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日本初!温泉ビオホテルで堪能 「本物」の名湯と美食

温泉ビューティ研究家・トラベルジャーナリスト 石井宏子

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NIKKEI STYLE

寒くなると温泉のぬくもりが恋しくなってくる。ちょっと疲れたとき、がんばってプロジェクトを達成したとき、自分を癒やしたいとき、ふと温泉に入りたくなる。せっかくならばいい湯につかりたい。

年間200日、日本・世界の温泉を旅する筆者が「本物の温泉」に触れながら、美と健康のパワーをチャージする旅を紹介する。第1回は、温泉宿としては日本初の「ビオホテル」認証を受けた「おとぎの宿 米屋(よねや)」。

温泉を楽しむためのこだわりが随所に

福島県にある須賀川温泉「おとぎの宿 米屋」は一軒宿だ。田園風景が広がる宿のまわりは、おいしい米として名高い「稲田米」の産地として発展してきた。「米屋」という宿の名前も、主人が米を扱う食料品店を営んでいたことに由来している。地域の人が癒やされる場所を作ろうと、小高い森の敷地に温泉を掘り、宿泊と日帰り入浴施設を創業したのが始まり。

それを引き継いだ現在の宿主・有馬夫妻は、もっとゆっくりくつろげる、もっとおいしいものを、という思いを一つひとつ実現し、全室専用温泉付きの部屋に泊まって美食を楽しめる宿へと進化させた。全館の温泉はすべて「自家源泉かけ流し」と、なんともぜいたく。23室の客室はそれぞれに専用の温泉があり、滞在中ずっと温泉が注がれている。広い内湯と個性の違う露天風呂を備えた大浴場も2つある。

「花」は、季節の花や森の緑を眺めて入る露天風呂。源泉の新鮮さを楽しんでほしいというこだわりから、湯船の下から源泉を注ぎ空気に触れさせずに浴槽を満たすという構造になっている。これは2つのうれしい現象を生んだ。1つはこの温泉の最大の特徴である「とろんとろん」の感触が、より確かに体感できること。もう1つは湯を下から注いでいるため湯の表面が水鏡となり、木々の緑を映しこんで大変美しい情景を作り出したこと。

「月」は、棚田を思わせる造り。岩風呂とヒバ風呂があり、湯船から夜空を見上げて月や星を楽しめる。内湯の「大湯」は1.8メートルもの大きな湯口から滝のように温泉が注がれている。湯船の一部は浅く、温泉の流れる水音を聴きながら半身浴や寝湯として利用できる。「小湯」はやや熱め。仕上げ湯としてさっと入るのにぴったりだ。

「源泉100%ミストサウナ」も特徴的。壁一面を流れ落ちた源泉が床に滔々(とうとう)とあふれている。天井からも源泉のミストが降り注ぎ、頭のてっぺんから足の爪先まで"温泉だらけ"。とろとろの美容液のような温泉を全身に浴びることができるのだ。

なぜ「自家源泉かけ流し」はありがたいのか?

温泉の泉質はアルカリ性単純温泉。主成分は炭酸水素ナトリウムや塩化ナトリウムで、肌の汚れや古い角質を落とす美肌の湯。さらに体をぽかぽかと温めてくれる効果がある。ほんのりと森の香りがするのは、地中に含まれる植物成分が温泉にも溶け込んでいるためだ。

そもそも温泉は、生きている地球の中の水である。そして、その土地の地層の成分を溶け込ませて、地球の熱で温められて湧出している。温泉に入るのは、その日、その土地でしか出合えない一期一会の地球の水に触れるということだ。だからこそ、その場所へ旅をして入る意味がある。

自家源泉は、文字通りその宿が所有する源泉。須賀川温泉は一軒宿なので、ここでしか入れない唯一無二の温泉である。源泉温度は51度。夏場に湯をためるときには加水するが、それ以外は源泉をほぼそのままかけ流しで利用できる。毎分550リットルという湯量に見合った使い方をしているので、全館の浴槽をすべてかけ流しで注ぐことができる。

手を加えることなく注がれた温泉の恵みをよりよい状態で享受するコツは、「かけ湯」をたっぷりすること。体をきれいにするマナーというだけでなく、これから入る湯船の温泉に体と肌を慣らす大切なウオーミングアップでもある。足先から膝、腰、おなか、肩へと順番に、たっぷりかけ湯をしてから入浴しよう。

温泉旅館として日本初! 「ビオホテル」認証を取得

「おとぎの宿 米屋」は、2016年に温泉旅館として日本初の「ビオホテル」認証を取得した。もとから自然素材を使ったナチュラルな内装で、有機野菜などを利用したこだわりの食事を出す宿だったのだが、ビオホテル認証を取ろうという決断に至ったのは、2011年3月の東日本大震災の影響からだという。

福島県という地にあって、どれだけ安心・安全な食材にこだわった料理を提供しても、なかなかそれを伝えるのは難しい。食材の仕入れにこだわっているうちに、無農薬というだけでなく肥料も使わず土にこだわった自然農法で米や野菜を作る農家に出会い、おいしくて体にもよいものが大好きな有馬夫妻はその魅力に引き込まれた。

そうなると、野菜や米だけでなく肉や魚や卵も気になる。宿泊するゲストが直接肌に触れるシャンプーやせっけん、タオルなどへと、その思いはどんどん広がっていった。地球の恵みである温泉をもっと生かそうと、使った温泉水をエネルギーに変換して館内の給湯や冷暖房に利用。そんなことを積み上げていくうちに、「BIO HOTEL」(登録商標)の存在を知ることになった。

本格的にビオホテル認証を取得するには、越えなければいけないハードルがたくさんあった。ガイドラインに沿って、食材だけでなく調味料もすべて変えなければならず、それに合わせて料理チームは試行錯誤して米屋の味を構築しなおした。勉強をかねて自家農園も始めた。それでも、そうした苦労を「楽しくてしかたがない」と思わせてしまうパワーがこの宿にはあった。

大人がワクワク、ヘルシーな「BIOおとぎ会席」

名物の「BIOおとぎ会席」は季節ごとにメニューが一新する。「大人がワクワクする宿」を目指しているので、懐かしいおとぎ話がテーマになっていて物語を料理の皿で楽しむ趣向だ。2月末までは「冬のBIOおとぎ会席『かさ地蔵』」。

前菜から面白さとおいしさにやられてしまった。冬の寒空に並ぶお地蔵様を表現した一皿。近隣で自然栽培する作り手、手老(てろう)さんのつくね芋が蓮根(れんこん)チップの笠をかぶっている。海老ときのこのおろしあえ、山形産豚角煮と大根ソテー、手作りしょうゆこうじや天日湖塩でいただくブリやワカサギなど、どれも素材の味わいが引き立ちお酒も進んでしまう。

ビオの食材は、野菜は無農薬・無肥料栽培や有機栽培のもの、魚は天然物が中心で、養殖の場合はエサまで確認した上で仕入れる。肉も飼育環境やエサがビオ認証の基準を満たしたもの。調味料は天然由来で伝統的な製法と、この小さな料理の中にもこだわりが詰まっている。

「およねおばあちゃんのだんご鍋」は米屋の女将のおばあちゃんが作っていたすいとん鍋がルーツ。スープのだしは岩手産の短角牛と無農薬野菜、天然塩でとり、お地蔵さんに見立てたもちもちの米粉団子は、白い方にはぷりぷりの海老、石地蔵のような黒いごま団子にはジューシーな川俣シャモが入っている。

この宿の魅力は、あれこれと楽しんでいるうちに温泉養生になってしまうところにあると思う。源泉の鮮度にこだわったバリエーション豊かな湯船を巡り、血の巡りがよい状態で上質な食事をいただくと、さらに体の中がぽかぽかと温かくなる。私たちの体は自分が食べたものだけで作られていると考えると、食材の力は美と健康にとても大きい。美肌に大切な、ビタミン、ミネラル、酵素。元気な体を作るのに欠かせない、たんぱく質、食物繊維。活力の源である炭水化物。「BIOおとぎ会席」は、こうした栄養素を華やいだ気持ちでいただけるバランス食でもある。

おとぎの宿 米屋 http://e-yoneya.com/

石井宏子(いしい・ひろこ)
温泉ビューティ研究家、トラベルジャーナリスト
日本の温泉・世界の温泉や大自然を旅して写真撮影・執筆をする旅行作家。テレビにも出演。温泉・自然・食で美しくなる旅の研究家。海外ブランドのマーケティング・広報の経験から温泉地の企画や研修もサポート。日本温泉気候物理医学会会員、日本温泉科学会会員、日本旅のペンクラブ会員、気候療法士(ドイツ)。

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