執事ロボ、新型iPhone…先端ギア、17年に狙うべきは?

日経トレンディ

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任天堂の次世代ゲーム機から、「執事」になる家庭用ロボット、新型iPhoneまで、2017年は先端ギアが目白押し。いつ、何を「狙う」のがいいだろうか。

家庭用ロボットが浸透へ

一家に1台へ――。17年は、クラウドと連係して自然にコミュニケーションが取れたり、話しかけるだけで家電を操れたりする、実用度の高いロボットが続々発売。家庭に浸透し始める。

トヨタ自動車の「KIROBO mini」

先頭を切るのが、トヨタ自動車が今冬に投入する「KIROBO mini」。カメラで人の表情を認識し、感情を推定しながら自然な会話や動作を行う。価格は税別3万9800円と手に取りやすく、スマホアプリの月額使用料も300円程度に収まる見込みで、身近な相棒として人気が出そうだ。

続いて夏頃には、北九州市のベンチャー企業、ドーナツ・ロボティクスが開発した「シナモン」が発売される。ヘルスケア機能を備えるのが画期的で、通信機能付きの血圧計などで測ったデータを蓄積して管理できるのに加え、医師が遠隔で診療(電話再診)するサービスの提供も予定している。

さらに、音や動きを感知して利用者に知らせる防犯カメラ機能や、簡単な会話機能も搭載。声で家電を操作したり、子供の学習ゲームができたりといった機能も順次提供される予定だ。一般価格は12万5000円(税込み)で、月額使用料は2980円(同)かかるが、“芸達者”なオールインワンロボットとして利便性は高い。さらに、17年度前半には家電の操作に特化した“執事ロボット”「ホームアシスタント」をシャープが発売する。声で指示すれば、クラウドにつながったIoT機器の他、赤外線で一般的な家電も操れる。

iPhoneは7sではなく8?

デジカメ市場では、360度カメラが大きく伸びそう。VR(仮想現実)ゴーグルが一般化しつつあり、360度映像を撮るユーザーの裾野が広がっているためだ。GoProやソニーモバイルなど、複数のメーカーが開発を進めている。「360度カメラのハードウエアは安価になりつつあり、格安メーカーも参入しやすくなる」とBCNの道越一郎氏は指摘。低価格化が進む可能性もある。

スマホ最大のトピックは、9月に発表が見込まれるアップルの新型iPhoneだ。16年の「7」に続き、本来ならマイナーチェンジの年だが、初代から10年の節目だけあって「大きな変化が期待できる」(ケータイジャーナリストの石野純也氏)。商品名も「7s」を飛ばし、「8」になると関係者はみる。

実装が予想されるのが、有機ELディスプレイだ。「3年間もデザインが変わっていないのは異例」と石野氏が語るように、カーブ有機ELディスプレイを使った独創的な形になるとの見方が多い。防水性を高めるため、ワイヤレス充電に対応するとの声もある。

Tangoは複数のカメラで空間をマッピング

一方、アンドロイドスマホも進化する。AR(拡張現実)への対応だ。グーグルがAR技術「Tango」を開発し、16年12月に初の対応スマホ「Lenovo Phab 2 Pro」(レノボ・ジャパン)が発売された。通常のカメラに加え、広角カメラと赤外線深度カメラで空間を認識し、画面上の実写にCGを重ねられる。当面はレノボが独占的に販売するが、エイスースも第2四半期にZenFone ARの出荷を開始。夏頃には対応端末が増えそうだ。

利用者が増えている格安SIMでは、「フルMVNO」に注目。従来MVNOは大手キャリアからSIMを借りて展開していたが、IIJはNTTドコモと連携し、自社発行が可能になった。遠隔で情報を書き換えられる組み込み型SIM「eSIM」なども展開する見込みで、対応端末なら海外に行った際に現地の格安キャリアを使いやすくなるといった利点がある。小型化が容易で、ウエアラブル機器や家電に搭載しやすいのも特徴。17年度下期、まずは法人向けサービスを提供するという。

1月登場

◎デジタル家電:FOVE出荷開始

視線追跡機能を備えた画期的なVRゴーグル。パソコンにつないでゲームなどが楽しめる。初号機の「FOVE 0」は、1月以降に出荷が開始される予定。

◎スマホ・通信:CES 2017開幕

米国で開催される技術展で、最新のロボットやAI、IoT機器などが多数発表された。

◎白物家電:LG Styler(LGエレクトロニクス)

スチームで衣類のシワやにおいを取る新機軸の家電をLGが開発。二子玉川 蔦屋家電では、17年1月25日に販売をスタートした。

2月登場

◎白物家電:バルミューダが炊飯器投入

トースターが大ヒットしたバルミューダが、炊飯器市場に参入。“蒸気で炊く”という独自のコンセプトで大手に挑む。3万~5万円程度と、比較的買いやすい価格になる見通しで、ヒットは確実だ。

◎スマホ・通信:MWC 2017開幕

曲がるスマホ

世界最大の通信機器見本市。各社が新製品を発表する。サムスン電子は曲がる有機ELディスプレーを使った新型「Galaxy」を発表する可能性も(写真は“曲がるスマホ”のコンセプト)。

今冬登場

◎デジタル家電:KIROBO mini(トヨタ自動車)

人の表情を認識し、相手の感情を推定しながら会話をするロボット。今冬には、東京都と愛知県の一部販売店で先行発売される予定。

3月頃登場

◎デジタル家電:AirSelfie出荷開始

米国のクラウドファンディングサイトで人気となった超小型の自撮りドローン。3月頃には出荷が始まる見込み。その後、一般販売される可能性も高い。

春頃登場

◎デジタル家電:BLINCAM(Blincam)

メガネに付けて使う小型カメラで、ウインクを検知して手ぶらでシャッターが切れるのが画期的。17年春頃には一般販売が開始される予定。

◎白物家電:パワーウォール2(テスラ)

テスラの最新型家庭用蓄電池で、コストパフォーマンスの高さが特徴。春頃には設置工事が始まる。屋根タイル一体型の太陽光パネルも開発。

夏頃登場

◎デジタル家電:シナモン(ドーナツ・ロボティクス)

見守りやヘルスケアの機能が特徴の家庭用ロボット。医師との遠隔診療などにも対応する予定。

◎スマホ・通信:NB-IoT商用化へ

ソフトバンクがIoT機器向けの通信技術「NB-IoT」のネットワークを構築する計画。速度は遅いが、消費電力が少なく、機器に組み込みやすい。

◎スマホ・通信:Tangoスマホが多数登場か

夏以降、GoogleのAR技術「Tango」に対応したスマホが複数登場する可能性が高い。ARを活用したゲームの他、家具の配置を自在にシミュレーションできるアプリなど、対応コンテンツも増えそうだ

9月登場

◎スマホ・通信:iPhone 8発売か

誕生から10年の節目に当たる17年は、大規模なリニューアルが敢行されるとみられる。有機ELを採用し、デザインを刷新。ワイヤレス充電に対応する可能性も高い。

年度前半登場

◎ホームアシスタント(シャープ)

声で家電を操作できるIoT機器。AIを活用したクラウドと連係する。シャープ製のIoT家電に加え、赤外線で一般的な家電の操作にも対応予定。

冬頃登場

◎白物家電:ヘルスサーバー(ドリコス)一般販売へ

健康状態に合わせたサプリを自動調合する新機軸の家電をベンチャーが開発。初夏からオフィスなどへの導入が始まり、冬頃には一般販売も始まる見込み。

年度内登場

◎白物家電:ランドロイド・ワン(セブン・ドリーマーズ・ラボラトリーズ)出荷開始

画像解析やAIの技術を活用する、世界初の全自動衣類折りたたみ機。3月から予約が開始され、17年度中には出荷が始まる見込みだ。

未定

◎スマホ・通信:WiKo日本参入か

フランスなどで人気の端末メーカーが、日本参入を計画中。比較的安価ながらデザイン性が高く、上陸すれば格安SIMユーザーに受けそうだ。

◎スマホ・通信:IIJが「フルMVNO」サービス開始

書き換え可能なSIMを端末に組み込むようになれば、キャリアを替える際などにSIMを差し替える手間がかからなくなる。情報は遠隔で更新が可能に

IIJはNTTドコモと連携し、国内のMVNOとしては初めて自社でSIMを発行できるようになる。リモートで内容を書き換えられるSIMを活用し、複数のキャリアを手軽に切り替えられるサービスなどが想定される。IoT機器や家電へのSIMの組み込みなどが進む可能性もある。サービス開始は17年度下期以降。

◎デジタル家電:360度カメラがブームに

16年10月には、ニコンが全天球アクションカメラを発売。市場が活性化している

VR向けコンテンツとして、360度映像に注目が集まる。GoProやソニーモバイルなど、多数の企業が全天球、もしくは半天球を撮れるカメラを開発中。17年内には複数の機種が登場しそうだ。

(日経トレンディ編集部)

[日経トレンディ2017年2月号の記事を再構成]

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