新生活におすすめの最新家電を紹介していく本企画。第2回は“朝食はパン”という人の必需品でもあるトースターを紹介する。特にこれから1人暮らしを始める人に勧めたいのが、最近話題の高性能トースター。一般的なトースターに比べると価格は高いが、「朝食はパン」という人にとっては検討する価値はある。
毎朝食べるからこそ、おいしく焼けるトースターを
新生活でそろえたい調理家電はいろいろあるが、ぜひ用意したいのがトースターだ。コンパクトで置き場所を取らない上に、操作は簡単。しかもトーストからピザやグラタン、ちょっとした焼き物の調理まで、幅広い使い方ができるのだ。
確かに最近の高機能オーブンレンジはトースターやオーブンとしても使うことができる。しかし、もし1人暮らしの人がオーブンレンジ系で何を買うか迷っているなら、あえて高級オーブントースター1台と、単機能電子レンジ1台という組み合わせをおすすめしたい。どちらも難しい操作が必要なく、料理が苦手な人でも使いこなしやすいからだ。しかも高級トースターがあれば、毎日おいしいトーストを食べてから職場へ向かうことができる。
では、ここでいう高級トースターとはどのようなものだろう。その代表格がバルミューダの「バルミューダ ザ・トースター」だ。2015年6月に登場するや、たちまち多くの人がその焼き上がりに驚き、2万円以上という価格にもかかわらず大ヒット。発売から1年あまりで、販売台数が15万台を超えたという。
これをきっかけに高級トースターの市場は活性化。各メーカーが独自の視点で“おいしいトースト”が焼けるトースターの開発に注力し、熱い注目を集めている。
確かにトースターとしては高いが、よく考えてみてほしい。高級と言っても、2万円台は生活家電のなかでは安い部類。それでいて、毎日食べるトーストの味わいが変わるなら、高い買い物ではないはずだ。
今回は、トーストがおいしく焼けるのは大前提として、それ以外にも1人暮らしに役に立つ機能を備えた最新トースターを紹介する。機能を理解した上で、自分のライフスタイルに合った1台を選んでほしい。
●シロカ「ハイブリッドオーブントースター ST-G111」/瞬間発熱ヒーターが外サクッ、中モチッを実現
2016年12月に登場したシロカの「ハイブリッドオーブントースター ST-G111」は、わずか0.2秒で立ち上がる放射熱(瞬間発熱ヒーター)と対流熱(コンベクション)を組み合わせた“ハイブリッド”な加熱方式を採用。一般的なトースターよりスピーディーにパンの表面を焼き、水分を内側に閉じ込めたうえで、コンベクションがムラなく中まで温めるので、表面はサクッと、中はもちもちの食感のトーストができあがる。
食パンにベーコンと生卵を乗せて焼いたベーコンエッグトースト、ハムとチーズをパンに挟んで焼くハムチーズサンド、トーストとおかずの同時調理など、さまざまな朝食メニューがおいしく手軽に作れるのも、2種類の加熱方式を採用した“ハイブリッド”ならでは。表面をカリッと焼きつつ、中まで温められるため、油で揚げない唐揚げなどのノンフライ料理もおいしく作れる。朝食だけでなく、毎日の食事づくりに幅広く活躍するはずだ。
サイズは幅35×奥行き36.2×高さ22.9cmとコンパクトながら、庫内はゆったりして、食パンは一度に4枚まで、ピザは最大10インチ(約25cm)まで焼けるのも使いやすい。
シャープ「ヘルシオグリエ AX-H1」/水の力で出来たての味を再現
高機能オーブンレンジに搭載されることが多い過熱水蒸気を熱源とした、トースターサイズのオーブン。「過熱水蒸気」とは水蒸気をさらに加熱した100℃を超える気体で、熱量が非常に高いという特徴がある。そのためヒーターを使わなくても、食品を温めることができる。
この過熱水蒸気の性質として、温度の低い部分に集中的に熱を送るというものがある。例えば冷凍食品と常温の食品を同時に温める場合、過熱水蒸気はまず温度の低い冷凍食品を温め、常温の食品と同じ温度になったところで常温の食品も温め始める。つまり、一般的なオーブンレンジでは加熱ムラが起こりやすい、温度帯の違う食品の同時温めが可能なのだ。
使い方はユニークで、水を入れた水タンクをセットすると電源が入る。トーストはもちろん、トースターで焼くのが難しいといわれるクロワッサンも、表面はサクッと、中はしっとり、焼きたてパンのような食感になる。またトーストと目玉焼き、ベーコンなど複数の食材を同時に調理できるため、モーニングセットも一度に完成する。
料理の温め直しも得意技だ。買ってきた天ぷらなどの揚げ物は、電子レンジで温めると衣がしんなりしてしまうし、普通のトースターで焼くと表面はパリッとしても中まで温まり切らないことが多い。ヘルシオグリエで加熱すると、衣をカリッと、中もアツアツと、揚げたての味を再現してくれる。夕食で買ってきた総菜をおいしく食べたいという人にもオススメだ。
●小泉成器「スモークトースター KCG-1201/N」/スモーク料理も作れる多機能トースター
上下ヒーターの熱をファンが循環させるコンベクション機能で、庫内温度をすばやく高め、トーストをカリッとふっくら焼き上げる。トーストをはじめ、魚・肉料理、ノンフライ料理やお菓子など、自動調理機能は20種類。様々な調理がボタン一つで手軽にできるのも便利だ。
特筆すべきは、薫製料理が作れること。チーズや煮卵、豚バラなどの薫製が自宅で作れるため、ちょっとしたおつまみがほしいとき、来客にごちそうを振る舞いたいときなどにも活躍する。気になるニオイと煙は、独自の脱臭・脱煙機能が抑えてくれる。
●バルミューダ「バルミューダ ザ・トースター」/5ccの水がパンのうまみを閉じ込める
最初に5ccの水を入れて庫内にスチームが充満させることで、パンの表面に水の層を作って軽く焼きつつ、水分やバターなどの油脂、香りを中に閉じ込める仕組み。パンを焼くためのモードは「トースト」「チーズトースト」「フランスパン」「クロワッサン」と4つあり、それぞれに適した温度制御で、絶妙に焼き上げる。
さらに「クラシック」モードを使えば、従来と同じトースターとしてグラタンやクッキーなどのオーブン調理も可能。出力は300W、600W、1300Wから選べ、時間も自由に設定できる。
このモデルの大きなポイントは、そのデザインだろう。モダンクラシックをテーマに、古くからある窯やヨーロッパの街並みから着想を得たという。キッチンスペースが見えるワンルームなどでは、この1台があるだけで、部屋の雰囲気が変わる。
それぞれの高級トースター、こんな人にオススメ
以上、最近話題の高級トースターの特徴を紹介してきた。基本的には、いずれもトーストをおいしく焼けるというのが大前提だが、プラスアルファの機能を加味して、どのトースターがどのような人におすすめか、まとめてみたい。
一気に加熱する瞬間発熱ヒーターと、庫内に熱対流を起こすコンベクション搭載で、オーブンとしての機能にもこだわりたい人に。
買ってきた総菜を出来たての味にして楽しみたい人、過熱水蒸気の脱油作用を生かし、ヘルシー調理をしたい人に。
20の自動メニュー搭載で、簡単な設定で様々な料理を作りたい人、薫製料理にも挑戦したい人に。
デザインにこだわる人、4種類のパンに合わせた焼き加減を楽しみたい人に。
前編 新生活は冷蔵庫もインテリアに デザイン重視型が続々
中編 1人暮らしなら、まず高性能トースター お薦め4選
後編 一人暮らしなら出しっ放しで 魅せるスティック掃除機
(家電ライター 田中真紀子)