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高城れに 江戸切子に挑む「悲惨なことになりそう…」

「ももクロVS江戸切子」編 ダイジェスト

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NIKKEI STYLE

アイドルグループ「ももいろクローバーZ」(ももクロ)が、伝統工芸の魅力を同世代の若者たちに教えてもらいながら、モノづくりに挑戦する連載「ももいろトラディショナル」。ここではこれまでに掲載したバックナンバーをダイジェストで紹介します。今回紹介するのは江戸切子に「ももクロの鋼(はがね)少女」こと高城(たかぎ)れにさんが挑戦した第3シーズン。今回、江戸切子について教えてくれたのは、音楽の道から伝統工芸の道へ転進した27歳の若者でした。

江戸時代後期に生まれた江戸切子

江戸切子に挑戦するために、高城さんが訪ねたのは、東京都江東区亀戸にある根本硝子工芸。黄綬褒章も受章した根本幸雄氏が昭和34年(1959年)に設立し、現在は、国の伝統工芸士に認定されている実子の達也さんが工房を受け継いでいます。スカイツリーを間近に望める、下町風情の残るエリアでちゃきちゃきの江戸っ子もたくさんいるこの地域には江戸切子の工房が数多くあるそうです。

江戸切子は江戸時代後期に生まれたと伝えられています。江戸切子協同組合のホームページを見ると、その製造工程が説明されています。工程は以下の6段階(ただしガラスの素材などによって工程が違ってくるそうですが)。

1 カットの目安となる縦横の印をつける「割り出し」
2 大まかなデザインを決めて削る「粗摺り(あらずり)」
3 粗摺りを元により細かく滑らかにカットしデザインを完成させる「三番掛け」
4 カット面をさらに滑らかに仕上げる「石掛け」
5 研磨剤をつけてカット面の光沢を出す「磨き」
6 フェルトや綿などの繊維を研磨剤として用いる磨きの仕上げ作業「バフ掛け」

この中で、高城さんが挑戦するのは、作品のキモともいえる「三番掛け」です。

「悲惨なことになりそう……」

江戸切子といえば、伝統的な青(瑠璃)と赤(銅赤)が有名ですが、現在ではどんな色も作れるようになっているとのこと。より色あざやかで美しい作品が増えているそうです。

作業場で高城さんを出迎えたのは、達也さんの実子であり、平成生まれの幹大(みきひろ)さん。現在、根本硝子工芸は、達也さんと幹大さんの2人で作業しています。

今回チャレンジするのは幸雄さんがデザインした「しずく」。根本硝子工芸の中でも1、2を争う人気製品です。

写真の1番右が何も手が加えられてないガラスのコップ。真ん中は「割り出し」で線を引いたところに「粗摺り」をしたもの。そして左側が完成した「しずく」です。今回、高城さんは真ん中コップを使って、くぼみの部分をより深く滑らかに「削る」、伝統的な模様の細やかな直線を「彫る」の2つの作業に挑みます。

説明を受けるほど、「難しそうですね。悲惨なことになりそう……」と不安の色を隠せない高城さん。さて、うまくいくのでしょうか。

まずはしずく形のくぼみを削るところから

「しずく」にはグラスを囲むように同じ模様が6つ描かれています。まずはそのデザインの中央に位置するしずく形のくぼみのうち3つを高城さんが削ります。

高城 このくぼみのところですよね。すごく難しそう……。できるかなあ、粉々にならないか心配(不安顔)。

幹大さんがスイッチを入れると、ダイヤモンドがついたホイールカッターが音を立てて回転し始めます。そこにおっかなびっくりくぼみを当てていく高城さん。

高城 あ~、息が止まりそう(笑)。けっこう力を入れないと削れないものなんですね。あれ、こんなところに(ホイールが)当たってるの? 真ん中だと思ったのに、ズレてる……。

幹大 グラスに厚みがあるし湾曲しているから、見ているのと削るのとでは微妙にずれるんです。そのズレを自分の中で修正して削るのがコツだし、腕ですね。

高城 そうなんですね。距離感をつかむのが難しい(汗)。

伝統の柄に挑戦

しずくに続いて高城さんが挑戦するのが江戸切子の伝統的な柄の一つ「菊繋(つな)ぎ文」。細かな線が重なって作られた複雑なデザインのため、さすがにすべてを高城さんが作るのは難しいので、最初に高城さんが線を引き、それを幹大さんに完成してもらいます。

幹大 江戸切子のほとんどの文様は最初に縦と横の線を引いて升を作って、その頂点を結んでいくことで形にしていくんです。

高城 なるほど、縦の線と斜めの線を組み合わせていくと菊に見えるんですね! 昔の人ってすごすぎない?

幹大 全部を引くのは難しいですから、今回は対角線を引いてもらいましょう。ただ今回削るグラスの上のほうは、前回のしずくの部分よりずっと薄い。入れすぎると突き抜けちゃうこともあるから、力の入れ具合に気をつけて。

高城 そうなんですね。今度こそ粉々になっちゃうかもしれない(不安そうに)。

[高城さんが菊繋ぎ文に挑戦した様子はこちらで]

将来は江戸切子で料理を出す飲食店も

江戸切子の体験が終わった後、工房の隣にある根本硝子工芸のオフィスにやってきた高城さんと幹大さん。実際に作業を体験した後に、ショーケースに並ぶ江戸切子を見ると、その模様の細かさに驚くばかりです。

高城 伝統工芸のやりがいってどんなところで感じますか?

幹大 江戸切子って世界に誇れるものだなと感じるので、そこはやりがいがありますね。この仕事に就くにあたり、海外のガラス工芸も勉強しましたが、江戸切子のすごさを確信したんです。

高城 逆に、難しいなって思うのはどんなこと?

幹大 良くも悪くも、江戸切子は国内だけでなんとか商売が成り立っちゃう。最近は他の伝統工芸の職人さんとの交流もしてるんだけど、日本の伝統芸能って殻に閉じこもってるなと感じることが多くて。それをちょっとずつでも、僕らの世代で変えられたらいいと思ってます。すごく現実的な話なんですが、江戸切子をもっと広げていくために、販売方法やルートを開拓していきたい。昔ながらの、受注して言われたものを作って納品するだけでは、江戸切子の世界は広がらないと思うんです。百貨店などでの実演販売も江戸切子の良さを直接見ていただけるいい機会だと思うので、積極的にやっていきたい。あと、これはまだ実現できていないんですが……。

高城 どんなアイデアですか?

幹大 いろいろ多角的な展開ができればいいなと。飲食店を出して、そこで使う食器をすべて江戸切子にするとか。

高城 先々のことまで考えているんですね。すごいなあ。すてきなお店ができたら教えてください。いっぱい食べますから!(笑)。

若い人が作ると伝統工芸も若々しく見える

高城さんが体験した江戸切子「しずく」。幹大さんが仕上げを施した後、磨きをかけて完成です。実際に江戸切子ができあがったのは体験日のおよそ1カ月後。さっそく高城さんに届けました。

当日はももクロの撮影日。撮影の合間に、できあがった江戸切子を高城さんに手渡します。

高城 わあ、すごい。きれいに仕上がっていますね。

撮影に立ち会っているももクロの衣装や小物もそろえる女性スタイリストも「これ、すごくきれいじゃないですか」と興奮気味。

高城 あ、でもはみ出したところが残っている!

江戸切子を体験してみた感想は?

高城 やっぱり実際自分で体験したせいかもしれないけれど、昔の人のもの作りのアイデアってすごいなって思いました。同世代が伝統的なもの作りに関わるというのはうれしいし、若い人が作ると伝統工芸が若々しく見えるというのも面白かった(この記事を参照)。ぜひ自分の生活の中でも使い続けていきたいなと思います。私は神奈川生まれなので伝統工芸というと箱根の寄せ木細工の印象が強かったんですが、これから他の伝統工芸についても勉強していきたいです。

(文 橘川有子、写真 佐藤久、ヘアメイク なかじぃ=kind、企画協力 佐々木健二=ジェイクランプ)

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