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ロボット使い自宅から会議に参加 育児や介護も可能

IDCフロンティア(後編)

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日経DUAL

前編の記事「育児や介護の社員を支援 週4や週6勤務が選べる会社」で、ヤフー子会社のIDCフロンティア(東京都千代田区)が4つの勤務制度を導入した事例をお伝えしました。後編では、「Fワーク勤務」という自宅もしくは実家で月2回勤務ができる制度と、さらに「中途入社社員は1カ月の有給休暇」「試用期間満了後に100万円の祝い金」という制度についてお伝えします。特にロボットを使って、自宅にいながら会議に参加している姿……必見です。

自宅でも疎外感を覚えない在宅勤務システムを試験導入

―― 妊娠中・育児中・介護中社員向けの「フルサポート制度」のメニューにある、「Fワーク勤務」というのはどのようなものでしょうか。

枝松茂幸さん(コーポレート管理本部 人事部、以下敬称略):月に2回、自宅もしくは実家で勤務できるという制度です。実は、今日はこの場には来られなかったのですが、ちょうど在宅で仕事をしている者が、トライアルとしてネットでつながっていますので、ご紹介させていただきます。(ロボットが会議室に入ってくる)。

―― うわ、ロボット……自由自在に動くのですね。

山中敦さん(社長室長)(以下、敬称略):(ロボットの画面より)こんにちは、山中と申します。このロボットでは、音声と動画、両方ともスムーズに扱えるんです。今はトライアルの段階ですが、会議でこのように近くまで行って、まるでその場にいるように皆さんの声が聞こえますし、私も自由に発言できます。

――月に2回のFワークは、どんなときに利用しているんですか?

山中:何か集中して仕事に取り組みたいときが多いですね。考えてアイデアを出すという業務が多いので、自宅なら一人で集中できますし、普段は通勤時間が片道1時間以上かかるのですが、その時間を家事や育児に充てることもできます。また、子どもが風邪を引いて、家で看病したいときにも助かっていますね。

実は私は中途採用でこの会社に入りました。前職では、会社で在宅勤務制度があったのですが、自宅で仕事をしていると、疎外感を覚えたんです。会議のときだけログインをしてテレビ会議で参加するのですが、どうしても会話しづらい。また、職種によっては在宅勤務ができないケースもあるので、「きみは在宅勤務ができていいよね」と思われているかも……という不安もありました。

ですが、このロボットを使えば、会議室にも自分から移動できます。小さな音も聞こえるので、その場にいるように参加できます。オフィスにいるのと、変わらないような感覚ですね。ロボットを動かして、部下の席まで行ってアドバイスできますし、今回この取材をいただいたように、今後は来客にも対応できるかもしれないと考えています。

うちは小学5年生の子どもがいるのですが、スポーツをやっていて、私が家にいる日は、一緒にトレーニングできることもありがたいです。子育てに参加する機会が増えましたし、通勤時間に他のことができて、無駄な時間がなくなったように思います。

部下とのコミュニケーションも取りやすく

――このロボットは、社内に何体あるんでしょうか?

山中:今のところ2体です。市販品でして、スマホ一つで遠隔操作できます。ラジコンを使うような感覚ですね。

枝松:山中がたまたまこのロボットを見つけてきたんです。「在宅勤務は疎外感があったけど、これならできそう」というので、トライアルに踏み切りました。

山中:在宅勤務だと、誰にも見られていないのをいいことに、だらけてしまったり、言われたことだけやって、それ以外は仕事をしなかったりというケースもあると思います。運用がなかなか難しい。でも、このロボットで常時オフィスにつながっていると、見られているといういい緊張感があります。コミュニケーションがスムーズにとれるので、生産性を損なうことなく、仕事ができると感じています。

枝松:最初は、みんなびっくりしていましたけれどね(笑)。

土屋麻美さん(取締役コーポレート管理本部 本部長、以下敬称略):経営会議で一緒になったのですが、みんな「何?」と凝視していました。ロボットは前後左右に動くので、話している人のほうを向くこともできるんです。

山中:自分がプレゼンテーションをするときは、スクリーンの前に移動して話します。テレビ会議だと画面が固定されてしまうけれど、伝わる"熱量"のようなものが違いますね。エレベーターはボタンが押せないので介助が必要ですが、それ以外は無線LANが通っていればどこへでも行けます。私の手元のスマホでピンチアウト(2本の指で拡大させる動作)すれば、ホワイトボードに書いてある小さな字も読めるんですよ。

パソコンを使っているときは、机の上のスタンドにスマホを立てておくことで、オフィスの隣で仕事をしているような臨場感があります。上長の重要な仕事の一つに、部下とのコミュニケーションがあると思うのですが、電話やテレビ会議だと、よそよそしくなってしまうと。でも、このような感じで話していると、コミュニケーションがとりやすいですね。

枝松:例えばこのようにITツールなどを駆使しながら、育児・介護だけでなくても、個々のプライベートの事情に合わせて最大限のアウトプットを出せる環境をつくることが、今後私たち人事に求められる使命だと考えています。

中途入社の人に、いきなり1カ月の特別有給

土屋:転職して入られた方は、驚きますよね。「こんなに色々な制度があって、しかも実際に使えているなんて」と。

枝松:そうですね、特に中途入社の人には「フルチャージ入社制度」を活用してもらっています。フルチャージ制度は2015年の5月から始まったのですが、中途入社の全社員を対象に、入社日から1カ月の特別有給休暇を取り、休むことができます。さらに、試用期間(特別休暇期間+3カ月)満了後に100万円を支給するという制度です。既に10名弱くらいが利用しています。

実は、これまでエンジニアの中途採用に苦戦していて、山中と色々対策を練ったんです。中途入社の社員が困っていることは何があるだろうと考えたところ、前の会社を辞めるときに、有給をすべては消化できないということがある。さらに、技術系の研修や書籍などの費用は高いということが挙げられました。優秀なエンジニアの方に喜んで入社していただき、いいスタートダッシュを切るためには、最初にしっかり休んでもらい、自己研さんのための研修や書籍にもお金を使えるという環境をつくろうという結論に至りました。

枝松:中には、「1カ月も休んだら復帰できる自信がない」という社員もいるのですが、人事部から「できれば1カ月フルで休んでください」と伝えました。でも、できるだけ早く働きたいといって、2週間程度で仕事をスタートする社員もいます。今回のフルチャージ制度などの記事を見て、直接応募してくださる方が増えてきています。入社された方がどんどん活躍していてありがたいですね。

土屋:「今まで奥さん孝行ができなかったけど、この1カ月間で取り戻せた」「家族の仕事への理解が深まって、サポートを期待できる」「忙しくて結婚ができなかったのでこの機会にできた」という社員もいます。小さいお子さんがいる方は、「なんでパパ、ずっと家にいるの?」と不思議に思われたと言っていましたが……(笑)。

山中:私も中途採用で、「これだけ会社が制度を整えてくれているから、がんばらなきゃ、恩返ししなきゃ」と心から思いますね。でも、もし自分が新卒社員で1年目からこれだけ整っていたら、もはや他社には行けないのではと心配になるほどです。

土屋:週休3日でも、お給料は変わらないという仕組みも社員に喜ばれています。休めるのはうれしいけど、収入が減ったら困ってしまいますから。"今まで通りのお給料を得られる"ことにも重点を置きました。

子どもの才能を伸ばすことにも、時間を使える

枝松:実体験として、やはり育児はお金がかかりますからね。とはいえ、育児の参加機会も増やしたい。そう思うと、実にいい制度だと感じます。人事部としては、利用者や職場の様子を見ながら、年明けくらいからヒアリングをしていく予定です。例えば、Fワークという在宅勤務制度は、月2回だと少ないという声も出てきているので、回数を見直すという案も出るかもしれません。今は、制度を選んだら半年間固定ですが、固定する期間についても今後課題になると思います。

笹山恭子さん(ビジネス開発本部 コンテンツマーケティング部 広報グループ、以下敬称略):フレックス制度を利用するようになって、園の送りをする場合は遅出にしてその分帰りを遅くしたり、園のお迎えに行きたいときは早く出勤して早く帰ったりと、柔軟に時間を決められて助かっています。突発的な学校の用事にも対応できますね。

―― 育児中の社員の対象が、「小学6年生以下の子どもを持つ人」と幅広いですね。

枝松:実は今年の4月までは、小学3年生までだったんです。今回の10月からのタイミングで6年生に引き上げました。

笹山:私も、自分の子どもが小学生になってよく分かったのですが、小学生がいるとなかなか大変ですよね。6年生まで制度を使えるのはありがたいです。

山中:うちの子は小学5年生なので、送り迎えなど日常的に必要なフォローは減りましたが、子どものスポーツのトレーニングに付き合うことなど、"子どもの才能を伸ばすこと"に時間を使うことができるのが本当にありがたいです。

土屋:制度がどんどん整ってきて、昔退職したけれど、また会社に復職したという人も出てきたので、今後は復職の制度化も考えていこうと思っています。働きやすい環境が整えば、仕事のパフォーマンスは必ず上がります。そのために、模索していこうと思っています。やはり、会社にとって社員は大きな財産ですから。

(ライター 西山美紀)

[日経DUAL 2017年1月11日付記事を再構成]

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