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スマホで「クラウド通訳」 店舗スタッフ、接客に利用 ケイ・オプティコムなど有償サービス開始

2017/2/14 日経産業新聞

新サービスでは顔を見ながら通訳者と話ができる

 関西電力の通信子会社ケイ・オプティコム(大阪市)はスマートフォン(スマホ)を活用したクラウド通訳サービスの有償試行を北海道で始めた。スマホ画面で対面しながらテレビ電話形式で話せる。東京五輪・パラリンピックでは訪日外国人の増加が予想される。飲食店や土産物店での外国人への接客に活用できそうだ。

 業務請負のうるるBPO(東京・中央)とウェブアプリ開発のフェイスピア(東京・港)の2社と共同で事業化した。店舗に専用のスマホを貸し出し、店員が訪日外国人の接客中に利用する。スマホに専用アプリをインストールし、英語、中国語、韓国語から言語を選べば遠隔の通訳者にテレビ電話がつながる。外国人客の疑問や要望などに的確に答えられるため、購買や満足度の向上につながりやすいという。

 訪日観光客が多い札幌市の「パルコ札幌」で始め、その後、全国に広げる考え。翻訳サービスの対応時間帯は午前9時から午後9時まで。専用スマホ10台分の初期費用は1万円、端末レンタル費用を1台で月1000円に設定。テレビ電話の時間が月60分のプランは1台につき月額5000円、使い放題のプランは同1万2000円だ。ケイ・オプティコムの橘俊郎・取締役事業開発推進室長は「他社サービスに比べて割安」と説明する。

現在は英中韓の3カ国語だが、今後は対応言語を増やす予定だ

 テレビ電話での通訳は表情やしぐさも伝わり、短時間で多くの情報をやりとりできる。文字情報を打ち込んで伝えたり、画面の上に指で線などを描いたりできるようにもした。発音が聞き取りにくい固有名詞を文字で正確に伝えられるほか、地図に線を書き込んで目的地までの道順を分かりやすく案内できる。

 サービス利用時のインターネット回線は無線LANを推奨しているが、回線が遅い携帯電話の通信でも動画のコマ数を減らすなどして通信量を削減し、問題なく使えるようにした。ケイ・オプティコムだけでなく他社の回線も利用可能だ。

 通訳者は在宅で作業可能で、パソコンやスマホを使って仕事ができる仕組みを構築した。外国語で会話できる能力を持つが現在は仕事をしていない主婦などに活躍の機会を提供する。「雇用機会の創出にもつながる」(橘室長)という。

 2016年の訪日外国人数は2400万人を超え過去最高を更新した。飲食店や交通機関、物産店などで外国語の接客が求められている。新サービスを活用すれば店舗スタッフの能力や退勤の状況によらず、常に質の高い接客が可能になる。ケイ・オプティコムによると、16年4月に行った小規模な実証実験では、土産物などについて外国人に対する詳細な説明が必要になるケースが多く、物産店でニーズが高かったという。

 パルコ札幌では百貨店のインフォメーション窓口での案内に活用するほか、様々な専門店などでも使い勝手を確かめる。ケイ・オプティコムは新サービスを使った顧客と店員のやりとりなどの情報を収集し、サービス改善などに役立てる計画。今後はタイ語など訪日客の多い他言語への対応も目指す。アプリに通訳者の評価システムを実装しており、サービスの開始後は通訳者の質や専門性を高める。

(岩井淳哉)

[日経産業新聞2017年1月23日付]

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