辞めるしかないと判断しました」と語る工藤さん。

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