「やはり精勤賞をとった生徒の方が進学実績はいい」(柳沢校長)という。そのために追求し続けているのが「楽しい学校、面白い授業だ」。ポイントはやはり教師選び。採用は公募だ。

教師は古典落語の名手のように

開成には専任を含め130人余りの教師がいるが、その採用は書類選考、筆記試験、模擬授業、教師らによる面接、校長による最終面接という5段階を経て慎重に選ぶ。公募をすると、1人の教師枠に多い時には70人ぐらいの応募があるという。

柳沢校長は「一度専任教師を採用したら、評価はしない」と話す。

学問的な裏付けと、生徒に対する伝達力を基準に最適の人材を選ぶのだが、柳沢校長が考える良い教師とは「古典落語の名手のような先生だ」という。落語は前段のマクラと本編、そしてオチで構成される。「例えば、数学教師は因数分解を何回も教えているでしょう。しかし、同じ伝え方ではダメだ。その日の客の顔を見て、まず引きつけるマクラを考えないと、そしてドッと笑わせる」と話す。

「確かに授業は面白かったし、毎日楽しかった。うちの会社も開成を見習わないといけない」。結婚情報サービス大手、IBJ社長の石坂茂氏(45)はこう振り返る。開成から東大を経て日本興業銀行(現みずほ銀行)に入行、その後起業したが、リーダーシップの要諦を開成時代に学んだ。

保健体育の先生も重視

柳沢校長は「ただ、一度専任教師を採用したら、評価はしない。その先生に授業のやり方、教材選びなどお任せします」という。専任教師となれば、安定した地位を長年保証される。定年は68歳だ。開成の教師は様々な学位を持つ優秀な教師が多いが、なかには小説家もいる。6年間一貫教育のため、国英数の積み重ねが必要な科目のキーパーソンとなる教師は原則6年間持ち上がる。開成がユニークなのは心身の発達を支える保健体育教師も原則6年間、持ちあがる点だ。

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