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ヒット連発のファーウェイ Mate 9を安くした理由

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日経トレンディネット

MVNOの盛り上がりとともに、存在感を高めているSIMフリースマートフォン(スマホ)メーカー。中でも多くのヒット端末で話題となったのがファーウェイだ。特に2016年6月に発売した「HUAWEI P9」と「HUAWEI P9 lite」は人気となった。

まず、P9はライカと共同で開発したレンズを採用。加えて、一方がカラー、もう一方がモノクロの素子という2つのカメラを搭載したことで、ボケ味のある写真を手軽に撮影できる「ダブルレンズ機構」で注目を集めた。当初は5万9800円と、SIMフリースマホとしては高額の部類に入る値段ながら、ヒットしたことも印象深かった。

一方のP9 liteは、ダブルレンズ機構は搭載していないものの、P9に近いサイズとデザイン、必要十分な性能を装備。それを2万9800円という購入しやすい価格で提供した。15年にヒットした「HUAWEI P8lite」の後継機という実績もあって、こちらも発売当初から高い人気を博した。

ヒットモデル連発で大躍進のファーウェイ

だが、ファーウェイのヒットモデルはこれだけではない。16年2月に発売されたミドルクラスの「HUAWEI GR5」も、SIMフリースマホの売れ筋である3万円台の価格ながら、金属ボディーや指紋センサーを採用するなど、充実した内容で人気となった。

さらに、楽天モバイルが独占販売している「honor 8」も、15年の「honor 6 Plus」の後継ということもあり、ライカレンズではないもののダブルレンズ機構を搭載。P9に近い性能を備えながら、4万2800円という手頃な価格。加えて、楽天モバイルのSIMとのセットにより、3万円台で購入できるキャンペーンの実施により、コストパフォーマンスの高さで話題となった。

2016年はSIMフリースマホメーカーが増え、この市場に向けて多数の新製品が投入されるなど、競争が非常に激化した1年でもあった。そうした中にありながらもファーウェイは、魅力あるモデルをお得感のある価格で提供したことで、競争を勝ち抜き人気を獲得してきたのだ。

P9より高性能な「Mate 9」を新たに投入

そのファーウェイが16年12月13日、新たなスマホを発表した。「HUAWEI Mate 9」だ。これは同社がビジネスパーソン向けと位置付けるフラッグシップの1つ「Mate」シリーズの最新機種で、日本市場で言えば、15年に発売された「HUAWEI Mate S」の後継機に相当する。

Mate 9の特徴は、一言で言えば、P9より高性能なこと。外観で最も特徴的なのがディスプレーで、大型の5.9インチディスプレーを採用している。しかもベゼル幅を狭くする狭額縁設計により、持ちやすさも兼ね備えている。

カメラも、P9が2つのカメラの素子が共に1200万画素であったのに対し、Mate 9は、カラーの素子が1200万画素、モノクロの素子が2000万画素と、異なる画素数のものを採用。ダブルレンズ機構では、モノクロで撮影した写真から深度や距離を測り、そこにカラーで撮影した色情報を合成することで写真を作成しているが、このMate 9では、画素数が異なることを生かして、画像が荒くならずに2倍までズームできる「ハイブリッドズーム」を実現している。

そして、もう1つのポイントがバッテリーだ。Mate 9は4000mAhと、スマホとしては非常に大容量のバッテリーを搭載しており、約2日間はバッテリーが持続する。約20分の急速充電でも、1日程度は持つという。

一方、カラーはムーンライトシルバーとシャンパンゴールドの2色で、最近、カラーが2色追加されたP9と比べると選択肢は少ない。また、狭額縁とはいえ、ディスプレーのサイズが大きいので、手軽さの面ではP9の方が勝る。ビジネスパーソンを狙っているだけに、高性能と大画面を求める人にマッチしたモデルといえるだろう。

なぜMate 9はMate Sより安価なのか

実は、筆者が最も注目したのは価格である。Mate 9の市場想定価格は6万800円(税抜き、以下同)と、P9の発売当初の5万9800円(16年11月に5万800円に値下げした)とほぼ同じ。これは大きな驚きであった。

驚いたのは、15年に同社が発売したMate Sより大幅に安くなったことだ。Mate Sの発表当初の市場想定価格は7万9800円で、iPhoneに近い高価格が話題となった。それだけに、Mate 9がそれよりも2万円近くも安価というのは予想外だ。

しかしなぜファーウェイは、このような価格設定をしたのだろう。

そこにはP9のヒットが大きく影響していたと見られる。15年まで、日本でSIMフリースマホといえば、価格重視のミドル~ローエンドクラスが主体で、低価格のモデルでなければ販売が伸びない状況にあった。そうした中で、ファーウェイがMate Sを高価格に設定したのは、販売台数を伸ばすよりも、「ハイエンドモデルを提供している」というファーウェイのブランド力をアピールするためだったのだ。

だが16年、SIMフリースマホとしては高額なP9がヒットしたことで、日本でも比較的高価格帯のモデルを受け入れる素地ができたとファーウェイは判断した。そこで今度は、高価格帯のモデルで販売を拡大するべく、Mate Sよりは価格を下げたMate 9で勝負に出たのだろう。

SIMフリースマホは安価ではなくなる

ではなぜ、これまで安価なSIMフリー端末しか売れなかった日本で、16年に入り急に高価格帯のスマホが受け入れられるようになったのだろうか。そこには、MVNOの拡大とそれに伴うユーザー層の変化があると筆者は見ている。

総務省が16年4月に「スマホの端末購入補助の適正化に関するガイドライン」を打ち出し、大手キャリアがスマホを、実質0円など極端に安い価格で販売することを事実上禁止した。その影響で大手キャリアの商習慣が大きく変化した。ユーザーが大手キャリアからMVNOなどのブランドへと流れる動きが進んでいる。

だが、せっかく安価な料金を求めてMVNOに乗り換えたのに、高価格帯の端末を購入したら、結局大手キャリアと料金が変わらないのでは?と思う人もいるかもしれない。しかしMVNOの通信サービスは毎月の通信料が圧倒的に安いので、端末と通信費のトータル料金で比べれば、高価格端末を購入しても、大手キャリアのサービスを利用するより安く済むことの方が実は多いのだ。

しかも最近では、MVNOが端末を割賦販売するケースが増えているため、高額な端末も分割で購入しやすくなっている。そうした環境変化が、高額なSIMフリースマホの販売増加につながったのではないだろうか。

今年はファーウェイだけでなくASUSやZTE、モトローラなども高性能かつ高額なモデルを、SIMフリー市場に相次いで投入している。こうした変化はユーザー層の変化、ひいてはSIMフリースマホ市場の変化と無関係ではない。来年も大手キャリアからMVNOに流れるユーザーは増えると見られることから、「SIMフリースマホは低価格でないと売れない」という従来の常識は大きく変わることになりそうだ。

佐野正弘(さの・まさひろ)
 福島県出身、東北工業大学卒。エンジニアとしてデジタルコンテンツの開発を手がけた後、携帯電話・モバイル専門のライターに転身。現在では業界動向からカルチャーに至るまで、携帯電話に関連した幅広い分野の執筆を手がける。

[日経トレンディネット 2016年12月22日付の記事を再構成]

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