オリパラ

オリパラSelect

民泊の周辺サービス続々 IT企業や町工場も商機探る 特区スタート1年 民泊はいま(下)

2017/2/17 日本経済新聞 朝刊

 「民泊でもホテルや旅館のように冷蔵庫に飲み物があったり、ルームサービスを頼めたりできたらと思ったんです」。アプリ開発のチャプターエイト(東京・渋谷)の高野勇斗社長は意気込む。スマートフォンを使い、民泊施設内で冷蔵庫内の飲料や菓子を容易に管理・決済できるサービスを準備中だ。

チャプターエイトは民泊施設の冷蔵庫に付けたQRコードをスマホで読み込み、中の飲料や食品を提供するサービスを目指す

 国家戦略特区で住宅の空き部屋に有料で客を泊められる「特区民泊」が始まった東京都大田区を足がかりに、新たな商機を探る動きが出てきた。高野社長はその一人。新サービスは特区民泊の大田区を出発点に2月中に始動させる計画だ。

 東南アジア滞在歴を生かして訪日客向けの観光情報アプリなどを仕掛けた高野社長は「民泊には可能性がある」と直感。将来は食事の出前注文やクリーニング、マッサージの手配などにも対応できる「コンシェルジュ」サービスを目指す。

 大田区内の事業者も動く。東京ガラス工芸研究所は民泊施設と組み、利用者向けにガラス工芸体験の割引を検討中。金属加工の内村精密技術研究所は工場の4階を改装して民泊施設にする。大田区が誇るものづくりの現場と民泊をセットにした産業観光を目指す。

 特区民泊を地域活性化につなげたい区も、こうした挑戦に注目する。恒例のビジネスプランコンテストに特区民泊と連携した案を表彰する部門を設けた。事業計画の相談や連携先の紹介などでプラン実現を後押しする。

 もちろん事業者は特区だけを狙っているわけではない。政府が検討する民泊新法が施行されれば、将来さらに関連市場が広がるのではという期待感がある。

 民泊データ分析会社はりうす(東京・渋谷)によると、民泊仲介大手の米エアビーアンドビー掲載の都内物件数は1月時点で約1万6600件。ここ1年で7割増えた。大半は特区民泊や旅館業法の「簡易宿所」の手続きをしていない無許可営業とみられるが、新法で「適法」の範囲が広がれば、市場は活気づく。

オリパラ新着記事

ALL CHANNEL