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官僚にして母 男児3人を育てながら働き続ける

内閣官房国際広報室 羽田由美子さん(前編)

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NIKKEI STYLE

日経DUAL

2016年10月、内閣官房の国際広報室に着任した羽田由美子さんは3人の男の子を育てる母。大学院卒業後に経済産業省に入省し、3回の産休・育休を取りながら働き続けてきました。主に同じく官僚の夫と分担するという現在の"3人育児法"にたどり着くまでの道のりは山あり谷あり。乗り越えてきた過去と、これからの展望について、聞いてきました(取材時は、経済産業省秘書課に在籍)。2回に分けてお届けします。(聞き手は藤村美里さん)

息子3人と一緒に遊びながら育む社会性に感謝

――小学校1年生、年少さん、2歳と、まだ小さい息子さん3人を育てながらのフルタイム勤務。とてつもなく大変なのではないかと思ってしまいますが、どのようなスケジュールで毎日のスケジュールを回していますか。

朝は長男を小学校に送り出してから保育園に2人を連れて行くという日々です。長男は学童から1人で帰ってくるので、その時間までに保育園に迎えに行くタスクを夫婦で週2日ずつ分担し、残りの1日はそう遠くない所に暮らしている私の実母にお願いしています。

子ども達が病気のときには実母に看病をお願いすることもありますが、そこまで忙しくなければ「俺が休むよ」と主人が休んでくれることが多いですね。主人は他の省庁で働いているのですが、最近はとても協力的なので助かっています。

――「女の子以上に子育てが大変」と耳にすることもある"男の子"が3人。毎日とてもにぎやかそうですね。

いわゆる"男の子育児"の大変さはありますよね。小学生の長男は宿題の取り組み方も本当に雑なんですよ。字が本当に汚くて、学校の先生は綺麗になるまで指導してくださっているのですが、もう親としては見切れないと思うくらいです。

ただ、息子達はみんな一緒に遊ぶので、一人ひとりにそれぞれ手間がかかるということはなく、「ありがたいな」と感じることもありますね。一番下の子が1歳半を過ぎたころからは、上の2人を追いかけて、同じことをしようとするんです。「自分も一緒にやりたい」とか、「自分にも同じものをくれ」だとか。特に次男は長男と遊んだり三男と遊んだり、とても上手にやってくれていますね。

兄弟が多いと社会性が身に付くともいいますが、3人とも、私が「もう知りません」と怒ったときには、その雰囲気を感じながら、子ども同士で「これはもうダメだから止めよう」とか「お母さんが怒っているからこうしたらどう?」とお互いに説得していたりもします。

反対に、「あの子はどうしてもこれをやりたいみたいだから、お母さん1回だけは許してあげて」とお願いされることもありました。そう言われてしまったら、私のほうがごめんなさいって感じですね(笑)。長男も面倒見は良いと思います。

経済産業省の秘書課で働きやすい職場を作るためにまい進

――経済産業省の仕事というのは多岐に渡ると思うのですが、今までどんなお仕事をされてきたのでしょうか。

入省後は、2~3年ごとに異なる部署を経験します。過去には、EPAを担当し、毎月のように日本とアジアの国と行き来しながら、自動車部品など工業製品の関税を下げる交渉をしたり、太陽光や風力などの新エネルギーの導入を増やすための施策を担当したりしました。育休から復職するときも異動となることが普通なので、復職後は3回とも異なる職場に身を置いています。

1人目の出産後は、データを解析したり統計を作ったりする部署にいて、そこで全体をマネジメントする総括補佐をやっていました。専門家の方がたくさんいる中で、全体を見ながら一人ひとりに良い形で働いてもらえるように調整するという仕事です。2人目の出産後は、貿易管理の部署で、輸出入をする時に許可がいるものへのルールや手続きの改善を担当していました。

3人目の出産後は秘書課。民間企業でいう人事部に当たる部署で、育休後に帰ってきた女性への支援策や超過勤務の見直しという「働き方改革」を行ってきました。超過勤務を減らすために仕事の効率性を見直そうとか、テレワークやフレックスなど、働く場所や時間を柔軟に変えていくことで育児と両立しやすい職場にしようという内容です。

例えば、2015年夏には、省内で「働き方改革表彰」を実施し、効率的に成果を出すことに取り組んだ部署を表彰しました。また、2016年の夏には、すべての課で在宅勤務を体験してもらい、時間や場所によらず、成果を追求することの意識づけに取り組んでいます。

また、出産前は何の制限もなく働いてきた女性にとって、育児休業後に時間の制約が出てくることをイメージするのは難しく、仕事を続けていくうえでのチャレンジになります。本人達は、「限られた時間で効率を上げなくては」と考えるのですが、以前の自分との差に悩んだり、組織としてもどうマネージしたらよいか分かりにくい。そのギャップをサポートする立場でした。

「パパママクラブ」という、子育て中の職員が男女問わず昼休みにランチを食べる時間を作って、年次や部署を超えて悩みや工夫を共有できるようにしたり、復職した職員がスムーズに入っていけるように研修を実施したり。育児中の職員とコミュニケーションを取りながら仕事をアサインするにはどうしたらいいか、管理職向けの研修も初めて企画しました。

もっと仕事がしたい! 「力が余る」と感じて苦悩した時短勤務

――育児休暇から復職した後は、色々な壁を感じることもあるし、リズムを作るまでは難しい時期でもありますよね。羽田さんご自身、3回それぞれ違う部署での職場復帰を経験されて、つらかった時期などはありましたか。

2人目の出産後ですね。1人目のときには予定が立つ仕事内容でしたし、その中で仕事をしていくうちにリズムもつかめたのですが、2人目は体が弱い子だったこともあって、フルタイム勤務をするにはちょっと自信がなくて時短勤務を申し出たんですね。

でも、当時は総合職を時短勤務で配属できる部署が少なかったようで、あまり仕事が多くないようにとかなり配慮しながら部署を決めてくれました。上司もとても気を使ってくれたため、とにかく私が担当する仕事が少ない。以前やっていた仕事と比べると、力が余るという感覚でしょうか。そうは言っても、子どもは熱を出すし、保育園からの呼び出しもあったので、「もっと仕事がしたい」とはいえ、きちんと担えるかどうか何カ月か悶々としていました。子育てというより、仕事とのバランスを取るのが難しく、つらい時期でした。

その後、復帰から半年経ったころには、上司に「まだできます」と伝えるようにしました。上司はとても良い方で、どこまで任せていいのか分からなかったのだと思います。大きな部局だったので、その中で担いきれない小さな仕事があったりして、そういうものを一つずつすくっていくというような方法で、仕事を増やしていくうちに、だんだん仕事が面白くなってきました。

そうなると「時短ではなくて、もっと働きたい」と思う機会も増えて、どうすればいいか夫と話し合うことも。そこから、家庭分担を見直すことになって、結果的に現在の割合になるベースができていったと思います。

――先ほど、保育園のお迎えの分担の話がありましたが、この割合はそのころに決まったのでしょうか。

今のペースになったのは3人目の出産後。そのころには、どちらの職場もリモートアクセス環境が整備され、職場を離れて仕事をすることへの理解が進み始めていました。でも、2人目出産後の部署にいるときも、後半は夫にお願いすることが増えていきました。仕事をアサインしてもらったら、忙しくもなるし、果たしたいことも増えてくる。関連してきちんと調べたいことなどがあると、「ちょっとお願いできないかな」……と相談することになります。

夫は、私が悩んでいたことも知っていたので、「それなら自分の働き方も少しずつ変えていこう」と言ってくれました。実は、1人目の復職後がちょうど大震災の後で、夫は災害支援チームに入ったこともあって、その当時、夫はほとんど頼りにできなかったんです。そのタイミングで両立生活がスタートしてしまったので、2人目の途中までは、私が5日間お迎えに行くのが当たり前という分担になってしまっていて。夕方は基本的には全て私が担当して、時々は実家の母にお願いするというような状況でした。

思い込みを変えて「勇気を出して夫に任せてみた」

――最初に抱え込み過ぎて頑張ってしまうと、途中からパパの出番を増やすことが大変だったりしますよね。育休中から少しずつ分担を考えていかないと育休後につらくなるという話もよく聞きます。

私の思い込みもあったと思うんです。帰宅後、夕方から夜寝かしつけるまでって時間が短いので、「寝かしつけるまでは、私が自分できちんとやらなければいけない」と。私がやったほうが早いから、子ども達も早く寝ることができる。夫がやってグダグダになってしまうより、「ここは自分がきちんと見なくちゃ」……と思い込んでいたところがありました。

でも、そこを変えてみる。

そりゃ最初は子どもがパパの寝かしつけを嫌がったりとか、実は寝る時間がすごく遅くなってしまったと聞いたりとか色々ありますが、それなりに慣れていくんですよね、親も子も。今は、子ども達は両親がどちらも同じくらい必要だという感覚で、お父さんが足りなくても、お母さんが足りなくてもすねます。両方とも大切だと思ってくれているみたいです。

――男の子だから特に男親が必要な場面が多いと感じることもありますか。

どうでしょうね。父親が特に必要かは分かりませんが、家事をし、日常的にピアノを見たり話を聞いてくれる父親がいることを、子ども達が大事に思っているのは確かだと思います。他方、夫が少し悩んでいたのは、日常的に一緒にいると、どうしてもガミガミ言うことが増えてしまう、と。お母さん的にならざるを得ないところが出てくる。でも、怒り方はお父さんの力強いガツンとした怒り方。そこはなかなかバランスが難しいね、という話をしたことがあります。その辺りは確かに難しいところもあるのかなと感じますね。(以下、後編に続く)

藤村美里
 TVディレクター。早稲田大学卒業後、民放テレビ局入社。報道情報番組などでディレクターを務める。2008年に女児出産後、児童虐待・保育問題・周産期医療・不妊医療などを取材。2013年退社。海外と東京を往復しながらフリーで仕事を続ける。働くママの異業種交流会「Workingmama party」 を主催。働くママ&20代30代女子が集まる異業種交流会「Women's Lounge」 も立ち上げた。

[日経DUAL 2016年11月25日付記事を再構成]

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