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セルフケアで所得控除 対象は市販薬1500品目 医療費控除の特例(中)

2017/1/24

パッケージに識別マークを入れる医薬品メーカーも出てきた

 仕事が忙しく病院に行く時間がとれないため、風邪や腹痛についてはドラッグストアで市販薬を購入して治すことが結構あります。今年から始まった特例では、どんな市販薬が対象になるのですか。店頭で見分ける方法はありますか。

 特例によると、対象となる市販薬の購入額が年間1万2000円を超えた場合、超えた分の金額(上限は8万8000円)について所得控除を受けられる。確定申告をすることで購入額の一部が戻ってくる。

 セルフメディケーション(自主服薬)税制と呼ばれる。医療機関でかかった分を含め、年間の医療費が原則10万円を超えたときに適用される従来の医療費控除の仕組みはそのまま残る。納税者はどちらか一方の税制を選ぶことが可能だ。

 特例で気になるのはどんな市販薬が対象になるのかだ。厚生労働省が定める成分を含んでいることが条件となる。もともと医師によって処方されていた薬を、ドラッグストアで一般に販売できるよう転用した製品(いわゆるスイッチOTC医薬品)が対象だ。

 品目数は1500を超える。その一部を表に示した。風邪薬なら例えば「パブロンS」、胃腸薬なら「ガスター10」があてはまる。鼻炎薬や肩こり・腰痛の貼付薬も多くの製品が対象だ。

 表以外では頭痛・生理痛薬で「バファリンEX」「ロキソニンS」「ナロンエース」などが該当。日ごろよく買う製品が含まれるという人も多いだろう。

 対象品は、厚生労働省のホームページにあるリストで確認できる。武田薬品工業など製薬各社もそれぞれ自社ホームページで対象品を掲載し始めている。

 店頭で対象品かどうかを確認する方法はないのだろうか。

「セルフメディケーション税控除対象」であることを示すマークを製品パッケージに印刷する

 製薬会社などでつくる日本一般用医薬品連合会(東京・千代田)は、加盟各社に対して、製品のパッケージに識別マーク()を印刷するよう促している。大正製薬は昨年12月から印刷済み製品の出荷を開始。同様の動きは今後、業界全体に広がりそうだ。

 販売する薬局やドラッグストアの間でも、新税制に対応する動きが始まっている。日本チェーンドラッグストア協会(横浜市)の加盟各社では、レシートの対象製品に星印などを付けて、消費者に告知する取り組みを始めつつある。

 今後は対象品をひとつのコーナーに集めて陳列したり、値段プレートに表示したりする店舗が出てくるかもしれない。ただし特例は今年から導入されたばかり。対象品かどうか不明なときは、薬剤師などに相談するのがよさそうだ。

 厚労省は対象品目のリストを2カ月に1回更新する予定だ。薬を買った時点で対象品になっていなくても、その後、厚労省が追加すれば特例の対象となる。

 今年買った分の薬で控除を受けるには来年、確定申告が必要。購入時のレシートなど領収書を保管しておく必要がある。手書きの領収書になる場合は対象品であることがわかるように店側に書いてもらう。控除の対象となる金額は実際に支払った消費税込みの価格だ。セール対象であれば値引き後の価格になる。

[日本経済新聞朝刊2017年1月18日付]

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