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大学入試センター試験が14日に迫り、受験の季節を迎えようとしている。2016年まで35年連続で東京大学合格者トップに君臨する開成中学・高校。累計の東大合格者数は6000人に迫る勢いだ。日本の経済界に「開成人脈」を形成し、多数のリーダーを輩出、業界再編につながるケースも出ている。開成の強さの秘密をひもといた。

「今ごろ三越はどうなっていたか、あの2人の関係がなければ、2社は統合しなかったのではなか」――。再び冬の時代を迎えた百貨店業界。岐路に立つ三越伊勢丹ホールディングス(HD)の元幹部はこう話す。

百貨店再編 開成出身の3人が後押し

2人とは2008年に経営統合した三越伊勢丹HDの母体となった2社の元トップ。現在、同社会長の石塚邦雄氏(当時は三越社長)と、伊勢丹社長だった武藤信一氏だ。武藤氏は慶応大学出身で営業畑一筋の人、石塚氏は東大法学部卒で企画畑を歩み、仕事上の接点はほとんどなかった。しかし、「2人は開成出身で先輩後輩だった」。開成中学・高校の柳沢幸雄校長(69、東大名誉教授)はこう振り返る。

開成中学・高校の柳沢幸雄校長

開成中学・高校の柳沢幸雄校長

同じ百貨店業界でも両社は全く社風が異なる。老舗ブランドの三越と、ファッション中心で収益重視の伊勢丹。統合交渉はスムーズにいかないのでとの見方もあった。

同じ開成出身といっても、武藤氏は石塚氏の4期も先輩で高校時代などは重なってはいない。だが、開成は中高一貫教育で、校内で高3は「6年生」と呼ばれる。同級生のみならず、先輩・後輩のつながりが強いことで知られる。しかも「2人をつなげた当時の金融機関トップも開成出身だった。開成で三人四脚です」(HD元幹部)といわれる。

東京・西日暮里にある開成には中高で計2100人もの生徒が学ぶ。経済界のみならず政界、官界などに一大人脈を形成しているのだ。

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