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大富豪が実践しているお金の哲学

お金持ちの家は「近・会社」 時間と人脈を絶対視

日経マネー

2017/2/28

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大富豪と呼ばれる人たちがいる。多額の富を保有する彼らのお金に対する考え方は、いったいどのようなものだろうか。かつて金融資産10億円を超える大手顧客を対象とした野村証券のプライベートバンク部門で辣腕をふるったZUU社長兼CEO(最高経営責任者)の冨田和成氏が、大富豪が実践する「お金の哲学」を解説する。

毎月の固定費として最も大きな支出になりやすい自宅について、大富豪はどのような考え方を持っているのでしょうか。

私の現在の交友関係は30代や40代の経営者が中心になるのですが、みんなそろいもそろって自分の会社の近くに住んでいます。

保有する会社の株の価値だけで何十億円もの資産を持っているのにママチャリで通勤する社長もいますし、オフィスが入っているビルの別フロアに住居を構える「徒歩0分」の猛者もいます。

そういった社長たちに起業する前の住居を聞いてみると、やはりというべきか、勤めていた会社の近くで、ボロボロのアパートや極小のワンルームに住んでいたという人の割合が異様に高いのです。

■通勤時間を減らせば働き方が変わる

なぜ住環境を犠牲にしてでも会社の近くに住むのか。それは、通勤時間ほど無駄なものはないと思っているからです。終電を気にせず働けますし、ラッシュでクタクタになることもありません。都会に住んでいれば人付き合いも活発になります。

20代であればまだまだ修業の身。そこで大きな成長を遂げる人は、徹底して修業に集中できる環境を求めようとします。毎日、長時間電車に揺られている若い方がいたら、試しに会社の近くの物件を検索してみてはどうでしょうか。「この値段で、こんな都会に!?」と思える物件が意外と多いことに驚くと思います。

できればその時、そこに引っ越したと仮定して生活がどう変わるか現状と比較してみましょう。比較する尺度は、「いかに仕事のパフォーマンスが上がるか」、そして「自己研鑽(けんさん)のチャンスが増えるか」です。収入は後から付いてくるものなので、今は考えなくても構いません。

また、自宅選びといえば「賃貸か分譲か」は常に論争の的になります。若い経営者のほとんどは賃貸です。今後、家族が増える可能性もありますし、いつ海外にビジネス拠点を移すかも分かりません。将来が不確定なら賃貸を選ぶ方が合理的といえます。

第一、マイホーム派の主張としてよく聞く「ローンを払った方が将来資産になるので得だ」という意見はあまり正確ではありません。35年ローンで郊外に木造一戸建てを買ったとしても、ローンを完済した時の建物の資産価値はほぼゼロです。半額でも4分の1でもなく、ほぼゼロです。

となると実際の価値は土地代になるわけですが、地方に限っていえば今後空き家が増える可能性が高いわけですから、地価が大きく上がるケースは考えづらいといえるのではないでしょうか。

このように、もし家を買うのであれば、実際にそれを処分する時のことまで念頭に置く必要があります。

冨田和成(とみた・かずまさ)
ZUU社長兼CEO。一橋大学在学中にIT分野で起業。卒業後、野村証券プライベートバンク部門で活躍。退職後にZUUを設立し、国内最大規模の金融ポータルメディアZUU onlineなどフィンテック分野で事業を展開中。

[日経マネー2017年3月号の記事を再構成]

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著者 :日経マネー編集部
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