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会社の枠を超え、人材という「資産」の共有を トップコンサルに聞く2020(3)

A.T.カーニー パートナー/マネージングディレクター ジャパン(日本代表) 岸田雅裕氏

2017/1/29

PIXTA

シェアリングエコノミーの拡大や人工知能(AI)の普及をはじめ、既存産業の枠を超えた大きな変化が起こっている。東京五輪を控える2020年を見据え、激変する環境の中で伸びる企業の条件は何か、働く私たちは何を考えるべきか、5人のトップコンサルタントに聞いた。

第3回はA.T.カーニー パートナー/マネージングディレクター ジャパン(日本代表)の岸田雅裕氏。自動車や宿泊などをシェアするビジネスが、個人向けサービスで急速に広がっている。シェアリングエコノミーの可能性を考える。

◇   ◇   ◇

■情報コストの低下が、シェアリングの背景に

シェアリングエコノミーは、最近始まったものではありません。たとえば建設機械業界では、2000年ごろから、高額な機械を売るよりも、レンタルして貸し出し日数に応じた対価を得るビジネスモデルが大きくなっています。個人向けサービスでも様々なアイデアは以前からありましたが、経済合理性の観点からビジネスに結びつかなかっただけです。

ここにきて急速に発展した背景には、情報のコストが圧倒的に安くなったことがあります。個人の需給をマッチングさせるための情報や、信用を担保するだけの情報が、低コストで集められるようになったからこそなのです。

■シェアリング・エコノミーの本質は、アセット(資産)の有効活用

この根底には、持っているアセット(資産)を有効活用しましょうという考えがあります。2020年、もしくはその先を見据えて、新たなシェアリングビジネスが次々と生まれると思いますが、私が今、伝えたいのは会社の枠を超えた“人材”というアセットのシェア、そして有効活用です。

日本は今後、知識集約型の産業形態にさらに進まざるを得ないでしょう。そのなかで、企業にとっても働く個人にとっても重要なのは、自らの市場価値を高める、という発想です。なぜなら、現在のようにグローバルに、しかも短いサイクルでビジネスが展開するなかでは、特定の会社や業界でしか通用しない能力は競争力を失ってしまうからです。自動車産業のような、完成車メーカーが君臨するピラミッド構造が100年続いた業界でも、5年後の覇者はメーカーではなくモバイルサービスプロバイダーに変わっているかもしれないのです。

■外部人材を活用できる企業こそが成長する

人材はもっとシェアラブルであるべきだと私は考えています。10万人の従業員がいる企業よりも、5万人の従業員と20万人のネットワークを持つ企業のほうが高いステータスを持つようになる。内部と外部の人材をどれだけ有効に使えるかが、どのような業界でも成長の条件になってくるでしょう。

そのなかでは、どんな業界であれ、自分の会社の価値観を中心に据えつつも、別の分野のプロフェッショナル、思考の異なる人たちを社外のメンバーとして、一緒に働ける力が求められます。

“日本人・男性・プロパー採用が主流”といった旧態依然とした組織を変え、企業は従業員の二足のわらじや出戻りをどんどん奨励したほうがいい。従業員を縛ることをやめるべきです。たとえば5年働いたら3カ月は自由に活動してよい制度などを設ければ、ビジネスの可能性を広げる機会につながるかもしれません。

一方で、個人は会社に属さなくても働ける専門性に日々磨きをかけて、その能力をマーケティングすべきです。外部と関わり刺激を受けながら、自分のキャリアを向上させましょう。

岸田雅裕(きしだ・まさひろ)
A.T.カーニー パートナー/マネージングディレクタージャパン(日本代表)
東京大学経済学部卒業。ニューヨーク大学スターン経営大学院(MBA)修了。パルコにてブランド構築のための宣伝、店舗販売促進。その後、セゾングループの海外都市再開発に従事。米系および欧州系戦略コンサルティングファームにて、消費財メーカー・流通・飲食、自動車業界のコンサルティングに従事。

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