
これから2回にわたって、女性の睡眠問題についてご紹介する。今回は睡眠時間の男女差について。
日本は「睡眠不足大国」であることに加えて、男女別にみるとさらに違った風景が見えてくる。
経済協力開発機構 OECD の国際比較調査では日本人の睡眠時間が加盟国中でもっとも短いことが話題を集めたが、とりわけ女性の睡眠時間が短かった。次ページの図はOECDデータから睡眠時間の男女差を算出したものだが、日本のように女性の睡眠時間が短い国は例外的で、大部分の加盟国では男性よりも女性の睡眠時間が長いことが分かる。
女性の睡眠時間が男性よりも短いのは、日本、韓国、メキシコ、インド、とごくわずかである。このメンツは心強い援軍、とは言い難い。逆に、スウェーデン、ノルウェー、ベルギーなど北欧の国々では女性の睡眠時間がかなり男性を上回っている。男女平等、福祉国家の国々が多いような印象がある。
少し古いデータになるが、2006年に総務省統計局労働力人口統計室がまとめた有職者(働いている人)の睡眠時間の国際比較データでは、日本の有職女性の睡眠時間が他国に比較して圧倒的に短いことが明らかになっており、特に有職男性との差が浮き彫りになっている。