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蒸気で米をしっかり炊く バルミューダ、炊飯器に新風

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日経トレンディネット

2015年6月に「バルミューダ ザ・トースター」を発売して調理家電市場に参入したバルミューダ。2017年2月下旬に発売する3合炊きの電気炊飯器「バルミューダ ザ・ゴハン」(直販価格4万1500円)を引っさげ、いよいよ調理家電の"本丸"の一つである炊飯器市場に乗り込んだ。

発表会に登壇した寺尾玄社長は、「秋に発売したかったが、開発チームが紆余曲折して結局18カ月かかった」と語る。

「ザ・トースターでパンがおいしくなるなら、ご飯もおいしくなるべきだろうと考えた。それまで私は土鍋で炊飯していたが、最大の弱点は一番いいタイミングにコンロを1つ専有してしまうことだ。そこでわれわれのミッションは、もっと便利においしいご飯を食べたい、土鍋よりおいしいご飯を実現することだった」(寺尾社長)

バルミューダが着目したのは「内釜の材質」や「火の通し方」ではなく、「炊飯方式そのもの」だった。

かまど炊きの羽釜や土鍋はなぜおいしいのか。電気炊飯器と何が違うのか。電気炊飯器のメーカーはたくさんあるが、これまでに銅や土鍋、南部鉄器、炭釜などといった釜の材質や厚み、形状などに注目するメーカーが多かった。また、いかに内釜の中で対流を起こすか、お米を"踊らせる"か。かまど炊飯をいかに再現するかということに着目しているメーカーも多い。

「羽釜や土鍋は、どちらも炎の力で炊かれている。例えばガスの火に比べて電力は約3分の1のエネルギーしかない。これは大人と子どもくらいの違いがある。非力な電力で土鍋と同じ材料を使っても同じように炊けるのか。エネルギーの使い方に着目し、それを変えなければいけないのではないかと考えた。非力な電力で土鍋を超えようというわけなのだから、数々の試行錯誤をした。その結果、唯一この方式が土鍋と同じ、もしくは超えるものと考えている」(寺尾社長)

バルミューダが最終的にたどり着いたのが、「蒸気炊飯」だった。外釜と内釜の2つに分かれており、外釜には水約200ml、内釜には通常の炊飯器の場合と同じようにお米と水をセットする。炊飯器で外釜を加熱して発生した水蒸気が内釜をつつみ込み、蒸気の力だけで炊飯するというものだ。

「蒸気は高い断熱性能があるため、重い釜ではなく薄い金属の釜だけでいい。ポイントは100℃を超えないこと。無理なく熱を加えるので、深くて自然な味わい、ハリのある食感、べたつかなくて、抜けるような香りを実現する」(寺尾社長)

3合炊きで炊飯時間は1時間前後、保温機能はなし

では、デザインや使い勝手について見ていこう。ザ・ゴハンはブラックとホワイトのカラーバリエーションをラインアップしており、どちらもシルバーとのツートンカラーとなっている。ディスプレイやボタン類はすべて天面に配置されており、前方から見るととてもシンプルなデザインだ。どんなキッチンでも違和感なく溶け込みそうなフォルムとカラーリングではあるものの、存在感は十分に感じられる。

写真では大きく見えるが、3合炊きということもあって、実際に見ると思いのほかコンパクトだ。サイズは幅275×奥行き251×高さ194mmで、重さは約4kg。ザ・トースターが幅357×奥行き321×高さ209mmで重さは約4.3kgだから、ザ・トースターよりも軽量でコンパクトに仕上がっている。

基本的な使い方は「炊き方」ボタンを押して炊飯モードを選択し、炊飯ボタンを押すだけ。炊飯モードは白米、白米早炊き、玄米、炊き込みご飯、おかゆの5モードを搭載している。炊飯時間の目安は以下の通りだ。

もちろん、時刻を合わせて炊飯する予約炊飯機能も搭載している。しかし、最近の大手メーカーの炊飯器のトレンドになっている米種や味、食べ方別等の炊き分け機能は搭載しておらず、内釜に入れる水の量の増減によって軟らかめ、硬めを調節するようになっている。外釜に入れる水の量は200mlで、炊飯容量によって変えることはないとのことだ。

ちなみに、保温機能は搭載していない。「理由は簡単で、(保温すると)どうしても味が落ちるから」と寺尾社長は語る。保温機能はないが、ザ・ゴハンは内釜が宙に浮く魔法瓶のような構造なので、保温性は高いとのことだった。

硬めだがハリのある食感にインパクトあり

発表会後に実際に試食してみたが、かなりのインパクトがあった。それは、「硬めで粒感のある仕上がり」という感じ。最近主流の圧力IH炊飯器で炊いた「軟らかめでもちもちした仕上がり」とは対極にある印象だ。

第一印象は「硬い」だったが、単に硬いのではなく、パンパンにハリがあるという印象だ。一粒一粒がしっかりとお米の形をしていて"粒感"があり、口の中に入れるとホロリとほぐれていく。しかし、圧力IH炊飯器などで炊いたお米に比べて、甘みは少ないように感じた。

発表会では、寺尾社長が好きだという、ノリの上にご飯とバターをのせ、しょうゆを少し垂らす食べ方を試してみた。これは想像通りおいしく味わえた。また、粒がしっかりしているので、卵かけご飯にするとパラッとほぐれる。これは圧力IH炊飯器で炊いた軟らかめのご飯とは大きく異なる特徴だろう。発表会のプレゼンテーションで寺尾社長も、「卵かけご飯のときに特別な食感を味わえるので、楽しみにしていてください」と話していた。

「表面はハリがあって硬いと感じるかもしれませんが、中はふっくらしていて、べたつかないほぐれの良さがあります。これはチャーハンでも手巻きずしでも、カレーライスでも大事です」(寺尾社長)

ご飯のハリの良さは、冷たいおにぎりでこそ発揮されるという。圧力IH炊飯器で炊いた場合はご飯同士がベタッとくっついてしまうことが多いが、ザ・ゴハンで炊いたご飯は硬めに握っていても、口に入れるとパラッとほぐれるのを感じた。

"ポスト圧力IH"の旗手となるか!?

2006年に三菱電機が「本炭釜」を発売してから高級炊飯器ブームが始まり、今は一つのジャンルとして確立しているが、ここ数年の大きな流れとして「圧力IHの圧倒的優位」があった。各メーカーは最上位モデルにこぞって圧力IH方式を採用しており、タイガー魔法瓶が2012年に土鍋釜として初めて圧力IH方式を採用した「THE 炊きたて」を発売してから、三菱電機以外の大手炊飯器メーカーはほぼすべて"圧力IH派"となった。

そんななか、2016年12月に愛知ドビーが人気の鋳物ホーロー鍋「バーミキュラ」と専用IHヒーターを組み合わせた「バーミキュラ ライスポット」を発売。さらにはバルミューダが今回のザ・ゴハンを発売したことで、筆者は新たな潮流が生まれそうな予感がしている。つまり"ポスト圧力IH"という流れだ。

三菱電機は2006年の本炭釜シリーズ発売から一貫して非・圧力IH方式を採用し続けている。その理由はシンプルに「圧力をかけないほうがおいしい」というものだが、昔ながらのかまど炊きでも圧力をかけていないことも後押しとなっている。2015年に発売した「本炭釜 KAMADO」からは日本食の大きな特徴である「口中調味」(おかずとご飯を一緒に口の中に入れて味わうこと)に着目し、粒感とハリのある非・圧力IH炊飯器こそが日本の食事に合っているとアピールしている。

さらに、三菱電機の「本炭釜 KAMADO」はかまど炊きのメカニズムを電気炊飯器で再現することを目指したモデルだが、バーミキュラ ライスポットも同様にかまど炊きに近い火の通り方と内釜内のスムーズな対流の実現を目指して作られている。バルミューダのザ・ゴハンは炊飯方式こそ従来の「煮炊き」と違う「蒸気炊き」だが、実現しているご飯の味の方向性はこれらの非・圧力IH方式に近いといえる。ただし、そのなかでも最も硬めの仕上がりで、圧力IH方式の対極にある味だと筆者は感じた。

最近の傾向としては、多くの消費者が圧力IH方式で炊いたような軟らかくてもちもちした味を好むと聞いたことがある。しかし土鍋などで炊いたような硬めでしっかりした歯応えのご飯を好む人も少なくないだろう。これは、そういう人にとても合う炊飯器ではないだろうか。

ただし、難点は「3合炊き」ということ。筆者のように3人家族だと3合炊きでも十分だが、4人家族や5人家族だと足りない場合もあるだろう。これについて寺尾社長は「3合より大きいサイズではまだ成功していない。(3合より大きいサイズでも)成功させるべくがんばっている」と話していた。しっかりした歯ごたえのご飯が好みで容量的にも十分という人にはお薦めだが、より大きいサイズがほしいという人は大容量モデルの登場に期待したいところだ。

(IT・家電ジャーナリスト 安蔵靖志)

[日経トレンディネット 2017年1月18日付の記事を再構成]

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