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アマゾンの「孤立部族」を撮影 2万年前のような生活

日経ナショナル ジオグラフィック社

2017/1/16

ナショナルジオグラフィック日本版

ブラジルのジャングル奥深く、低空飛行するヘリコプターに向かって弓矢を構える孤立部族。(Photograph by Ricardo Stuckert)

ブラジルの熱帯雨林地帯に住む「孤立部族」の新たな写真が空から撮影された。今や地球上からほとんど姿を消した新石器時代のような生活の様子が写真に収められ、驚きをもって受け止められている。

■およそ4年ごとに移動繰り返す

ブラジル人写真家リカルド・スタッカート氏がヘリコプターから撮影した高解像写真には、アマゾンのジャングル奥深くで他との接触を完全に断って生活している部族の姿がとらえられている。ナショナル ジオグラフィックは、スタッカート氏から一部の写真を最初に公開する権利を入手した。

「まるで20世紀の画家になったような気分でした」。氏は、彼らを目にしたときの反応についてそう話す。「文明と接触することなく、2万年前と同じように生活している人々が21世紀にいるのです。衝撃でした」

マロカと呼ばれるわらぶき屋根の小屋。(Photograph by Ricardo Stuckert)

スタッカート氏の高倍率の写真は、ブラジルとペルーの国境近くで撮影された。一連の写真から、今まで専門家たちが見逃していたこと、たとえば精巧なボディペイントやヘアスタイルなどが明らかになっている。長年ブラジルの国立先住民保護財団(FUNAI)に務め、40年以上にわたってブラジルの先住民部族を研究しているホセ・カルロス・メイレレス氏は、「先住民たちは全員同じ髪型をしていると思っていました」と話す。「しかし、そうではなく、実にさまざまな髪型をしていることがわかります。中には、パンクスタイルのような髪型も見られます」

この部族は、2008年に国際的な注目を浴びたことがある。赤いボディペイントを施した先住民たちが低空飛行する飛行機に向けて弓矢を構えている写真をFUNAIが公開したからだ。

用心深くヘリコプターを見守る先住民たち。そのうち1人は弓に弦を張っている。(Photograph by Ricardo Stuckert)
弦を張る先住民を拡大したもの。(Photograph by Ricardo Stuckert)

この地域の先住民グループに詳しいメイレレス氏によると、部族はそのときから何度も移動している。メイレレス氏は、2016年12月18日に写真が撮影されたときだけでなく、2008年や2010年も撮影の場に居合わせていた。いずれも驚くような写真が撮影されている。今回、メイレレス氏は、自宅の電話でナショナル ジオグラフィックの取材に答えてくれた。「先住民たちは、約4年ごとに移動しています。動き回ってはいますが、同じ部族であることに変わりはありません」

■雷雨を迂回したときに偶然発見

スタッカート氏は、ほぼ1年にわたってブラジル各地の先住民を撮影しており、その一環として12月上旬にアマゾン西部に位置するブラジルのアクレ州に入った。18日、スタッカート氏はメイレレス氏とともにヘリコプターに乗り、ペルー国境近くのジョルダンのジャングルにある駐留地に向かった。その途中、雷雨のため迂回せざるをえなかったとき、突然、密林の中にあるわらぶき屋根の小屋の集落に気づいた。裸同然の先住民たちも驚いていたようで、ヘリコプターが近づくと、森の中に逃げていった。

ペルーとの国境近くのブラジルのジャングル奥深く、孤立部族の長方形の家。雷雨によって迂回せざるをえなかったとき、偶然この集落を発見することになった。(Photograph by Ricardo Stuckert)

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