大手キャリアの長期利用特典 知らずに損してない?
割高な大手キャリアの通信料金を削減するには、ポイント還元と長期利用特典がカギになる。例えばポイント還元は、以前は機種変更などにしか使えなかったのが、今は共通ポイントとして幅広いリアル店舗で支払いなどに使えるようになった。またこの1年で、3大キャリアがそろって長期継続利用者への優遇プログラムを始めている。
ただ、多くの特典は、申し込みをしないと受けることができない。特典があることを知っているか否かで、損得は大きく変わる。キャリアごとに、必ず確認すべき項目をまとめてみた。
NTTドコモ:10%還元のゴールドカード ヘビーユーザーは入会必須
まずNTTドコモでは、通信料金の1%分が付与される「dポイント」を、ローソンなどのリアル店舗でも使えるようにしておきたい。そのためには、「dアカウント」の開設と「dポイントカード」の番号の登録が必要になる。
長期利用特典の「ずっとドコモ割コース」は、申し込み不要。ただし、2年ごとの契約更新時に付与される3000ポイントは、6カ月以内に受け取る手続きをしないと失効するので要注意だ。
◎全員:dアカウントを取得しているか
通信料金の1%相当が「dポイント」で還元されるが、ポイントを利用するには「dポイントクラブ」に入会する必要がある。サポートページから「dアカウント」を取得し、入会手続きをしておく。こうすれば、たまったポイントを通信料金などに充当できる。
◎全員:dポイントカードかdカードを持っているか
dポイントカードを持ち、dアカウントとひも付けることで、ローソンなどのリアル店舗でもdポイントの獲得・利用が可能に。「dカード プリペイド」(年会費無料)を使えば、たまったポイントをチャージして、Mastercard加盟店での支払いにも使える。
◎通信料金が月1万円以上:dカード GOLDに入会しているか
通信料金が月1万円を超えるなら、「dカード GOLD」(年会費1万円)への入会を検討したい。カードを持てば、通信料金に対するdポイントの付与率が10%にアップ。仮に月1万円使うなら、年会費を上回る1万2000円相当のポイントが得られる。なお、通信料金をこのカードで支払う必要はない。
◎2年以上使っている:ずっとドコモ割コースを選んでいるか
2年契約満了時に、そのまま"2年縛り"を続ける「ずっとドコモ割コース」と、2年縛りがない「フリーコース」が選択できるようになった。継続利用するなら迷わず前者。ポイント付与や割引などの特典を受けられる。
au:長期利用特典がスタート 入会手続きは必ず行う
auでは、通信料金の1%分が「WALLET ポイント」で還元されるが、そのままではauのサービスでしか使えない。「au WALLET プリペイドカード」にチャージすれば、クレジットカードのように多くの店で支払いに使える。また、長期利用優遇プログラム「au STAR」は別途申し込みが必要となる。
◎全員:au WALLET プリペイドカードを作っているか
通信料金の1%分が還元される「WALLET ポイント」を利用するには「au ID」が必要。「au WALLET プリペイドカード」(年会費無料)を発行すれば、IDが取得できるうえ、たまったポイントをチャージしてMastercard加盟店での支払いに使えるので一石二鳥だ。
◎全員:au STARに入会しているか
16年8月に長期利用優遇プログラム「au STAR」がスタート。ただし、特典を得るには入会手続きが必要となるので、忘れずに行いたい。2年ごとの契約更新時には3000円相当のギフト券が得られ、商品と交換できる他、auのショッピングサイトなどで使える。
ソフトバンク:Tポイントで還元 獲得には手続きが必要
ソフトバンクは、通信料金の0.5%がTポイントで還元される。ただし、そのままTポイント加盟店で使えるわけではなく、携帯電話番号とTカード番号を連係させる手続きが必要。
◎全員:Tカード番号と連係手続きをしているか
通信料金の0.5%分がTポイントで還元されるが、リアル店舗で使うにはTカード番号と連係させておく必要がある。手続きが済めば、ファミリーマートでポイント還元が1.5%にアップするなどの特典が受けられて得だ。
◎全員:お得な情報を受け取る設定にしているか
毎週金曜日に使えるファストフードの無料クーポンなどが配信される「スーパーフライデー」。2016年10月は吉野家の牛丼並盛り、11月はサーティワンのアイスクリーム、12月はミスタードーナツのドーナツが無料になった。17年1月は休止するものの、春には再開される予定だという。毎週欠かさず使えば、1カ月に1000円程度の得になる。クーポンはメールで届くので、受け取る設定にしておく。
◎2年以上使っている:長期継続特典に申し込んでいるか
16年12月に始まった「長期継続特典」は、申し込みが必須。継続利用期間が2年を経過すると、契約更新時に3000円相当、その後も毎月500円相当のTポイントが得られるため、必ず手続きをしておきたい。ただし、得られるTポイントは有効期限があり、Yahoo!ショッピングなどヤフーのサービスでしか使えないので注意が必要だ。毎月200円を割り引くコースもあるが、機種変更などで毎月割を受けている場合は選択できない。
このように、キャンペーンや長期利用しているユーザー向けの施策は展開されているものの、料金削減に劇的に効くものは実は少ない。一方、格安スマホであれば月3000円以下での利用が可能だ。手厚いサポートを行う専門ショップが激増し、乗り換えのハードルも以前より大きく下がった。スマホ料金を大幅に安くしたいのなら、格安スマホという選択肢はいよいよ避けて通れない時代になったのだ。
(日経トレンディ編集部)
[日経トレンディ2017年2月号の記事を再構成]
ワークスタイルや暮らし・家計管理に役立つノウハウなどをまとめています。
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