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「おにぎり」か「おむすび」か あなたはどう呼ぶ?

おにぎり・おむすび(1)

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NIKKEI STYLE

休日は新聞の原稿を書き、平日は出張に明け暮れていた。原稿に飽きると性懲りもなく台所に立ち、おとうさん飯の製作に没頭した。

いいのか悪いのかわからないが、ちょっと手の込んだ料理は余り喜ばれないのに、おでんのようなものをこしらえると評判がいい。やることと言えば大根を切るくらいのものなのだが…。

出張先は大阪。民族学者の石毛直道さんに会いに行った。いちおう正式のインタビューだというのに、スタートが夕方ということで先生は手ぐすね状態。内外の奇酒、珍酒、銘酒が用意され、近所のレストランからオードブルの出前まで取って待っていてくださった。いいのか悪いのかわからないが、インタビューもそこそこに酒盛りになってしまった。

吉田牧場製チーズ、カツオの身の塩辛といった佳肴が並び、同行のカメラマンも加わって盛り上がりましたなあ。

写真はそのときの石毛先生。珍しいオーストラリアの赤い発泡ワインで乾杯した。以下、日本酒、泡盛、ビール、赤白のワインとお酒の乱れ打ちで、ホテルに着いたときにはへろへろになっていた。

デスク舌なめずり あぁ、うらやましい!

先生にはこれまで2度にわたって当サイトの内容を扱った記事に好意的なコメントをしていただいている。今回も多少話題になったことを読者のみなさんへの感謝を込めてご報告したい。

今回から「おにぎり・おむすび」に突入する。

小学生のころ夏休みに小倉の親せきの家に遊びに行った。昼飯どきになって同い年のいとこが呼びに来た。

「にりりめしがにりれたろー」

「握り飯が握れたぞー」という意味である。大変に興味深く感じたのでいまでも覚えている。つまり言いたいことは九州、少なくとも小倉では「おにぎり」ではなく「握り飯」と呼んでいたということである。皆さんのところではどうであろうか。

ご意見 実家の母はおにぎりと言わず、おむすびと言ってました。母の作るおむすびは全てデカイ丸型で、具が焼き鮭、おかか、梅ペーストと決まって3種類でした。
 形はすべて丸型のため、どれがどれやら全然わからず、梅ペーストだけ3つも続くと泣きたくなったものです。母には俵に握るとか三角にするという考えは全然なかったようです。どこまでも丸!
 今のダンナはコンビ二おにぎり、それもツナマヨが大好きです。マヨネーズの苦手な私は、いまだに食べることが出来ません。どこまでも焼き鮭が正統派と信じて疑ってません。ダンナは塩むすびもこよなく愛してます。やはり塩はいいものを!というかわいい女心で、沖縄の塩を取り寄せて使ってみましたが、アジシオが一番美味いと言われてしまいました。私の愛はいつも空振り…(東京のあさちゃん)

確かご実家は大阪でしたね。今のダンナ、あんまり空振りさせているとそのうちデッドボールが飛んできますよ。心にもないことを平気でいうのも男の愛の形である。

ご意見 初めて東北を放浪したときに驚いたのが、コンビニでおむすびを買うと必ず「温めますか?」と聞かれたコト。夏なのに。しかも直巻きタイプもセルフ巻きタイプも同様。しかもどこへ行っても! その後、函館でも言われました。
 でもコレが美味いンですよう! 今では夏冬問わず、東北ではいつも温めてもらってます。が…。
 旅を終えて東京に戻って、ついついこちらから「温めて下さい」と言ってしまって店員に怪訝な顔されて…(半ライス大盛りさん)

温め問題を先取りしたメールであるが、「おむすび」と書かれているのでここで紹介した。

いきなりお勉強の時間である。レベル高いから覚悟していただきたい。

ご意見 約2000年前の竪穴式住居の中から、おむすびの化石が出現している。これは、笹を筒状に折り中に飯を入れ円錐状にした形の物です。この形状、そうです「山」に見立てたのではないでしょうか。山を神格化して日本人は考えていましたから、ここから「産巣日」(むすび)=「産霊」として、尊ぶ意味で「お」を付けて「御産霊」(おむすび)としたのではないでしょうか。
 時代は過ぎて平安時代に「屯食」(とんじき)が出てきますが、これは当時の貴族等の饗宴に来た貴人の従者に振舞われた団子状の飯のことで、糯米(もちごめ)が使用されていました。なおこの時代の飯は現在のような白米でなく基本的に玄米で、ボソボソしたものですから握るときに、力を入れて固めるようにしなければならなかったでしょう。
 それは当然、形状に表れて団子状にする以外なかったものと思われます。一方「おにぎり」は「握り飯」の女房詞である。「握飯」(にぎりいい)から「握り飯」(にぎりめし)そして「おにぎり」へと変化したものです。
 一般的に「おにぎり」は関西以西、「おむすび」は関東以東で使用される傾向が強いです。また、房総の一部地域では「大きく握ったものをおむすび」、「小さく握った物をおにぎり」と言うケースもあります(島野さん)

「産霊」は万物を産む神霊。むすびのかみ。「おにぎり」が女房詞なら、関西で優勢なのはよくわかる。「たべもの語源辞典」を見てみたが「おにぎり」「おむすび」「にぎりめし」についての言及なし。

お勉強をもう一丁!

ご意見 NHK放送文化研究所の「放送研究と調査」2003年10月号に載った「平成15年度の『ことばのゆれ』全国調査」によると…「おにぎり」(89%)、「おむすび」(29%)、「にぎりめし」(13%)の3回答が多く、それぞれの回答が有意に多い地域をあげると「おにぎり」:北海道・東北・関東、「おむすび」:関東・四国、「にぎりめし」:関西・九州とのことです。
 ただし、「おにぎり」回答が全国平均に比べて有意に少ない中国・四国・九州沖縄でも、「おにぎり」回答が「おむすび」「にぎりめし」を上回るので、「おにぎり」が事実上の全国共通語ではないかと紹介されています。
 また、地域差説以外にも「大きく握るのが『おむすび』、小さく握るのが『おにぎり』」とする"大きさ説"(千葉県房総半島南部?)、「固く結ぶと『おむすび』、ゆるく結ぶと『おにぎり』」とする"力加減説"(場所不明)などがあるみたいです。
 大手食品会社M社のおむすび用乾燥食品に「おむすび山」というのがありますが、あの商品を常日ごろから「おにぎり山」と呼んでいた人が、(関東生まれの自分の)身近に2人はいました(ミルフォードさん)

小倉のいとこが「にりりめし」と叫んだのはこれで納得がいく。千葉県内に大きさ説が存在するようだが、千葉在住の方いかが?

デスクはしらふのときに食べるのが「おむすび」で、飲んだ後に食べるのが「おにぎり」なんて分類してない? 大丈夫?

デスクふーむ どんなに酔ってもおむすびとおいなりさんは区別できると思う。

奈良ではこんなおにぎりが人気。

ご意見 関西では概ねおにぎりという呼び方をしますね。皆さんは遠足とか弁当で野外系で美味しいという感想をお持ちだと思いますが、私は違います。
 子ども時代の夏のクソ暑いときには、断然食欲が急降下するのですね。ところがどういうわけか塩味のきいた具なしのおにぎりは不思議と美味しく食べられました(奈良のヤマさん)
ご意見 私が一番好きなのは「何もいれないもの」なんです。要するに塩味のきいたごはんで海苔巻いて…っていうシンプルなのが一番好きですね。
 コンビニのおにぎりには、そういうものはないのですけど、どこかつくってくれませんかねー(明渡@奈良県さん)

偶然だろうが、ともに塩むすび賛歌である。おっと、塩にぎりか。

(特任編集委員 野瀬泰申)

[本稿は2000年11月から2010年3月まで掲載した「食べ物 新日本奇行」を基にしています]

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