「まるで宝石箱や~」 華やかなファミマの新焼き菓子
コンビニ商品のなかでも注目度の高いスイーツ。毎週のように新商品が発売されるが、そんななかファミリーマートは焼き菓子の新ブランド「ジュエリースイーツ」を展開。東京都内のファミリーマートとサークルK・サンクス2600店舗で販売し始めたので、主要な商品を実食してみた。
焼き菓子にひと手間加えて見た目も味も豪華に
ジュエリースイーツは名前の通り、まるで宝石のような華やかさを持つ。その見た目は焼き菓子というよりも生菓子に近い。
これまでのコンビニの焼き菓子は、フィナンシェやパウンドケーキに代表されるような、見た目から味が想像できるような商品が多かった。そこでファミリーマートは新しい切り口を模索し、日常的に食べられるのはもちろんのこと、自分へのご褒美や分け合って食べられるような焼き菓子を目指して、2016年3月から商品の開発に着手した。「既存の焼き菓子との大きな違いは、見た目と味」と、ファミリーマート商品本部の藤原氏は話す。
従来の焼き菓子商品は、焼いた後にスライスするくらいしか手を入れていなかったが、ジュエリースイーツは商品を焼いた後にクリームを絞るといったトッピングを加えている。ひと手間プラスすることで、見た目が華やかになると同時に、味わいも深みが増すという。
また、焼菓子メーカーではなく、洋菓子専門店やチルドデザートの製造メーカーと組んで商品開発を行っている。生クリームなどの扱いに長けたチルドデザート製造メーカーならではの視点により、今までの概念に捉われない新たな発想の焼き菓子が誕生した。そのぶん開発には苦労し、何度も試作を重ねたという。「お客さまはデザートに対し"癒やし"も求めている点から、ただ単にトッピングを施すだけでなく、女性が思わず"かわいい!"と手に取ってしまうような見た目の華やかさや美しさにこだわりました」(藤原氏)
その甲斐あって、ジュエリースイーツを販売している東京都内の店舗では、「焼き菓子全体で前年に比べ約130%と大きく伸長している」(藤原氏)という。また、購買者のターゲットとして当初想定していた30~40代の女性に加え、20代の女性など比較的若い年代の購買層も多く、「今後、販売地域の拡大や新商品を投入することでより認知度が高まり、さらに伸長すると予想している」(藤原氏)とも話す。
焼き菓子とは思えないしっとりとした食感
現在、全10種類が展開されているジュエリースイーツ。複数商品をブランドとして打ち出しているため、店舗では専用棚を設けて販売されている。焼き菓子なので、常温保存ができ、賞味期限も長いのがうれしい。
ラインアップのなかでも、特に見た目が華やかな「ショコラタルト」と「フルーツタルト」を実際に食べてみた。
どちらのタルトも、しっとりとした食感にまず驚いた。正直なところ焼き菓子はモソモソするイメージがあったのだが、なかのチョコレートクリームは空気を含んだエアチョコのような食感で、口どけが非常にいい。
ショコラタルトは甘過ぎず、軽い口当たりで思った以上に食べやすい。フルーツタルトの中身はホワイトチョコクリームで、ショコラタルトに比べると甘味はあるが、セミドライの苺の酸味がアクセントとなり、こちらも甘ったるくはなかった。
トッピングにより華やかな見た目に仕上がった手の平サイズのタルトは、まさに"ジュエリー"という名前がぴったり。焼き菓子なので保存もきくため、手土産としても活躍するはず。味に関しても、ひと手間加えているだけあって抜群においしい。タルト生地やチョコクリーム、トッピングのナッツやドライフルーツなど、さまざまな味わいが重なり奥行きがあるのだ。ジュエリースイーツは見た目も味も、これまでの焼き菓子のイメージとは大きく異なる。
2017年1月時点では東京都内2600店でしか購入できないが、「2月中には全国のファミリーマートとサークルK・サンクスへの導入を完了する予定」(藤原氏)とのこと。また1月下旬には、複数の新商品の発売も予定しているそうなので、近くの店舗で買える日を楽しみに待ちたい。
(ライター 津田昌宏)
[日経トレンディネット 2016年12月28日付の記事を再構成]
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