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シェアリングエコノミーの拡大や人工知能(AI)の普及をはじめ、既存産業の枠を超えた大きな変化が起こっている。東京五輪を控える2020年を見据え、激変する環境の中で伸びる企業の条件は何か、働く私たちは何を考えるべきか、5人のトップコンサルタントに聞いた。

第4回はローランド・ベルガー 社長の長島聡氏。AIの活用は、社会をどのように変えるのか。そのなかで人間はどのように関わっていけばよいのか、そのポイントを探る。

◇   ◇   ◇

深層学習により、多分野で活用が進むAI

AIは、ディープラーニング(深層学習)と呼ばれる新技術の登場により、様々な分野で活用が進んでいます。最近、話題になったのは、グーグル傘下のディープマインド社が開発した囲碁のAI「Alpha Go(アルファ碁)」と、世界トップクラスの実力を持つプロ棋士イ・セドル9段が勝負し、アルファ碁が4勝1敗で勝利したことです。ルールが明確で、AIが学習するためのデータが豊富にある分野において、その実力が示された事例といえるでしょう。

コンピュータープログラムのソースコードを一般に公開する「オープンソース化」が進み、AIに学習させることはますます容易になっています。たとえば、膨大なデータの集合の中から有用な知見を得る画像認識やコールセンターなどの分野では、AIが活躍できると考えられています。内蔵のセンサーで顧客の属性を判断しておすすめの飲料を提案する「次世代自販機」のように、マーケティング・オートメーションでも活用が期待されます。近いところで、2020年ごろにAIが最も普及している分野は、モノがインターネットに接続されて相互に制御するIoT(Internet of Things)の分野でしょう。企業は常にコストを抑制したいという意識を持っているので、特に設備の運転や保守でAIの導入が進展すると思います。

その一方、AIの活用が進む社会では、それらを使い様々なことを自在に行える人と、それ以外の人のあいだで貧富の差が生まれ格差が拡大する可能性も指摘されています。世の中では、AIが流行の面白いトピックとして扱われていますが、ある種破壊的な技術でもあることに、一人ひとりが思いを巡らせることが重要だと思います。

大切なのは、人だけが生む代替できない『価値』

ひとつ、興味深いのが、アルファ碁に負けたイ・セドル氏が、対局を振り返り、「彼の癖がわかった」と語っていたことです。人間自身もまた、AIと関わることで"ディープラーニング"を行い、能力を高められるのです。

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