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医療・旅行・ペット… 携帯からの保険加入、幅広く

2017/1/21

 携帯電話1つで何でもできる――。そんな時代になりつつある今、保険の加入も例外ではない。大手携帯会社が取り扱う保険の種類は医療や旅行、レジャーなどに拡充されている。必要な情報をスマートフォン(スマホ)などの端末上で入力・送信することで、書類作成や保険料の払い込みの手間を省くことができる。通常の契約手続きとどのような違いや特徴があるのかまとめてみた。

 携帯電話で加入できる保険はNTTドコモ、ソフトバンク、auの携帯大手3社が扱っている。スマホのほか、タブレット端末やパソコンからも申し込めるケースが多い。auの場合、従来型携帯電話(ガラケー)から申し込むことはできないが、いわゆる「格安スマホ」からは申し込める。「最近はパソコンよりもスマホからの申し込みが増えている」(同社の広報担当者)という。

 各社が取り扱う保険の種類や保険料にそれほど大きな差はみられない。仕組みとしては携帯各社が保険の取扱代理店となり、ドコモとソフトバンクは大手保険会社、auは関係会社が引受保険会社となる。国内・海外旅行保険や自転車保険など1日単位からその場で加入できる短期の保険が多いものの、医療保険など比較的長期にわたって保険の適用を受けられる商品も取り扱っている。

■ペットやゴルフ

 医療保険ではドコモが「ベーシックプラン」「三大疾病重視プラン」「女性疾病重視プラン」の3タイプを用意している。ベーシックプランを契約し、保険契約開始日に満20~24歳ならば月々の保険料は830円。ソフトバンクは傷害保険を提供。「毎日あんしん保険」「子供のあんしん保険」「女性のあんしん保険」など被保険者に応じて保険を分けている。

 auが提供する「auゴルフほけん」では、最短で日帰りや1泊2日向けから申し込むことができる。補償対象は一般的なゴルフ保険と同様で、ゴルフ中のケガやゴルフ用品の破損などのアクシデントや、ホールインワン・アルバトロスの祝賀会費用などだ。保険期間は3泊4日までで、保険が必要な期間を絞って加入できる。

 内閣府によると、2016年3月のスマホの世帯あたり普及率は全国で67.4%。スマホ以外(64.3%)を上回るなどガラケーからスマホへの切り替えが進んでおり、携帯大手はこうした実態に応じてサービスを提供している。

 利用者のメリットとしては加入手続きの簡素さが挙げられる。基本的に携帯電話契約者の氏名や住所などの情報を保険契約の申し込みなどにも使うため、契約者情報などの入力を省くことができる。ペット保険など各種状況の確認が必要な場合でも、携帯で撮った写真をそのまま画像データとして送信することで対応可能だ。支払いは基本的に月々の携帯電話使用料に上乗せされるため、保険料を別途払い込む必要もない。

■商品特性理解を

 国内や海外旅行など、保険の加入はついつい後回しにしがちという人もいるだろう。実際の利用者からは「わざわざ店頭に行かなくても申し込める点が便利」(20代女性)との声も上がっている。

 注意すべき点もある。手軽に申し込みができる分、どういった場合に保険が適用されるかを十分に把握していないケースがある。対面での説明を受けない分、規約をつい読み飛ばしてしまう人も多いという。どの保険に加入しているかを忘れてしまったり、家族が自分の加入している保険を知らなかったりするケースも考えられる。

 一方、通常の保険代理店を通じて契約する場合は営業職員が被保険者のニーズに応じてプランを設計・提案することが多い。その場で細かく説明を受けられ、質問もできるため、加入に際して不安が抑えられやすい。半面、診査や告知、保険料の支払いなどに時間がかかってしまう。「申し込みの承諾から短くても1週間程度が必要なことが多い」(国内生命保険会社の広報担当者)という。

 現時点では依然として、営業職員を通じた契約が主流。生命保険文化センターの調査では保険の加入経路としては15年時点で「生命保険会社の営業職員」が全体の59.4%と最も多い。

 いざという時のための保険。携帯電話から手軽に保険に加入できたとしても、保証内容など商品特性を十分に理解していなければ意味がない。自分に必要な保証内容を見極めたうえで、加入方法を検討した方がよいだろう。(生田弦己)

[日本経済新聞朝刊2017年1月14日付]

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