超広角で一眼いらず? 異色スマホ「isai Beat」
スマートフォン(スマホ)では異例ともいえる超ワイドレンズを搭載したスゴい機種が登場した。LGエレクトロニクス・ジャパンの「isai Beat」は、なんと135度もの画角を持つ広角レンズを搭載するAndroidスマホ。デュアルカメラで標準レンズとサクサク切り替えられ、ストレスなく写真撮影ができるスリムなヤツであった。
アップルの「iPhone 7 Plus」をはじめ、2つのカメラを搭載するデュアルカメラのスマホが増えている。iPhone 7 Plusは、望遠レンズを使った背景ぼかし機能「被写界深度エフェクト」(ポートレートモード)が利用でき、ファーウェイ・ジャパンの「HUAWEI Mate 9」や「HUAWEI P9」はカラーセンサーとモノクロセンサーで味わいのある描写とぼかし機能を実現したのが特徴だ。
だが、この秋に登場したisai Beatのデュアルカメラはちょっと違う。メーンカメラは標準的な画角を持つF1.8レンズ(約1600万画素)だが、2つめのカメラは約135度もの画角を持つ広角レンズ(約800万画素)となっているのだ。
ワンタッチで切り替えられる広角撮影はかなり楽しい
この広角レンズがもたらす独特の描写がとても楽しい。大人数でのグループ写真はもちろん、狭い室内や空間をワンショットで写し込めるからである。確かに、標準~中望遠域で背景をぼかして撮る写真も楽しいが、ウエアラブルカメラ(アクションカム)のように超ワイドアングルでの撮影もかなり面白い。人によっては、こっちの方がしっくりくる場合もあるだろう。
撮影に使用するレンズは、スクリーン上のアイコンをタップするだけで気軽にポン!と切り替えられるので、瞬時のシャッターチャンスにも素早く対応できる。
広角レンズの描写は甘めだが、一眼いらずで済むのがうれしい
広角レンズの描写は、標準レンズで撮影したものよりは画質的に厳しい部分も散見される。だが、isai Beat上で鑑賞するのであれば、さほど不満は感じないだろう。何より、高価な広角レンズを装着したデジタル一眼を使わずに、薄くて軽いスマホだけでワイド感あふれる撮影が味わえるのは魅力だ。
写真家。iPhoneで独自の世界観を持つ写真を撮影している。2010年6月新宿epSITEで個展「iの記憶」を開催。同年10月にはスペインLa Panera Art Centerで開催された「iPhoneografia」に全世界のiPhonegrapherの中から6人のうちの1人として選ばれる。著書にはiPhoneで撮影した写真集「iPhonegrapher―写真を撮り、歩き続けるための80の言葉(雷鳥社)」、「iPhone フォトグラフィックメソッド(翔泳社)」がある。
[日経トレンディネット 2017年1月6日付の記事を再構成]
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