あなたのネガティブ思考、1アクションでやめられます
「心配」「不安」「うまくいかないかも」。一度ネガティブ思考のループに入ると、なかなか抜け出せない。「悩んでいてもしょうがない、ポジティブに考えよう!」と思っても、すぐにはポジティブ思考になんてなれないし、ネガティブ思考をやめたいのに、やめられない……。そんな人も多いのではないでしょうか。今日はそんな「ネガティブ思考をやめる」コツをお伝えします。
年末年始は一番落ち込みやすい時期?
クリスマスや年末、そしてお正月とイベント盛りだくさんのこの時期って、みんなウキウキして楽しそうに見える。一緒にすごす人がいなくて1人だと不安になり、つい将来のことを考えすぎて落ち込んでしまったり、せっかく楽しみにしていたパーティーなどで、仕事やプライベートを他の人と比べて嫉妬してしまったり。
さらにこの時期は、過去を振り返って落ち込んでしまうこともあります。
「貯金もできなかった」「ダラダラスマホもお菓子もやめられなかった」「ダイエットも習い事も挫折した」……。
「あれも、これも、できなかった」「あのときこうしておけばよかった」「このままだと将来はさらに悲惨なことになりそう」などと考えだしたら止まりません。ネガティブ思考のループは、一度入るとなかなか抜け出せないんです。
他人から「くよくよ悩んでもしょうがない、ポジティブに考えよう!」と言われるけれど、そんなこと分かってる。それができないから辛いのに。
急にポジティブ思考になんてなれないし、ネガティブ思考をやめたくてもやめられないから、あなたはいま悩んだり、困っているのですよね。私自身ネガティブ思考になりがちなので、とてもよくわかります。今日は、そんなネガティブ思考をやめるコツをお伝えしましょう。
その前に、まず知ってほしいことがあります。
ネガティブ思考はあなたのせいじゃない
まず最初に知ってほしいこと。それは「自分はネガティブ思考だからダメなんだ、幸せになれないんだ」なんて、思わなくていいということ。ネガティブ思考になってしまうのは、あなたのせいじゃない。脳の仕組み、生命維持のための防衛本能なのです。
人類はかつて、「常に最悪の事態を想定する」というネガティブ思考のおかげで警戒し、命を守り、子孫を繁栄させてきました。現代でも「最悪の結果を想定したうえで、そうならないように対策を練る」というネガティブ思考のおかげで、不測の事態を乗り越えてきた面もあるのです。さらに、経営者やトップアスリートには、ネガティブ思考の方も多く、すべてが「ネガティブ思考=悪、ポジティブ思考=善」というわけではありません。
そうは言っても、ネガティブすぎる思考はやめたいし、これ以上落ち込みたくないですよね。
ネガティブ思考は脳の防衛本能だから、ゼロにするのは難しい。でも、その思考をキリカエることはできます。ネガティブすぎる思考をやめることで、結果的にポジティブでいられる時間が増える、その名も「思考のキリカエルーティン」。難しそうに思えますが、とっても簡単。たった1アクションでできるのです。
ほんの小さな行動で、ネガティブ思考はやめられる
「ネガティブ思考がはじまった……」と自分で気づいたら、キリカエのチャンス。以下に紹介する小さな行動(ルーティン)を実行しましょう。「ネガティブな思考」だけをキリカエるのは難しいですが、体を動かすことでキリカエやすくなります。
ほんの数例ですが、実際私のクライアントが試して効果があった行動を紹介します。
・深呼吸する
・大きく伸びをする
・声を出して笑う
・天井や空を眺める
・口角をあげる
・肩をまわす
「えっ、そんなことで変わるの?」「それだけ?」と思われた方もいるかもしれません。はい、これだけで効果があります。実際に、ネガティブモードに入ってしまったときに、ぜひ試してみてください。
それでも、ネガティブ思考がとまらなくて、自分自身にうんざりしてしまうこともあるでしょう。そんなときは、ちょっとだけ物事の捉え方を変えてみてください。
空を飛ぶ鳥や美しく咲くバラを見て、落ち込む人は少ないですよね。なぜだと思いますか?
その感情、逆に利用してしまおう
人は、自分の才能や興味がないことに対して、落ち込んだり嫉妬したりしません。「嫉妬したこと・落ち込んだこと=自分が本当にやりたい(欲しい)こと」なのです。ネガティブ思考を、自分の興味や才能に気付くきっかけにしてしまえばいいのです。
落ち込むこと、悩むこと、嫉妬してしまうこと、ネガティブになってしまうことは、悪いことばかりじゃない。あなたが本当に大切にしたいものを教えてくれていることもあると捉え直してみましょう。あなたにとって心地いい時間が、少しでも増えるヒントになってくれたらうれしいです。
大平朝子(おおひら・あさこ)
国家公務員試験を首席合格。裁判所書記官として、年間2000件の裁判記録を扱う中で問題解決のある法則を発見し、独立。教育団体、女性団体、外国人リーダー向けに、講演・研修を実施。無職だった夫をベストセラー作家にした手法が注目され、女性経営者など2300人以上の問題解決に携わる。著書に夫婦初共著となる「ダラダラ気分を一瞬で変える 小さな習慣」(サンクチュアリ出版)。
[nikkei WOMAN Online 2016年12月20日付記事を再構成]
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